都市の民、中国 ・ 畳の民、日本

養老孟司×隈研吾 「ともだおれ」思想が日本を救う
都市の民、中国・畳の民、日本

唐以降、自然という言葉は中国から消えた

日本には自然がある  
だから明治になって、日本では自然科学が発達した

天道、人道は根本的に宇宙の原理、天の道に一致しているという考えが朱子学ですから。でも、伊藤仁斎もそうだけど、自然科学者の荻生徂徠は、天の道と自然の道、社会のルールと自然のルールは根本的に違う んだ、と説いた。
 それをもっと平易に説いていったのが二宮尊徳です。彼がどういうふうに説明したかというと、家を建てて、ほっぽっておくと、屋根に穴が空いて雨が漏って、家が崩れる。これを天道という、と。で、そういうふうにならないように一生懸命、手入れをする、これを人道と言う

都市化した中国は、そうじゃない。 あそこでは草が生えないです。森も大昔に伐採しちゃって、その後は草も木も生えていない。

草や木が生えるには、基本的には表土がないとだめなんです。要は腐葉土ですね。でも植物体が死んで残す土なんて、たかが知れている。だから熱帯でも表土は浅いところが多い。そういうところの木は、ものすごく根が浅くて、簡単に倒れます。日本人はそれに気が付かないんですよ、土に恵まれているから。
日本の土は層が厚いんです・・・ものすごく厚い。それは何のおかげかといえば、基本的には火山のおかげですよ。火山灰が細かい粒子の土をつくってくれるんです

中国って自分で土地を買って家を建てることができない
日本だと、草も家も豊かな土の上にどんどん生えるような感覚ですが、中国は草も家も砂漠の上に人工的に計画されるんですよ。

中国人って徹底的に都市の人間
超高層ビル群は中国人のメンタリティに、ものすごくフィットする

ユダヤ人は典型的な砂漠の民です
中国も唐以降の帝国は、基本的には砂漠系の民族王朝になります。漢民族と言いながら、実は北方系の王朝だった、といわれていますから

赤穂浪士の騒動を延々とさかのぼっていくと、長良川の水利権争いに行き着くんだって。長良川では、吉良と徳川が、上流、下流の利権を持っていたんだけどね、吉良の方が古くから上流の水源地を押さえて、いつもそこで威張っていたんですよ。
 しかも、徳川と吉良にはもうひとつの確執があって。徳川といえども、征夷大将軍の称号は1代限りだから、徳川家は将軍が代わるたびに称号をあらためなければならない。そのときの取り次ぎが吉良という高家で、徳川家はいつも吉良家に相談をしなきゃいけない。ということで、日ごろから吉良家をわずらわしく思っていて、それで赤穂浪士の討ち入りが起こったときも、ちょうどいいから吉良をつぶしちまえ、ということだった

文科系、理科系と、学問を分断する弊害が大きい ・・・・1973年の第1次オイルショックが来るまで、経済学者はエネルギー消費と経済成長の関係に気が付いてなかった、ということですよ。エネルギー消費と経済成長に関する理論式を作って、日本とアメリカの経済成長が、それにぴたっと当てはまることを研究したのは、ドイツの物理学者だったんですよ ・・・・ だから、そういう分断された状況の中で学問をやる日本の若い人は、気の毒だ 

今の経済のグローバル化というのは、まさしく、言葉遊びの果て

東京駅の新しい地下街なんて、入りたくないもんね。全部店なんだけど、商店街という感じからかけ離れている。何かつるんつるんで、極めて無機的な眺めなんだよ

この間、広島の「スーパーサイエンスミュージアム」が三瓶山で主催した虫取り教室で、子供を30人ぐらい集めて連れて歩いたんですよ。僕は夢中で虫を取ってね。だいぶやってから、はっと気が付いて後ろを向いたの。そうしたら、なんと僕の後ろに子供たちが全員いる。1人も道に外れていない。お前ら、何で、道を外れないんだ、と(笑)。
道を外れて虫を取っているのは俺だけ。今の子供は道に外れたことはしないんだねえ

僕は子供のころ、長靴が一番好きだったんですよ・・・・

ときには こうした 話題も 頭の掃除のためにも いいですね

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 中国の少数民... 日本が、軍事... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。