暗鬼
乃南アサ
1週間ほど前に一気に読み終えたんですが、なんだか物凄く読後感が悪いんですよね…
内容は、
『嫁ぎ先は大家族。
一見温かく理想的な家庭の裏に潜む奇妙な闇に主人公が気付いた時、
呪われた血の絆で結ばれた家の真実が暴かれる』とあります。
なんつ~かな…
人間の弱さというか、柔軟性というか、それらを改めて見せ付けられたって感じですよ。
懐疑的な気持ちでいっぱいだったのにも拘らず、その宗教に見事にはまってしまう独りの人間。
宗教をまるきり否定するわけではないんだ、私は。
人それぞれ信じているもの(神)は、違っていていいんだって思うんだ。
弱い状況に追い込まれたときとか、
心に隙間ができたときには、どうしてもラクな方向へ行ってしまう。
それは致し方ないって思うんだ。
だけど、人に迷惑をかけたり、人を不幸に追いやったりするのは違うわけで。
それは、ただ自分勝手な思想のかたまりでしかない。
また、しつこい勧誘もこれにあたる。
確かに、何か新しいことを始めるときには
他人は疑心暗鬼になるもので。
以前いた会社はレコード会社の系列だった。
そのレコード会社がコンピューターゲームの新会社に社員を移動させた。
誰もが「コンピューターゲームなんて儲からない」って思っていた。
飲み会のときなんて、その会社に移った人たちを不運に思いながらも
結構けなしながら、サカナにしていた記憶がある。
しかし、
今となっては、レコード会社よりも、収入や先行きはいいのかも?って思う。
高校のときの友人が、衛星放送の会社に就職したって聞いたときにも、
「え~っ?衛星放送??」なんて言ってたモンね…
まぁ、話は元に戻りますが、
こんな暗い題材にも拘らず、最後まで一気に読ませてくれる作者の手腕っていうのはスゴイ。
ただし、オチはツライ以外の何者でもなかった…