酒器

2016年08月24日 23時28分25秒 | おしらせ


今日は写真の青瓷(セイジ)のひびについて。

作品に使用する胚土(調整した陶土)は鹿追粘土をベースにケイ酸とアルミナ分を補充しています。
釉薬に使用する原料には、鹿追産ぼっちゃん(カボチャ)の茎、葉、実の灰を使用しています。
青い薬に一筋の黒い線が見えますが、これは貫入(かんにゅう)と言って、胚土と釉薬の膨張の違いによって出来る薬のひびです。膨張が同じ場合には、貫入が出来ません。
私は、このただのヒビを景色にする為に試行を繰り返してきました。
正直に言うと、何回も挫折しかけましたが、やっとベースが出来たと思っています。
貫入を入れる方法を簡単に説明すると、胚土と釉薬の膨張率を近づけて焼きます。
すると、焼き上がりの常温では無貫入で作品が出来上がります。
ここから、貫入で景色を作る為に75〜85°Cに再加熱した後、作品を水に浸し貫入を作りだします。
画像は75°Cです。再加熱する温度が高くなれば貫入が横にも入り細かくする事も可能です。この方法だと二重、三重と増やす事も可能です。

写真は、日本酒造組合で展示される事になった片口と杯です。