iPhone工場などが撤退した城下町は廃墟になった

https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00909/ 中国から外資・富裕層撤退の動き:背景に対米対立と台湾侵攻リスク _ nippon.com
外資撤退が中国崩壊をもたらした
2024年にマイクロソフトが中国でのAI部門を閉鎖し撤退、メッセンジャーに続き6月7日にはポータルサイト「MSN」のサービスも終了すると発表した
マイクロソフトは中国にインターネットやコンピュータ時代をもたらしたが、その見返りは搾取や強奪や侮辱や圧力といったものでした
中国のマイクロソフト社員は1万人を超えていたが現在は9000人で、その8割は研究開発部門の技術者で中国人が多い
マイクロソフトは中国から研究部門を撤退させ東南アジアに移転させていて、これは中国がIT企業にとって『儲からない国』になっているのを意味している
アメリカは対中制裁の一環としてアメリカの技術を中国に移転したり、アメリカ人技術者を中国に派遣するのを禁じているので、ほとんどの米国企業はアメリカ人社員を中国から引き揚げています
習近平や中国の経済政策への批判が外国で強まっているが、いかに”ずれている”かは24年初めに、「AIは社会主義の価値観に適合する必要がある」と中国政府が示したことでも分かる
チャットGPTのような欧米AIに社会主義について質問すると「社会主義は間違っていて経済を低迷させる」と当たり前の事を言うが、中国政府は「社会主義は正しい」と嘘をつくAIしか認めていない
数年間まで全世界のiPhoneの95%が中国で生産されていたので、中国は「アメリカは絶対に中国を制裁できない」と甘く考えていました
台湾企業のフォックスコンはアップルの最大製造者で中国鄭州に巨大工場群を構築し、雇用や技術や資本など数えきれないほどの恩恵を中国にもたらした
フォックスコンの中国従業員は30万人以上だったが現在は6万人に減少し、鄭州などからスマホ関連輸出額は数分の1にまで減少している
かつて工場労働者で溢れていた鄭州の繁華街は完全な無人地帯となり、シャッター街というよりはゲームに登場する廃墟都市に近い
アップルの発表によれば2024年にインドにある工場でiPhoneの14%を製造し、25年には25%がインドで製造されるようになります
習近平の頭脳は小学生なみ
習近平および中国政府は明らかにこうした外資による恩恵を軽く考えていて、それどころか外資を追い出して国内企業に置き換える政策を長年続けてきた
代表例は自動車で初期の中国国産車など乗れる代物ではなく1985年にVWがサンタナを中国工場で生産してから自動車史が始まりました
日独の工場は中国企業に大量の部品発注をしたり技術移転をしたので中国の自動車産業も力をつけて、2010年以降は急速にシェアを増やした
すると中国政府は「自動車産業の覇権を握る」と言い出して外国メーカーを追い出そうとし、BYDなど国産メーカーを優遇する政策を次々に打ち出した
これは中国の国策なのでトヨタやVWがどれだけ努力しようとも無関係で、今後も日独車の中国でのシェアは低下し続けます
習近平の頭脳では「国産が増えれば経済が強くなる」と考えているらしいのだが、現実にはこんな事をやればやるほど中国は衰退します
マイクロソフトやアップルやIBMを追放してファーウェイやシャオミの国内シェアを増やしたら、実は外資が撤退した分中国のGDPが縮小します
それを示す典型的なエピソードがトラック不況で、中国に進出していた外資系企業が次々に撤退したので中国各地の製造業拠点が大きな打撃を受けて配送する荷物がなくなった
外資系工場の撤退は地元企業の減少と貨物ドライバーの荷物の減少をもたらし、23年初頭から深刻な影響があきらかになっていた
30年以上トラック運転手をやってきた男性は、現在はトラックを所有しても運転手を雇う費用すら出せないので廃業した
運転手を雇えないと何千キロもの距離を自分1人で大型トラックを運転しなくてはならないのを意味し、いずれ事故を起こすのは時間の問題です
中国のトラック運転手はかつて3000万人を超えていたが大手物流会社は貨物需要が30%減少したと語り、個人運転手はもっと厳しい
コストは上昇し運賃は下がったので運転手の給料は大幅に下がってしまい、かつて2人で1台を運転していたのが1人で数千キロ運転している
外資工場の撤退がこういう事態を引き起こしていて、工場が支えていた膨大な屋台や食堂の需要もなくなり、多くの人はその日の食べ物にも困窮している