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私という世界でたった一つの物語

日本昔ばなし えんま様の失敗

2014-01-08 | 写・画・絵・詩・物語



お正月といえばこのお話がいいでしょう。




365のみじかいお話

【えんま様の失敗】

むかしむかし、ある医者が死んで、えんま様の前にやってきました。
えんま様は、医者をにらみつけました。

「おまえが地獄ゆきか、極楽ゆきか、わしが決めてやる!おまえがしてきたことは、全部わしのえんま帳に書いてあるのだ」

「わたしは、ずいぶんと人の命を救ってきました。極楽へやってください」

えんま様は、えんま帳を調べました。

「おまえはなおっている者をだまして金をとったり、薬だといってはうどん粉を売りつけたりしとるな。地獄ゆきじゃ」

次に、山伏がやってきました。

「わたしは、医者ではなおせん者を、拝んで救ってやりました。極楽へやってください」

「おまえは、たたりがあるとうそをいっては、でたらめに拝んで、たくさんの者から高い金をとっておったな。地獄ゆきじゃ」

今度は、かじ屋がやってきました。

「おまえは、いつもなまけて、手抜きばっかりしておったな。地獄ゆきじゃ」

医者と山伏とかじ屋は、そろって地獄送りとなりました。

まず三人は、剣の山につきました。
剣の山からは、たくさんの剣が、ハリネズミのように生えています。

これを見て、医者と山伏が泣き出しました。

「これじゃあ、足が切れてしまう」

「ようし、わしにまかせとけ」

かじ屋は生えている剣を一本引っこ抜いて、鉄のわらじを作りました。

「助かった。これなら楽に歩けるわい」

三人は、鉄のわらじをはいて、剣の山をのぼりました。一面に生えていた剣は、ポキポキと、ぜんぶ折れてしまいました。

えんま様は、大きな目玉をギョロつかせて怒りました。

「あの三人をかまゆでにしてしまえ!」

かまゆで地獄に連れてこられると、今度は医者とかじ屋が、泣き出しました。

「こんなの入れやせんよ」

「ようし、わしにまかせとけ」

山伏が手を組んで呪文を唱えると、グツグツ煮えていた湯がどんどんつめたくなっていきます。

「こりゃあ、ええ湯かげんじゃ」

三人は、のんびりと鼻歌まじりで湯につかりました。

そうなるとえんま様はカンカンです。

「あの三人を、大鬼に食わせてしまえ!」

三人の前に大鬼があらわれると、山伏とかじ屋が、泣き出しました。

「あんなでかい鬼に食われとうないよ」

「そんならわしにまかせておけ」

医者が、大鬼の鼻先に、粉薬をパパっとまきました。

「こりゃたまらん。ハ、ハ、ハックショーイ!」

大鬼が、大きなくしゃみをしました。

そのいきおいで、三人はふっとばされてしまいます。そしてそのまま、ぶいーっと地獄を通り抜けて、極楽に着いたのでした。

「くそう、失敗したわい!」

えんま様はそれを見て、たいそうくやしがりましたとさ。


閻魔大王様のお話ですが、実際にいるかどうかは別として、悪いことをすれば地獄に落ちると自然に思って戸惑うことができるっていうのはこの閻魔様のお陰かもしれません。
日本にはこういう素晴らしいお話がたくさんあります。


「天網恢恢疎にして漏らさず」= いくら隠してもすべてはお見通しです



皆様に道徳心(善徳心)がますます育ちますように







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