セウォル号引き揚げ担うのはよりによってあの国の会社

黒田勝弘

【ソウルからヨボセヨ】セウォル号引き揚げ担うのはよりによってあの国の会社…「安物買いの銭失い…

 3年前の春以来、韓国社会を揺るがしてきた「セウォル号沈没事件」の船体が引き揚げられた。テレビ各局はその様子を一斉に現場中継している。修学旅行の高校生など多数が犠牲になった韓国海難史上最悪のこの事故では、当局の対応策に世論の批判が噴出。とくに事故直後の動静があいまいだった朴槿恵(パククネ)大統領(当時)が非難の矢を浴び、政治問題化した。

 思い起こせばこれが朴氏にとってはケチのつきはじめで、結果的にその後の弾劾・罷免にまでつながったことになる。

 事故は朴氏のみならずすべての国民にとって忌まわしい出来事だったが、その沈没したセウォル号の引き揚げを担っているのが中国のサルベージ会社とあって街の声は複雑だ。韓国では今、在韓米軍の対北ミサイル防衛網配備を非難する中国から、観光中断をはじめ手ひどい“報復”を受け、対中感情が極度に悪化しているところだからだ。

 街の声は「よりによってなぜ中国企業なんだ?」と首をかしげているが、中国が選ばれたのは入札価格が最も安かったためだと分かった後は「安物買いの銭失い」にならなければいいが、と皮肉っている。全国民の関心が集中する場面だけに、世界トップ水準の日本のサルベージ会社が引き受けなかったのは、幸か不幸か?

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