漫画屋の離れ

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長谷川穂積のボクシング・スピード

2007-03-08 05:36:50 | ボクシング
たまたまHDDレコーダーが録っておいてくれたのだが、現WBC世界バンタム級王者の長谷川穂積選手のスピードに着目した番組を見た。

結構おどろいた。もちろん、僕はただの一ボクシングファンでありマニアの域を出ない素人に過ぎない。だから、ボクシングとは何か?というのは観戦や読書と、ほんのわずかなジム通いで得た知識と感想の集約でしかない。

長谷川選手は、ギリギリまで拳を握らずリラックスした状態でパンチを放つ。だからスピードが速い。

理屈はわかる。通常のボクサーのシャドーも確かにリラックスした状態で放つ。だけどビデオを見る限り、本当に手首がリラックスしていてこの状態でヒットしたら手首・拳・指を痛めること必定。本当にヒット直前に拳を握れるのか!?あるいは本命打以外は相当にユルイ状態で当てているのかもしれない。

血の滲むような練習の積み重ねで、ギリギリで拳を固める秘技を体得したのでしょうか。確かにボクシングの常識の逆を行く、スピードを最優先した結果の選択だ(それだけのリスクテイクをしている。)。

ちなみに長谷川選手の連打は1秒間でなんと10発のパンチを放つことが出来るという(無呼吸連打の状態)。

これはスピードを最優先した結果の選択。長谷川選手の並はずれたフィジカル面・テクニック等の条件が備わって初めて「活きる」手法だ。ちょっとの要素が外れた途端、あるいは長谷川選手を凌駕する条件をもったボクサーと相対した時は、そのリスクテイクが裏目に出る(倒される)。ギリギリで相手の1枚上をいこうとする勝負師の姿ということか。


もう一つ、ボクシングの常識と外れた選択でスピードを加速する技が披露されていた。頭をテコにした反射を利用した加速技だ。

長谷川選手は左ストレートを放つ時、ターゲットにヒットさせる「前に」視線を離して首を反対にふって、そのテコを加速に利用している。頭の重量を遠心力として加えているのだ。

これは通常のボクシングより、早く相手から視線をそらすから反撃にあった時の対応が遅れるというリスクを背負うことになる。たぶんボクシング初心者がやってたら、まずトレーナーに修正されるような打ち方だろう。ただ、頭が振れるだけ同時にディフェンスにもなっているかもしれない。

長谷川選手への興味がます、面白い番組だった。

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