こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

カイルベルトのブルックナー

2008年11月10日 00時16分21秒 | ブルックナー
秋もいよいよ深まった、というかもう立冬を過ぎましたから、もう冬ですか。気温も10度台の前半とかなり低くなってきました。先週末、岡山に一泊しましたが、山間部なので、寒さを感じます。土曜に岡山駅周辺に用事があって行ったついでに、岡山のタワーさん寄りました。クラシックの売り場もこぢんまりとしていましたが、それなりの様子でした。そこで、最近発売された「巨匠カイルベルトの芸術」の中の一枚、ブルックナーの交響曲第9番を買ってしまいました。バンブルク・フィルハーモニー管弦楽団。録音は1956年です。お値段は1000円でありました。
ヨゼフ・カイルベルトは、1908年に生まれ1968年に没したドイツの指揮者です。先年1956年のバイロイト音楽祭での「指環」のステレオ録音が発売されて、話題になりました。それまでは、それほど話題にならない指揮者でしたかね。私も、カイルベルトと言えば、かの昔、LPで千円盤が発売されたときに、カイルベルトの演奏がこの千円盤によく見られたことを思い出します。そのときには、安かろう悪かろうの千円盤の演奏家ということで、そんなにいいイメージはなかったんですね。しかし、それは失礼極まりないものであることは、いうまでもありませんね。
それで、このブルックナーです。ブルックナーの9番というのは、演奏によっては、息苦しくもう聴きたくないなあ、と感じるものがあるんですね。曲自体の重さにもよるのかもしれません。しかし、この演奏はそんなこと全く感じさせないものです。まず、オーケストラの響きがすばらしい。落ち着き、美しい弦の音色は、心を安らかにさせる。派手さはないが、渋く安定した管もいいです。ドイツの重厚な音色とよく言われますが、まさにそれを具現化したものでしょうか。そして、ゆったりと、その中で一音一音を心の中で噛みしめるように演奏しているところなど、大いに共感をもてます。第一楽章、弦の音色がたいそう美しい。声を荒げたり、威嚇的な声もなく、いたって平穏で安らかに演奏が進んでいきます。カイルベルトは、いたずらにテンポを変えることなく、極めて安定した音作りに徹しており、それが曲に重厚さを加えています。第2楽章スケルツォ。曲の本来の荒々しさを、それほど感じない。中間部は特に美しい演奏になっていると思う。安定したリズムと、それを裏付けるような弦と管の明晰さは、他の演奏では聴かれないような明るさにつながっているようです。そして、第3楽章アダージョ。ここでもオケの整い安定した演奏が見られる。案外とあっさりとした、またねちっこさを排除ところが特徴。多少テンポは速めかと思う。重低音が安定し、金管も伸びやかです。それほど深刻さを感じないところも特徴ですねえ。
実は、このCDを買うつもりはなかったんですね。当初は朝比奈さんのを買うつもりでした。朝比奈さんのがなかったので、カイルベルトさんになったということであります。
(TELDEC WPCS-12154 2008年 巨匠カイルベルトの芸術4)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同意 (ken)
2010-09-05 02:20:42
カイルベルトの9番、TELDECのを持っています。ヨッフムBPO盤(自分が初めて買ったブルックナーのLP)と共に一番好きな演奏です。ヨッフム・ミュンヘンフィルは未聴です。
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コメント感謝です。 (mikotomochi58)
2010-09-06 20:01:14
ken様 コメント感謝です。カイルベルトのこのシリーズは、この指揮者の演奏を知る上で大変貴重なものですね。こんな指揮者が少なくなりましたねえ。
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