環境中でウイルス耐性化も タミフル大量使用に警鐘

東京新聞
環境中でウイルス耐性化も タミフル大量使用に警鐘
<全文引用>
新型インフルエンザが大流行して抗ウイルス薬タミフルが大量に使用されると、尿に排出された薬の成分が河川の水を介して野鳥の体内に入り込み、タミフルが効かない耐性ウイルスが生じる恐れがあるとする研究を、英国の研究チームが2日までにまとめた。
 1つの薬ばかりを使うと人の体内で耐性ウイルスができ、それが広がる恐れがあるのは分かっていたが、環境中でもそうしたリスクがあることを示した形だ。
 チームは、英国と米国の16地域の下水処理網について、大流行時にタミフル成分を大量に含む下水が生じた場合、処理水が流れ込む河川中の濃度がどうなるかを試算。その結果、英ロンドン周辺や米コロラド川流域などでは、河川水1リットル中に30マイクログラム超の薬剤成分が含まれ、こうした高濃度の状態が2-3週間続くことが分かった。
 流域には、インフルエンザウイルスを運ぶ生物として知られるカモなどの野鳥が生息しており、チームは水を飲んだ鳥の体内でウイルスが耐性ウイルスに変異し、最悪の場合、人に感染する可能性もあるとみている。   (共同)
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