この解説を読むと 実績のある博士の見解だから 無下に否定できないなと 思わせます
「宮崎正弘の国際情勢解題」令和2年(2020)7月9日
書評
まるで国際スリラー小説か、サスペンス、真実は薮の中
コウモリから発生、海鮮市場? すべてはフェイク情報だった
河添恵子『習近平が隠したコロナの正体──それは生物兵器だった!?』(ワック)
日本の大手メディア、とくに新聞とテレビは「武漢コロナ」「チャイナ・ウィルス」と書かない。中国共産党のご命令に従うかのように「新型肺炎」とか、WHOが名づけた「COVIT─19」とか曖昧な表現で、中国元凶説を打ち消している。
いや、彼らは「日本人」の仮面をかぶったシナ人なのだ。習近平の顔色を窺って、日本人の生命より、独裁者の機嫌を忖度しているのだ。だから中国根源説をちっとも批判しないで、安部晋三が悪いという論調になる。国会議員にも親中派が多いから、「安部やめろぅー」と罵詈雑言の数々、本来なら「習近平やめろ」だろう。
日本のメディアは中国批判となると相変わらず腰が引けているが、この疫病は日本人もたくさん死んでいて命に関わる問題なのだ。
トランプ政権は明確に「武漢コロナ」と言い、損害賠償裁判がほうぼうで始まっている。この動きは英国や欧州にも、エジプトにもトルコにも拡がっていが日本は損害賠償請求の動きさえない。
これはどうしたことなのか?
すでに月刊誌は、大手メディアの論調と全く異なる解説と分析をしている。ユーチューバー局も、独自の情報ルートから、大手メディアがつたえる報道とはまったく異なって、中国の責任を追及し、こうしたサイレント・マジョリティの力で、多くの国民は中国の主張を疑いの目と耳で聞くようになった。
出版界に目を転ずれば、99・99%が中国批判であり、すでに十数冊の「コロナ本」がでて、書店に並んでいる。
ところが、本書はこれらのコロナ本のなかで、異色なのである。
何がユニークで独自的からと言えば、「コロナは生物兵器だ」と結論しているポイントである。
河添さんが重視したのが、アンソニー・トゥー(杜祖健)博士である。その父は「台湾医学の父」として尊敬されている人物である。そしてトゥー博士の過去の実績をみれば、この人の分析に絶大なる信頼が置けることが分かる。
かれはオウム真理教が惹起した殺人兵器サリンを最初に解析した。
最近の業績は「クアラランプール空港での金正男暗殺」で使われた生物兵器を、世界で最初に見破ったことだ。
「殺害の際には毒の化合物が使われました。インドネシアの女性がまず彼の顔に何かをくっつけ、そしてすぐにベトナム人の女性が顔にくっつけたでしょう。私はこの映像を見てバイナリシステム(BINARY SYSTEM)だと直感しました。米陸軍が考案した方法なのですが,VX神経毒在は非常に危険なので、二つに分けます。分けておけばどこかに置いていて爆破されても影響しません。二つをくっつけるとVX神経毒剤になります」。
この論文は世界的な反響を呼んだが、米陸軍関係者がワシントンDCからわざわざ博士を訪ねてきて、データを持ち帰り、結果、バイナリシステムが正しいという専門家の結論がでた。
ゴーストタウンを中国語では「鬼城」という。しかし武漢は「死城」と比喩され、習近平は集金兵でも、集菌瓶でもなく「習隠蔽」となった。
コロナ騒ぎは二次感染の拡大で、またまた不安が増幅している現状において、この本は興味深い解析に徹底しており、必読の参考図書である。