コロナ禍の最中に子どもが高熱…病院での診断はどうなった|日刊ゲンダイDIGITAL
ピークアウトが見えない新型コロナウイルス。そんな3月中旬、本紙(日刊ゲンダイ)記者の子ども(小学4年生)が38度以上の熱発をしてしまった。そこで病院に行くとどうなるのか。最も高い熱は39.6度。熱が下がらないので都内の小児科に連れて行った。まさか新型コロナウイルスに感染したとは思わないものの、親としては気にはなるし、インフルエンザということも考えられる。
病院では検温したところ38.2度だった。問診となったが、医師の診断といえば「検査はしません」。新型コロナウイルスはもちろん、インフルエンザもだという。この診断について医師はいくつかの理由を述べた。
(1)日本医師会から検査はするなと通知が出ている。
(2)検査をして診断が出てしまうと病院を閉鎖することになる。
(3)子どものマスクをはずせば飛沫などが広がる。
(4)子どもは新型コロナに罹っても重篤化していない。
(5)インフルエンザもピークを過ぎている。
実際、3月11日に日本医師会は都道府県医師会長らに「新型コロナウイルス感染症が疑われる者の診療に関する留意点について」という通知を出している。これは厚生労働省の事務連絡に基づくものだ。そこで先ほどの診断に関わる点については、
<日本医師会として、新型コロナウイルス感染症似に関する知見が得られていない現状では、例えばインフルエンザなどの場合には検査をせずに臨床診断にて治療薬を処方することをご検討ください>
と通知されている。N95マスクや防護具など十分な感染予防策をとれば、感染が判明しても濃厚接触者とならないというが、町の病院ではそのような体力もないため、苦肉の策なのだろう。
我々の場合も問診だけで、解熱剤カロナールとタミフルが処方された。仮に高熱が続く場合、親がインフルエンザと判断して自己責任でタミフルを服用させることになる。ただしタミフルは子どもの異常行動が注意喚起されてもいる使用上注意すべき治療薬だ。検査もなく処方されてしまう現状には、いさかか不安を抱いた。
結局翌日、子どもの熱は下がり、タミフルもカロナールも服用せずには済んだ。