ローマ帝国より寛大だった戦前の日本

ローマ帝国より寛大だった戦前の日本

 以前、塩野七生氏と対談した折、塩野氏は、ローマ帝国は征服した国民をも帝国に組み入れる非常なる寛容さがあったというお話をされた。塩野氏はローマとアメリカを比べて、アメリカが非寛容だと指摘されているが、たしかにそのとおりで、アメリカではネイティブ・アメリカンの土地を奪い取ったが、その首長を州知事にしたという話はない。

 戦前の日本は実に寛大だった。台湾から貴族院議員を出し、朝鮮の李王家には王公族として日本の皇族に準じる地位を与えた。有力な両班(朝鮮の支配階級)は日本の華族(貴族)に準じる扱いをされたし、将官になった軍人もいる。満洲では直系の皇帝を即位させた。

 ローマ帝国の寛容さを超えるほどの襟度だといえるだろう。いままで日本ではローマ帝国の襟度といっても誰もわからなかったが、幸いに塩野氏が大いにこれを知らしめた。これから外国人に話をするときには、ローマの例を引いてもよいかもしれない。(渡部昇一 「Voice 2008年4月号」)


真中 行造のページ より 引用
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