かつどん協議会 (集英社文庫) 原 宏一 価格:¥ 480(税込) 発売日:2009-01-20 |
昔ながらの大衆食堂でのカツ丼をこよなく愛する主人公の男。
ひょんなことから、全食連が開催を予定している“かつ丼推進キャンペーン”なるものの会議に出席させられることになる。
メンバーは日本農業連合会、養豚協同組合、日本鶏卵連盟をはじめ、しょう油、砂糖、パン粉業界の代表者。
みんなで盛り上げて行こう!…という主旨だったのに、いつのまにか、カツ丼で一番大事なものはそれぞれ自分の食材だ!という主張をするようになり、どんどんエスカレートして罵倒合戦になってしまう。
「カツ丼は肉だ!」
「いや、パン粉あってのカツじゃないか!」
「卵がなきゃつなぎもないし、とじることもできないぞ!」
「何を言っている!米なくして和食と言えるか!そして米は余分なつゆを吸い取ってやっているんだ!」
「余分とは何ということか!甘辛のつゆあってのカツ丼ではないか!」
…と、
まぁ~読んでいると、どれもなるほどね~と思わせるような、へ理屈のような。
クライマックスのエゴ論争には、可笑しくておなかがよじれました。
ヾ(≧▽≦)ノ
そしてエンディングをあんな方向に飛ばしてしまうんだ~。
原宏一さん、面白いっ!
冒頭の、カツ丼の蓋を開けてから口に運んで咀嚼するまでの、美辞麗句を並べた一節。
もうそこで、「カツ丼食べたぁ~い♪」ってなるから。
( ̄m ̄〃)
この本にはあと2作、
『くじびき翁』と『メンツ立てゲーム』というお話が入っています。
タイトル聞くだけで、面白そうな予感がするでしょ?
( ̄∀ ̄*)