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日本人の「精神奴隷」化に終止符を
これは まさに 正論!!!
【新聞に喝!】日本人の「精神奴隷」化に終止符を 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦
5月25日、韓国の大邱(テグ)で元慰安婦の李容洙(イ・ヨンス)さんが記者会見し、「正義連に対し『30年間も利用され、だまされてきた』と強調。元慰安婦を『性奴隷』と主張し、旧日本軍による被害を訴える運動のやり方にも『どうして私が性奴隷なのか。とんでもない話だ』と怒りをあらわにした」という(5月26日、朝日新聞朝刊)。
「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)の後継団体である正義連または「正義記憶連帯」とは、正式名称を「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」という。
20年前の平成12年の年末に、東京の九段会館などで「女性国際戦犯法廷」と呼ばれる裁判劇が開催された。こちらも正式名称があり、「日本軍性奴隷制を裁く2000年女性国際戦犯法廷」という。
実はこの裁判劇は、慰安婦救済のために開催されたものではない。慰安婦問題を口実にして、戦犯にならなかった昭和天皇に、戦争犯罪人の汚名を着せるために開かれたものである。つまり「戦犯」とは、昭和天皇のことなのだ。そして予定通り、昭和天皇を有罪と判決して終了した。
したがって、裁判劇を立案し実行した人たちの歴史観は、「東京裁判不十分史観」あるいは「東京裁判でもまだ足りない史観」と呼ぶべきものである。そしてこの裁判劇には、新聞では朝日新聞、放送ではNHKが深く関与していた。
現在の世界には、本物の性奴隷と言うべき人々が存在する。2018年のノーベル平和賞を受賞した、「イスラム国」(IS)に拉致されて悲惨な体験を強いられたイラクのヤジディ教徒の女性のような人々である。つまり、慰安婦を性奴隷と呼ぶことは、本物の性奴隷の人々に対するこの上ない冒涜(ぼうとく)に他ならない。
昭和天皇と慰安婦との組み合わせは、昨年の「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」でも、執念深く再現された。それに対する批判は、現在、大村秀章知事に対するリコール運動を誕生させている。日本は慰安婦問題によって完全な冤罪(えんざい)をでっち上げられ、その汚名に苦しみ続けている。
性奴隷という言葉は慰安婦問題のキーワードであり、それによって、日本人は精神奴隷にさせられているのである。ついに、元慰安婦の人間が性奴隷であったことを完全に否定した。それなのに、日本人はいつまで精神奴隷という悲惨な境遇を甘受し続けるつもりなのか。
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【プロフィル】酒井信彦(さかい・のぶひこ) 昭和18年、川崎市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。東京大学史料編纂(へんさん)所で『大日本史料』の編纂に従事。
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