大変な事とは、老朽化で壊れて大変だという意味と、膨大な補修工事で需要が発生する両方の意味があります。
節約ブームで経済崩壊
90年代から2000年代、あるいは今も「無駄遣いは許さない」という節約ブームで、公共事業がほとんど行われませんでした。
多くの公共建設物は必要だから存在しているので、新たに建設しなくても、補修や建て替えは毎年発生します。
こうした節約は、必要な補修や建て替えを先送りした事で予算を節約したので、その分後回しになっています。
例えば高速道路を新たに建設しなくても、既に作った高速道路は老朽化するので、必要な予算はそれほど変わらない。
補修の為の予算を先送りした為発生したのがトンネル崩壊事故で、JRでは保守点検コストを減らした為、事故が続発しています。
全国の自治体では昭和期に作った水道施設や水道管が老朽化し、腐り始めています。
送電網も老朽化しているため、太陽光発電などの新しい要求に対応できません。
太陽光や風力でどれだけ発電しても、その電気を流したら送電網が破壊されるので、一部買取を拒否しています。
首都高速道路は「世界一みすぼらしい首都高速」として有名で、片側2車線だが待避線を犠牲にしてあるので、実質1車線しかありません。
アジアや中東やアフリカの後進国でも、片側5車線以上で飛行機が利借陸できるように、なっていたりします。
「節約ごっこ」をやっているうちに、日本のインフラは世界から遅れたうえに、老朽化が進行しています。
公共事業費を節約したという事は、新しい投資をしなかったという事で、美徳どころか悪い事なのです。
老舗の名店より見た目の新しさ
みなさんの町にレストランとか商店があると思いますが、20年間外観や内装を改修しなかったら、相当古臭くなっていると思います。
もし新しいピカピカの店が近くにできたら、どんなに料理が美味しく、魅力的な商品を置いても、お客さんは綺麗な店に流れます。
その古臭くて汚い店が「日本」でピカピカの新しい店が中国だったりアジアの新興国です。
古臭い店の店主が「うちの店は老舗で味が良い」とか言ったって無駄で、客はオシャレで綺麗な方に行きます。
スタバとかコメダとかタリーズとか流行の喫茶店は、内装や雰囲気に金を掛けていて、コーヒーそのものに金を掛けていません。
それでも客はそういう店には行列を作ってでも行き、古くてダサい店には絶対に行きません。
成田空港は1978年に開業したが、今もほんの一部しか完成しておらず、世界で最も不便な国際空港として名を轟かせています。
反対運動とか色々あるが、要は政府にやる気が無く、お金を使っていない。
「公共事業は無駄遣い」というと選挙で評判が良いので、そういう人がどんどん当選して未完成なまま老朽化しています。
沖縄では普天間基地の辺野古移設を巡って紛糾しているが、もっと重要な那覇空港問題は後回しにされました。
沖縄県を防衛する航空自衛隊基地は那覇空港の滑走路一本だけで、民間と共用なので緊急時も勝手に使用できなかった。
沖合いを埋め立てた第二滑走路が供用開始するが、沖縄の人間は1円も金を払わず本土の日本人に払わせ、妨害の反対運動までしていました。
「お金は印刷すれば良い」という真理
整備新幹線計画は田中角栄が1970年代に作ったが、やっと北陸新幹線が一部開業しただけです。
田中角栄の無駄遣いと言われていたが、作ってみるとどれも成功し、40年前に一気に工事していた方が良かった。
時間が経てば経つほど、整備新幹線や列島改造論の正しさが証明されています。
こうして日本には新規インフラ計画が山のように存在しますが、過去に建設したインフラ工事も山のように存在します。
高度成長期に建設した日本中の道路、鉄道が崩壊するのを防ぐ為、全て作り直すのと同等の補修工事が必要になります。
その総額は日本のGDPにも匹敵する規模で、これだけで膨大な需要が発生し、空前の工事ブームが起きるでしょう。
工事代金なんてのは日銀にお金を印刷させれば良く、公共事業は工事を行えば必ず税収が増えるのです。
税収が増えて全額回収できるとは言わないまでも、工事費の50%程度は回収できるので、後は日銀が国債を買い取れば良いのです。
日銀が買い取った国債は日本国の借金だが、同時に日本国の資産でもあるのでそのまま永久に金庫にしまって置けばいい。
「そんな事は前例がない」というのは嘘で、第二次大戦中は日米英仏独など、全ての国でこういう事をやっていました、
明日戦争に負けるかも知れないのに「金融の健全性が~」などという人はおらず、なりふり構わずお金を発行して使いました。
めちゃくちゃな財政をやった戦勝国は破産したりせず、世界の超大国として今も君臨しています。
日独が破産したのは戦争に負けたからで、勝ってさえいれば今も健全財政だった筈です。