成田聡子 生物学者

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人間よりも非情!?自然界の恐るべき寄生、洗脳の事実【成田聡子】嘉衛門 presents The Road~Extended Edition〜

 

長いけど 読ませる記事↓

泳げないカマキリを入水自殺させる「寄生虫」 その恐るべき洗脳術とは - ライブドアニュース

 

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伊集院光とらじおと 2020年3月24日(火)ゲスト:成田聡子さん

52:30---1:19:

あたりです

 

共生を学ぶ科学エッセー 成田聡子『えげつない!寄生生物』|読むらじる。|NHKラジオ らじる★らじる

 

ざっくり言うと
カマキリを入水させるハリガネムシ、イモムシを洗脳するハチ……。どんな寄生も共生の一部
共生は生存戦略。人間も含めた全ての生物種は単独で生きることはできない
2020/05/17 マイあさ! 著者からの手紙 『えげつない!寄生生物』成田聡子さん(科学者)

文学

2020/05/17

 

 

宿主の行動を操ったり、死なない程度に宿主を食べたり。共生して生きる全ての生物の中でも特に“えげつない”寄生生物の生態に学ぶこととは? 著者の成田聡子(なりた さとこ)さんに伺いました。


「ほかの生物と共にいる」のは生存戦略

――新型コロナウイルスの影響で社会の分断が指摘されていますが、寄生生物の生態を見ていくと、分断を解くヒントがありそうですね。

成田さん: 私は社会学者ではないので、人間の社会の分断の解決方法についてはご提案できませんが、「全ての生物は一種では生きていけない」というのが、今の地球上の私たち生物の宿命と言えると思います。全ての生物同士は共生という関係を結んでおりまして、「ほかの生物と共にいる」という生存戦略を持っております。この本で紹介している「寄生」も共生の一部ですので、人間も生物の一種ですから、何らかの共生のヒントになるとよいかなと思っております。

――プロフィールを紹介します。科学者の成田聡子さんは1978年生まれ。理学博士です。国立研究開発法人農業生物資源研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所霊長類医科学研究センターなどを経て、現在、株式会社日本バイオセラピー研究所筑波研究所所長代理を務めていらっしゃいます。

カマキリを入水させるハリガネムシ

――生き残るために他者と共に生きる寄生生物の生態について、いくつか伺います。まず、カマキリなどの昆虫の体内に入り宿主の行動を操るハリガネムシです。カマキリは泳げないそうですが、ハリガネムシに寄生されるとみずから入水してしまうそうです。ハリガネムシを白眼視したくなりますけれども、カマキリの死はむだではない、と解説があります。どう「むだではない」のでしょうか。

成田さん: 全ての生物の共生関係には全くむだがないと言えます。ハリガネムシとカマキリだけに焦点を当てると、「カマキリが寄生されて、入りたくない水にみずから入って死んでしまう」とも見られますが、カマキリが飛び込んだ川にはたくさんの生物がおります。入水したカマキリとほかの生物の関係が、そこで新たに生まれるわけです。川魚が得る総エネルギーの半分以上は、入水した昆虫から得ていることが分かっています。つまり、カマキリがもし寄生されなくなったら、川魚が得られる餌の量は激減し、個体数が減っていきます。2つの個体の関係で見るとどちらかがかわいそうに見えるかもしれないことでも、そのあとの世界が、必ず生物界には存在しています。

――自然はうまく循環しているということでしょうか。

成田さん: 全ての生物がそれぞれ別の種と関わり合いながら、絶妙なバランスで生態系を構成していると言えます。

イモムシを洗脳する寄生バチ

――寄生生物の雄とも言えるのがハチです。本には、ゴキブリに寄生する宝石バチ、ガの幼虫(イモムシ)に寄生するコマユバチ、クモに寄生するクモヒメバチといったさまざまな「寄生バチ」が登場します。彼らの印象的な生態には、“宿主が死なない程度に宿主を食べる寄生生物”と、“体内を食い荒らされてもなお寄生生物を守る宿主”がありますが、これにはタイトル通り、「えげつない!」と感じました。

