NHK党が推進する「政治家女子48党」が統一地方選の目玉になるかもしれない理由

一読しておこう

案外このあたりから 変革が始まるかも・・・

 

NHK党が推進する「政治家女子48党」が統一地方選の目玉になるかもしれない理由(伊藤 博敏) @gendai_biz

 

地方政治の現状に風穴

議員報酬もどれだけの選挙民が意識しているだろうか。

それぞれ条例で定められており、高いことで知られる東京都議の場合は月額102万円で、杉並区議が60万円、青梅市が53万円だ。これに経費として政務活動費が支給される。フルタイムで働いているわけではなく、地方議会の基本は年に4回の定例会と臨時会。市議会の年間会期平均は約90日で町村議会は約43日なので、兼業可能な“おいしい仕事”なのである。

 

政治家女子48党の公約は2つである。ひとつが被選挙権を引き下げ選挙権と同じ18歳以上とすること。もうひとつはネット投票を可能にすること。若者層を中心に選挙に関心を持ってもらい、その声を政治に反映させる。

二極化は、収入面だけでなく情報取得の面でも拡がっており、新聞・テレビで情報に接する層とSNSを主な情報源とする層の乖離は著しい

例えばブレイキングダウンである。格闘家の朝倉未来氏がプロデュースしており、従来の格闘技を「壊し続ける」という意味合いが込められているだけに過激で激しい。今や爆発的人気でYouTubeの再生回数は19時間で372万再生に達した。しかし新聞・テレビが報じないだけに、その存在を知らない国民は少なくない。ブレイキングダウン党構想には、そのギャップを埋める意味もある。

政治家女子48党のコンセプトは、2019年の統一地方選で当選、アイドル活動を続けながら荒川区議としての仕事をこなす夏目さんの実績のうえに組み立てられた。指定難病の全身性エリテマトーデスに罹患、さらには子宮頸がんを発症してがん治療を続けながらアイドル活動も止めなかった。

その壮絶な体験から「医師に救われたように、政策で人を助けられる人になりたい」と政治家になり、子宮頸がん予防ワクチンの普及活動に取り組んでいる。活動は実り、荒川区の接種率は2019年の4・1%が21年には42・97%に達した。そうした体験を『逆境力 難病、子宮頸がんを乗り越えアイドルから政治家へ』(日本橋出版)として、11月7日に上梓した。

れいわ、参政党とあわせ数百名規模に

こうしたSNSで情報を拡散、意識を共有する政党の動向は、マスメディアが報じないので国民に周知されていないが、3党合わせて比例区で10%を獲得したことが象徴するように、長期化する自公保守政権とガス抜きの反対勢力となった立憲民主など野党に飽き足らない有権者の期待を集めるようになった。その勢いが、都市部から地方へも波及するかどうかも統一地方選で判明する。

NHK党は被選挙権の引き下げやネット投票で、年配者中心の既得権益層から政治を取り戻すのが目標だ。ただ、「核になる政治の方針や方向性」が見当たらない。そこで筆者は記者会見の場で夏目党首に聞いた。

「思想信条を問わずに募集するのはいいが、党首の最も大切な指針である子宮頸がんワクチンの接種推進に反対する人が応募してきたらどうするのか」

夏目さんはこう答えた。

公約は2つで、それ以外のことは各自にお任せしたい。反ワクチンの方とは話し合いはするが、強制はしません

立花氏にも質問をしたが、「ワクチンにはいろんな立場の人がいる。それをとりあえずは甘受して、いろんな立場の人を受け止めようということです」と同様の回答だった。

 

この融通無碍がNHK党の特色だが、政党には有権者に提示する将来像が必要となる。既得権益に戦いを挑んできた立花氏の役割は、政治の主導権を若年層に取り戻した後の方向性を指し示すこと。そして政治ジャーナリズムは、マスメディアとともにSNSが動かす政治の先を読み取り、情報発信しなければならないだろう

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