■時間がない人のための要点
- 「Gmail」をメインで使っていなかった人にも乗り換えて欲しいレベル
- ラベル機能がさらに進化して使いやすくなった
- モバイルアプリとデスクトップブラウザでの操作感に差がなく、使い勝手が良い
■ビジネスでの利用に真価を発揮
事情があって「Gmail」を利用できないという人にとっては、『Inbox』は選択肢から外さざるを得ません。
今回紹介する『Inbox』は、忙しく、メールの受信量が多い人のための「Gmail」用のオプション的な存在なのです。
Googleがメール本文まで(コンピュータによる機械的なチェックに過ぎないとしても)テキストを読み取っていることで、Gmailの利用を制限している企業もありますから、こうした企業にお勤めの方は個人で利用する以外に手がないというのは、残念なことです。
※自分が、Gmailをビジネス用途に使っても問題ないと考える理由は最後に書いてあります。
■Gmailのラベル機能が視覚的に分かりやすくなった
上の図は「Gmail」のキャプチャ画像
「Gmail」にはラベルという機能があるのですが、これは使ったことがない人にはピンとこず、使ったことがある人にとっては手放せないと思う物なのですね。
机の上にある紙の文書に、大事な書類の目印として付箋を色分けして貼っている人なら、それと同じような物だと思ってもらえれば分かりやすいでしょうか。
自動的に同じ色の付箋同士を一つのフォルダにまとめてくれるし、使い勝手が良い機能なのです。
このラベル機能は、『Inbox』では「Budles(バンドル)」と呼ばれ、自動的にまとめてからフォルダ状の物として表示してくれます。
メールマガジン、メール受信頻度の高い得意先、部署などに応じて、自動的に整理されるので、大量のメールにうんざりすることが無くなるんですね。
一度、受信メールを「Bundle」すると、次からも自動的に同様の処理をさせるかどうか聞いてきますので、必要に応じて設定してください。
■デスクトップとモバイルで操作感に違いがない
もうひとつ、『Inbox』をオススメしたい理由があります。
最近は、モバイル(スマホ、タブレット)でもビジネスメールをチェックする機会が増えていると思いますが、デスクトップで利用する時と操作感が同じなので、特に操作に戸惑うことがないのです。
これは、使ってみると実感できると思いますが、非常に強力な利点だと言えます。
ただ、自分はモバイルからの返信が短文でぶっきらぼうになってしまう言い訳に、モバイルの方には(携帯より返信)という署名を挿入していたのですが、『Inbox』ではデスクトップ版と共通の署名しか使えません。
ここは、別々の署名に対応してもらえると嬉しいところですが、欠点らしい欠点はこれくらいというのが正直な感想です。
■ピン機能で重要度の高いメールを受信トレイに貼り付けておく
『Mailbox』など、モダンなメールアプリと同様に『Inbox』も、受信トレイをサッと片付けるというのが基本コンセプトになっています。
一度受信したメールを後でもう一度送りなおしてもらう「スヌーズ機能」などは、全く同じ動作と言って差し支えありませんが、『Inbox』には「ピン」という、やや変わった機能もあります。
全てを片付けてしまって、受信トレイを空にするのではなく、重要度の高いメールだけは受信トレイに押しピンで貼り付けておく感じの機能です。
もちろん、このピンを抜けば自動的に整理されますので、後片付けも簡単。
上の図のように、ピンを打ったメールだけを表示させることも出来ますので、重要なメールを見落とすこともなくなるでしょう。
本当に良く出来たアプリですので、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。
■Gmailで機密性の高い文書を送ってもいいの?
Gmailに限らず、Googleのサービスを利用することに関しては、プライバシーの問題が常に議論に上ります。
詳しくやっていると、それだけで長文の記事が一本書けるレベルなので、少し手短に、一般的な企業であればビジネスでもGmailを使って構わないと考える理由を書いておきます。
Gmailを危ないと考える人は、Googleが長期にわたってデータを保存する点と、テキスト内部のテキストを機械的にスキャンしている点を「公表」していることを受けて、「ユーザーのプライバシーを盗み出すことはしない」というGoogleの話を怪しいんじゃないかと思っているのですが。
※画像は、総務省「電子メールの仕組み」より
Gmailを使っていないとしても、一般的な企業の場合、メールサーバには外部のサービスを利用していることが多いでしょう。
したがって、一時的にせよメールを送受信すれば、自分と送り先との他に2ヶ所ほどコピーが保存されている状態が生じるということになります。
悪意を持ってデータを盗もうとする人間がGoogle内部に出現するリスクも、上図にあるAさんとBさんのメールサーバー運営会社に出現するリスクも、全く同様にあるということです。
結論としては、そもそも重要機密文書を電子メールで運用すること自体がリスキーなのであって、そのような重要文書は暗号化するなり、光学メデイアにでも焼き付けて持参するなりという形でやりとりすべきなのです。
一般的なビジネス文書であれば、他の一般的なメールサービスと同様に、Gmailでもやりとりしてしまって良しとすべきと自分が考えるのはこのような理由によります。
何よりGmailは既に10年を超えて運用されていますが、今のところGmail固有の原因によるプライバシーの問題は起こしていないのですし。
いまお使いの会社宛メールをGmailで受信することもできますので、ビジネスでも使ってみたいという方は、会社のネットワーク管理者に相談して対応してもらいましょう。