成田さん: ギリギリまで宿主の体内を食べて殺さずに生かして利用するというのは、本当に鮮やかと言える寄生の戦略だと感じます。特にブードゥー・ワスプ(コマユバチの1種)と呼ばれる寄生バチは、ガの幼虫などに寄生してその体内に卵を産み付けます。卵は体内でかえって子どもたちがたくさん生まれ、成長とともにガの幼虫の体内をどんどん食べていくわけです。やがてハチの幼虫たちはガの体から出てサナギになります。サナギというのは全く動けないので無防備で危ない状態なんですけれども、ほとんど食べられて死にそうになっているガの幼虫が、サナギになった寄生バチの子どもたちを守るという行動を起こします。これはとても珍しい寄生行動で、有名な科学雑誌でも取り上げられています。

――なぜ守ってしまうのでしょう。

成田さん: ハチの子どもたちには兄弟がたくさんいるのですが、全てが外に出ていくのではなく、その一部がガの体内に残っているそうです。そのことでガの行動を操っているということが少しずつ分かってきております。

きっと食べてる寄生生物

――続いて、カニの全身に自分の器官を張り巡らせてしまう、節足動物のフクロムシです。フクロムシはカニの神経系を操りオスをメス化させ、フクロムシの卵の世話までさせるそうです。イラストを見るとカニのお腹にフクロムシがくっついていますが、私たちもうっかりフクロムシを食べていそうですね。本当にフクロムシを料理して味わった方がいるそうですが、わざわざこれをよく食べましたね。

成田さん: 実はふだんから、たぶん私も皆さんもいろいろな寄生虫を気付かずにたくさん食べていると思います(笑)。お魚やイカなどにはアニサキスという有名な寄生虫がいるのですが、これは内臓や筋肉の中にも存在しますので、焼き魚などで食べる身の部分にびっしり詰まっていることもあります。焼いてしまうとどれが魚の身でどれが寄生虫かほとんど分からない状態ですので、私もこれまでに何百と気付かずに食べているのではないかと思っております。

日本人の10%に寄生するトキソプラズマ

――作品の最後を飾る“寄生される生物”は、人間です。「人間が哺乳類や鳥類に寄生するトキソプラズマに感染すると交通事故に遭いやすくなる、キレやすくなる、そして起業したくなる……、といった行動操作が出る」という研究結果が紹介されています。日本人の10%がトキソプラズマに寄生されているということで、これにはゾッとしたのですが。

成田さん: 「トキソプラズマが日本人の10%に感染している」と聞くと怖いように感じると思いますが、基本的には、感染しても無症状です。病気としてはほとんど心配がないような寄生虫になります。

――ただ、行動は変えてしまうのですか。

成田さん: 人間で行動学の実験をするのはなかなか難しいことですので、完全にトキソプラズマの感染と人間の性格の関係が明らかになったわけではないのですが、少しずつ分かってきております。

――人間の対処法としては、どうすればいいですか。

成田さん: 基本的には無症状ですから何もする必要はないですし、よくない傾向が論文や本でクローズアップされておりますが、実はまだ分かっていないようなトキソプラズマに感染することによるプラスの面も、もしかしたらあるのかもしれません。

単独で生きられる生物種はない

――「こんな寄生はよくない」という反面教師もありますが、ほかにもさまざまな寄生、共生のしかたが解説されています。改めて「えげつない寄生生物」のあり方から私たちが学べることは、どんなことでしょうか。

成田さん:

最初にも少し触れましたが、人間なら1人、生物なら1匹、つまり単独で生きられる生物は地球上には存在しません。全ての生物はほかの別の生物と共に存在します。ただ、ほかの生物の体内に存在していたり、皮膚の表面に存在していたり、関わり合いのしかたはさまざまです。全てのことに関して人間のみに焦点を当ててしまいがちですが、私たち人間も生物を構成する一種であって、ほかの生物種と常に共生していることを、私自身は忘れないようにして生きようと思っております

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