携帯版・なごぐら

携帯アプリから作った名古屋で暮らす女性のブログ。
ナゴヤかな?名古屋かな??。
地元の魅力発掘ブログ。

わたしのゆめつくりやさん(続き・エンディング)

2020-06-07 04:45:23 | 私・小説

(続き)

その日からなごみちゃんは、

お昼寝をすることにしました。

 

その間に、やかんはなごみちゃんの夢を

作り、なごみちゃんのもとにそっと

薬をおいてあげました。

 

そのかわりになごみちゃんは、

やかんが冷めたら

お湯を足して

やかんの夢を作り、薬をそっと入れて

あげることにしたのです。

 

こうして二人は、しあわせに

同じ夢をみることができました。

 

~fin~


わたしのゆめつくりやさん(続)

2020-06-07 04:32:32 | 私・小説

(続きより)

ある時、やかんくんが、

「もう夢をつくりたくない」

「もう夢は見ないんだ!!」

と言いました。

 

なごみちゃんは困ってしまいました。

みんなに夢をつくるお仕事ができないからです。

 

なごやかタウンには、毎日のように

かなしみの雨が降りました。

 

 

なごみちゃんは、やかんくんに

「ちょっと一休みしようか?」と

言って、雨のしずくを

やかんに入れました。

 

落ちていた花を拾って

そのままやかんの中に

しずめて、様子をみることにしました。

 

しばらく経つと花は元気になり

また夢のタネを落としてくれました。

 

なごみちゃんは、言いました。

「ねえ、やかんくん。

私達を待っている人が

この世の中にはいっぱいいるんだよ。

その人達のためにもうすこしでいいから

頑張ろうよ」

 

でもやかんくんは、花がきれいに咲いた

くらいでは納得してくれませんでした。

 

「いやだ。なんだってなごみちゃんは、

いつもそうなんだ。だれかのため、

だれかのため…って。

 

なごみちゃん自身や

ぼくの気持ちを考えてくれたことがあるの?。

 

ぼくだってなごみちゃんの夢を

作りたい。ぼくだってなごみちゃんに

夢を運んでもらいたいんだよ。」

 

 

やかんは、ちょっとワガママになってしまった様ですね。

なごみちゃんは、少し考えると

「じゃあ、こうしよう」と言いました。

 

(続く)


わたしのゆめつくりやさん

2020-06-07 04:21:59 | 私・小説

ここは、なごやかタウンです。

ちいさなやかんを持った女の子の神様

なごみちゃんが街をを守っていました。

 

なごみちゃんのやかんには

ひみつがあって、やかんの中に

その日みつけた面白い事や

楽しいことでできた幸せのタネが

が入っていました。

 

これを煮てお薬を作り、

人々に配るのです。

 

お薬をもらった人は、

それを飲むといろんな夢をみることが

できました。楽しい夢、怖い夢、面白い夢、悲しい夢…。

 

勿論、なんにも夢を見ない人の

何にもない夢の薬もありました。

 

夢を見ない人は、みないのではないのです。

全て夢をかなえて現実のものにしているから

いつも夢が近くにありすぎて

目で見えないだけなのです。

 

そういう時、なごみちゃんは、

夢を忘れても大丈夫の薬を

プレゼントしていました。

 

(つづく)


私・自分・自分のこと小説「幸せ探し・過去と今」

2018-12-28 19:20:26 | 私・小説
もう何も見たくないと
目を閉じることは、簡単。

人間の世界に戻った私は、
ハッピーエンドにも
なりきれない毎日を送っていた。

何がいやだったかは、忘れたけど
1度だけ朝帰りをして全然知らない
町まで行ってしまったことがある。

あの時も家にいるのが苦痛だった。

まだ19歳だった。

Tシャツにスパッツという
寝巻きに近い姿で歩き回り、
泣き疲れて半分寝ていた。

心の底では、「助けて」と
叫び続けていた。

声をかけてきたのは、
坊主頭の男性だった。

最初は、冗談まじりのナンパみたいな
声のかけ方だったけど、
私の話を最後まで聞いてくれた。

そこからどうやって
帰宅したかは、
正直覚えてない。

ドアの前には、父がいた。
泣いて私を抱きしめた。
今とは、想像もつかない。

今の私を彼が知ったら
どう思うのだろうか。

親の都合で名古屋に
ひきづられるようにして
ついていくしかできなくて。

仕事を始めれば、病気に
なってしまうし。

それでも
できるだけのことは、してきた。
いくつか自分の居場所も作った。

でも家に帰ると笑えなくなる。

テレビをつけても
心から笑えてるかって
いわれれば、そうじゃない。

幸せは、どうやって
見つけられるんだろう?。
謎は深まるばかりのまま、
続けているのは、
絵を描くことだった。

(つづく)


第6幕・光

2018-07-14 01:30:38 | 私・小説
人間の世界で大人となった私。
今までみてきた物は、
決してきれいな世界ではなかった。

人間世界ほど、
私欲にまみれたものはない。

でも私にも光がみえることもあった。

それは、今までに
出会った人の優しさだった。

「何か困ったら何でも話していいよ」と言ってくれる人がいる。

診察でも相談でも何でも
受け付けてくれる
(←こういう言い方したら
怒られるかもしれないけど)
お医者様がいる。

一緒に笑って話ができる人がいる。

ああ、なんだ、私は一人しか
この世にいないけど。

私のまわりから誰もいなかった頃とは
違うんだ。

そうやって思うようになった。

いつもは、心の中に見えていた道は
真っ暗で何にも見えなくて、
いつも星として目印になる何かを
誰かを探していた。

でも今は、星のない街でも
自分の足と手を頼りに
すすめるようになった。

人間とは不思議な生き物だ。

本当は、病気とは、
なっていいものではないけど、
病気になってから見えたもののが
元気だったころより
いっぱいできてきた気がするのだ。

その理由は今でもわからない。

(つづく)