この通りなら
「櫻井よしこは 罪な女」
「菅直人は いいこと何もしなかった」
と なります
田中良紹
ポピュリズムの罪
「薬害エイズ事件の真実
」(現代人文社)という本がある。
・・・
安部氏の刑事事件となる患者が非加熱製剤を投与されたのは85年の5月だが、非加熱製剤の危険性が学会で指摘されたのは直前の4月である。そのためギャロ博士らエイズウイルスの専門家からは「安部氏の治療方針は世界の医療水準に適っていた」と指摘されている。
それなのに安部氏はなぜ逮捕・起訴される事になったのか。外国においても非加熱製剤の投与を受けてエイズに感染し死亡した患者はおり、当然ながらアメリカでは日本を上回る数の患者が死亡している。しかしアメリカでは医師に対してエイズ感染の責任を追及する動きは見られず、エイズ感染の科学的な究明と対策に莫大な公的資金が投入された。日本ではエイズ感染の究明と対策に力を入れる代わりに、一人の生贄が血祭りに上げられ、検察の捜査に多額の税金が使われた
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メディアは血液製剤によるエイズ感染が世界中で起きていた事実には目を瞑り、血友病治療の権威である安部氏がミドリ十字に便宜を図るため加熱製剤の使用開始時期を遅らせ、感染患者を増やしたというストーリーを作りあげた。
・・・毎日新聞、桜井よしこ氏、NHKスペシャル『埋もれたエイズ報告』、TBS『筑紫哲也ニュース23』を名指しで批判している
・・・ メディアの大衆迎合路線にすぐ乗るのが政治と検察である。エイズ騒ぎの最中に就任した菅直人厚生大臣(当時)は抗議活動をしていたエイズ訴訟原告団を省内に招き入れ、「倉庫に隠されていたファイルを発見した」と言って「謝罪」した。しかしファイルは倉庫にあっただけで別に「隠されていた」ものではなく、「謝罪」する意味も不明だった
国会の証人喚問は常に質問する政治家のただのパフォーマンスに過ぎず、問題を解明した事など一度もないが、安部氏に対する議員たちの質問は、頭から安部氏の責任を問うだけで、エイズについての科学的見地からの質問は全くなかったとこの本は書いている。中でも枝野幸男議員は「今度、東京地裁の刑事部でお会いするのを楽しみにしています」と捨て台詞を吐いて質問を終えたという
しかも検察が悪質なのはストーリーに都合の悪い証拠を隠蔽した事である。海外まで国費を使って出張し、エイズ問題の権威であるギャロ博士やシヌシ博士の嘱託尋問を行なったにも関わらず、ストーリーに不利になると分かると検察はそれを隠し続けた