食器

2016年08月25日 17時58分16秒 | おしらせ

これは、一昨年前から取り組んでいる、鹿追粘土を使用する新しい食器のテストです。
この食器の開発は、簡単に言うと強い陶器を作る事です。高いハードルが幾つもあるので完成までに3年を考えています。
画像はある程度土考えられる範囲で調整した後に薬を掛けて、土と薬の相性をみた物です。
ここから、良い感じの物があれば一つ取り出し次の段階に進みます。


これは、前回で選び出した一つを元に更に細く調整を変えて相性を見ていきます。
次に100°Cの熱を加え急冷しヒビの入り具合を見ていきます。
ここから、土の調整のスタートとなります。何をして行くかと言うと、熱、曲げなどの衝撃に耐える為に、長石やアルミナ分を増加してテストを繰り返します。多く入れると、強度はでますが基礎土を利用する意味がなくなるので、ある程度までしか使えません。



試作品第1号、150°Cで急冷無貫入、とりあえずコンクリート面に20センチの高さから垂直に落として割れない。
割れるまで、まだやってません。
白い方がメーカーで開発された強化磁器。
2年後、沢山の子供たちが使える事を目標にしています。





酒器

2016年08月24日 23時28分25秒 | おしらせ


今日は写真の青瓷(セイジ)のひびについて。

作品に使用する胚土(調整した陶土)は鹿追粘土をベースにケイ酸とアルミナ分を補充しています。
釉薬に使用する原料には、鹿追産ぼっちゃん(カボチャ)の茎、葉、実の灰を使用しています。
青い薬に一筋の黒い線が見えますが、これは貫入(かんにゅう)と言って、胚土と釉薬の膨張の違いによって出来る薬のひびです。膨張が同じ場合には、貫入が出来ません。
私は、このただのヒビを景色にする為に試行を繰り返してきました。
正直に言うと、何回も挫折しかけましたが、やっとベースが出来たと思っています。
貫入を入れる方法を簡単に説明すると、胚土と釉薬の膨張率を近づけて焼きます。
すると、焼き上がりの常温では無貫入で作品が出来上がります。
ここから、貫入で景色を作る為に75〜85°Cに再加熱した後、作品を水に浸し貫入を作りだします。
画像は75°Cです。再加熱する温度が高くなれば貫入が横にも入り細かくする事も可能です。この方法だと二重、三重と増やす事も可能です。

写真は、日本酒造組合で展示される事になった片口と杯です。