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フリッチャイのベートーヴェン その2

2011年12月05日 22時55分33秒 | ベートーヴェン
プロ野球でFAの交渉が始まりました。今年は、アメリカに中島・和田・川崎などが行くみたいだし、国内でも村田・杉内などが移籍するようですねえ。やはりジァイアンツですわ。どうも、村田・杉内を獲得するみたいです。ホールトンも…?。いつものことですが、金にモノを言わせて…。まあマリーンズとは別のリーグですから、好きにやってください。一方、日本一になったホークスは、和田・杉内・ホールトンの三本柱と川崎が抜けるかも。これは痛いですね。来年のパはどうなるんでしょうか。しかし、マリーンズ、補強は一向に進みませんね。トホホ…であります。オーティズを再度獲得なんてことも漏れ聞こえる昨今です。

さて、前回フェレンツ・フリッチャイの演奏を取り上げましたが、今回もフリッチャイのもの。同じベートーヴェンの交響曲第3番変ホ長調『英雄』作品55であります。BPOとのものです。1958年10月の録音です。もう半世紀以上前の録音ですが、この『英雄』、先の『合唱』と同様素晴らしい演奏ですね。フリッチャイは、1953年から1961年にかけて、DGにベートーヴェンの交響曲を6曲(第1番=1953年、第3番=1958年、第5番=1961年、第7番=1957年、第8番=1953年、第9番=1957-58年)、すべてBPOと録音しています。フリッチャイの演奏、よく言われるのですが、1958年に白血病となる前と後では大きく演奏が変化したようです。以前は「リトル・トスカニーニ」と言われ、快速派で、以後は、「フルトヴェングラーの再来」で演奏により深い精神性を求めるようになったといわれます。『英雄』についても、この1958年の演奏は、全曲で約50分。1961年ベルリン放送交響楽団とのもの(ライブ、モノラル)は約56分。これほどの違いがあります。後者については、未聴なのでなんとも言えません。しかし、1958年の演奏、BPOとの演奏ということもあり、この曲の名盤のひとつに数えられるものです。

まず、1958年のステレオ初期の録音ですが、状態は極めて良好です。ただ、第4楽章に何ヶ所か不鮮明になる箇所があります。まあ、これもそれほど深刻なものではないでしょう。そして、演奏についてです。まず第一に、『合唱』でもそうでしたが、BPOの演奏が素晴らしい。極めて統率の取れた安定感と美音、そして重厚さにあふれています。BPOは、1960年前後に、クリュイタンス、ベーム、カラヤンともこの曲を録音していますが、これらと比較しても、フリッチャイの演奏が最も重厚、かつ各楽器がたいそう生き生きとした音を聴かせてくれています。第二に、フリッチャイは、ここでかなりのテンポの効果的な緩急を取っています。これはフルトヴェングラーばりに演奏の効果を高め、聴かせどころを作っています。私的にはインテンポが好きなところもあるのですが、ここでの演奏の効果はなかなかいいです。そして第三に、曲の表現力が素晴らしい。単に旋律を深く歌わせるということではなく、それぞれの楽器の表情や強弱、テンポなど、それらが合わさってこの曲を正面から表現しています。そのこには一点の曇りも迷いもありません。それらは、フリッチャイには客観的で冷静に計算された表現と感じます。第1楽章、ゆったりとしたテンポで始まって、大変バランスのよさを痛感します。ゆったりと流れるところから盛り上ガリながらテンポは速くなるなど、それがまた自然に流れる。強弱の展開も巧い。それが聴き手の気持ちを熱くさせます。第2楽章、心に突き刺さるような深い表現ではない。しかし、テンポと強弱でうねるような展開が聴かれ、ぞれが心を打つ。そう聴いていくと、実に味わい深い葬送行進曲です。ここまででかなり納得させれますが、これに続く後半の楽章もいい。第3楽章スケルツオ。最初は押さえて、して爆発。こう来るなと予想がつく展開だが、そう思っていても心地良いですねえ。BPOもうまい、そして、終楽章。BPOに思いっきり演奏させ、それをしっかり統制しているフリッチャイなんですねえ。それがBPOから実力を精一杯引き出すことになっている。後半の楽章を前半以上に聴かせてくれたのは、この演奏が一番であります。

しかし、フリッチャイのCDは、なかなか入手し難くなっています。この『英雄』も中古やさんで見つけました。できるだけ、探して聴きたいものであります。
(DG UCCG-3431 クラシック文庫 2002年)

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2 コメント

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Unknown (バルビ)
2011-12-09 06:35:09
フリッチャイは、モーツァルトのミサ曲やチャイコフスキーの悲愴などで、凄い指揮者だなと思いましたね。だから、ベートーヴェンだって聴きたくなりますよ。

おっしゃるように、入手難のようで、アマゾンでは9000円以上で出ています。ジャケット違いか2000円ほどのもありました。こっちだったら買ってもよいかな。

いずれにしても、「英雄」「フリッチャイ」と聴けば、食指が動きますね。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2011-12-10 18:43:10
バルビ 様、コメントありがとうございます。フリッチャイのチャイコ、悲愴や五番が欲しいと思いつつ、買えない状況ですねえ。中古やさんで探すしかないのでしょうか。ただ、ベートーヴェンの5番・7番はいまでもHMVでは売ってますので、これはできるだけ速く買おうと思っています(笑)。またご教示ください。
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