’04
面白い!実に面白い作品だった。
伊坂作品には、かなり個性的なキャラが登場するんだけど、
この陣内ほど私のハートをがっちりとつかんだ男性はいなかった。
以下ネタバレあり。
盲目で冷静な永瀬にも惹かれるんだけど、
陣内の破天荒ぶり(友人鴨居に「陣内を逆さに吊るして叩けば、
おそらく出てくるのは「失礼」と「無遠慮」だ」と思わせるほど)は、
時には目に余るものもあるが、一貫性があり、周りも納得せざるを得ない。
そして、愛がある。
盲目の永瀬に、見ず知らずの婦人が唐突に5千円を握らせる。
「いいから。とっておいて。」と。
彼女は善意の人なんだろうけど、普通はそこに差別を感じるわけだ。
ところが陣内は「え~?!なんで永瀬だけ?
俺にもくれればいいのに。」と自然に思ってしまう。
要するに、「盲目」は陣内の中で、泳げないかなづちと同等なのだ。
何も特別なことではない、と思っている。
世の中には、私を含め、障害者の人を特別な人と思っている節がある。
だから、この陣内の爽快さが羨ましいと思えてしまうんだろうなぁ。
チビさんの学校に不登校の子がかなりいる。
うちの登校班にも、この夏休み中にそんな6年生が引っ越してきた。
始業の前日夜、そのお母さんが電話をしてきた。
「実はうちの子、学校に行けてないんです。」暗い声だった。
私は「そうですか」としか言えなかった。
「連絡帳はどうしますか?」と聞くと、
案の定「ずっと行ってませんから…」と届ける気があんまり無さそう。
欠席する子は、家族が登校班の同クラスの子に
連絡帳を預けるっていうのが決まりなんだけど、
毎日来ないんだったら、どうするんだろう?
けど、もしかしたら、
今日は行ってみようと思う日があるかもしれない。
そんな事を思い、「ご挨拶もしたいので、一度集合場所にいらしたらどうですか?」
と誘った。
翌日の始業の日、そのお母さんはお見えになった。
私は他のお母さん方に「ずっとお休みされているそうです」と紹介したけれど、
「不登校で…」と自ら話していた。
きっと、いつも聞かれるので初めから話しておいた方がいいと判断されたからかもしれない。
その言葉を聞いたあるお母さんが「可哀想ねぇ」と言ったので、
私は驚いてしまった。
誰が可哀想なんだ?なんなんだ?この違和感は?
よくわからないんだけど、その無遠慮さに嫌悪感を抱いた。
不登校を「負」ととらえるのが、どうなのかって。
話は長くなってしまったんだけど、
ちょうどこの本を読んでいたときに、こんなことがあったので。
とにかく、この本は面白かった。
ミステリー的要素は全くと言っていいほどないんだけど、
「陽気なギャング」っぽく、肩の力を抜いて一気に読める作品であった。
学校には必ず行くもんだと教えられた私には、信じられない現象ですが、助け合って、協力し合って解決できることもたくさんあるような気がします。
さて、最近、読書してないなぁ。チルドレン。探して読んでみます
不登校問題、人事だと思っていましたが、かなり身近な問題のようです。少し前のように、いじめが原因というわけではなく、様々な問題があるようです…。
この本はお勧めですよ♪
返させていただきました。
よろこんでいただけて、よかったです。
おぉ、陣内にハートをがっちりと!。
ほんとに罪作りな人(笑)。
よかったら、またおすすめさせてくださいね。
お勧め通り、とても面白い作品でした♪
ありがとうございました。
またお勧めの本がありましたら、教えてくださいね!