ab Cuore 

帰国した時ノンポリだった私が見たのは≒無政府状態の日本。
ショック、怒り、希望をこのブログに書きました。

6/11 中村浩子 And then 第25話

2024-06-11 12:38:49 | あほ

6/11 中村浩子 And then 第25話


それは食い荒らされていた。

骨すらまとまって残っていなかった。

死因など判別しようもなかった。

それでも検死に回された。

残った骨から女性らしいとわかった。

警察はまず可能性として熊に誰か襲われたと考えてみた。

しかし、それなら衣類はどこに?

布の切れ端もなかった。


死体遺棄?

それでも衣類は? 

衣類はなかったよう。

警察は事故と事件で事を追うことにした。


遺体の写真がそのままニュースに流されることはない。

もしそうならもっと早く雄二は気がついたかもしれない。


あれから2年、雄二は心の奥で諦めていた。

浩子に何かあった。

それでも定期的に警察に行ってみた。

その熊の食い残しの遺体はひょんなことから雄二の耳に入った。

そしてそれが女性かもということで雄二は見たい、見せてくださいと警察に

頼んだ。

その遺体がみつかったのは東京ではないし、何の根拠もなかった。

それに遺体は熊の食い残しだし、それでも見たいですか?

雄二はひるんだ。

でも確認して浩子じゃないことを見たかった。

雄二は地方の遺体安置所に連れていかれた。

冷凍保存室から遺体が出てきた。


係り員はカバーを少し開けた。

髪の毛が見えた。それからちょっと頭・額が。

雄二はじっと見ていたけど、浩ちゃんと手を伸ばした。

髪の毛の生え際、そして少しの白髪、浩子だ。

事は大きく進展した。

浩子であることを前提に検死が行われた。

DNAのわかる浩子のヘアブラシ、歯ブラシなど雄二は警察に言われたもの

すべてを提供した。


警察は再度雄二の話を聞いた。

浩子は益田先生に会いに行った。

でも益田先生は浩子が来ないのでと電話をしてきた。


その日曜日は益田の休暇の初日だった。

でも病院の警備室に浩子の到着は記載されていなかった。


警察は病院と遺体が熊に襲われたかもしれない場所を繋がりを見てみた。


警察はすべての監視カメタをあさった。

益田は監視カメラを避けて通ったので、みつからなかった。

4時ごろ益田が電話してきた。

アポは病院。

警察は高速道路と県道など接点辺の監視カメラを丹念に探した。

当然、益田の車も調べられた。

何も出なかった。


益田はあの浩子を包んだブルーシートを白いシートとともに病院に戻って

解体された建物の窓の壊れたところから中に捨てた。


調べていくうちに熊が餌をくわえて車道を横切った話が

近隣の交番にあった。

そのとき、人間の足みたいに見えたとあった。

でも当日の巡査は動かなかった。

記録の日付は例の日曜日の3日後だった。

益田がすでに休暇中で船の上だった。


益田と浩子の関係は病院では何もみつからなかった。

ただ雄二は浩子は益田先生が好きだったからと言った。

でも益田先生に拒否された。

でもあの日、病院で会って夕食に行くと言っていた。

でも益田先生は浩子が来ないのでって・・・・

雄二に電話をよこした。 それが4時ごろだった。


益田は警察の問いにあの日曜日、浩子と会う約束をしていたことは確かだと言った。

約束は1時ごろだった。

でも遅れることはありうるので自分の仕事をしていたと言った。

そして気がついたら4時近くで、今日はキャンセルかと家に電話した。

携帯? 電源が入っていなかった。

休暇に入ったのにどうしてアポが病院?

それは仕事がまだ残っていたし。

浩子に宿直と言ったのは嘘だったけど、誰も知らなかった。


問題は浩子が来なかったことだ

誰も浩子を見ていなかった。

雄二はめずらしく浩子が地下鉄で行くと言ったのを記憶していた。

なんか地下鉄のすぐそばとか、近くだとか言っていたと雄二が言った。

地下鉄の出入り口はいくつもある。

その出口はどこだったんだろう?


警察は丹念に地下鉄の出入り口と病院の位置関係を調べた。

一番近いのは庭になっているところです。

若手が言った。

庭か・・・・もう一人が考えていた。

あの広い庭は2年前くらいにできたよね。

その前は何があったんだろう?

病院は古い、もう10年は使っていない建物がありました。

と答えた。

それは以前は何用でしたか?

外来もあったし、授業用の解剖室もあったし、医者たちの休憩室もあったけど

もう長いこと誰も使用していません。

そしてその建物が解体されたのが事件のあった翌日だとわかったとき

刑事達は彼らが重要な見落としをしていたことに気がついた。


刑事たちの幾人かは解体をした会社を訪ねた。

幾人かは遅ればせながら庭を調べた。

解体した会社は保管しているものはないと言った。

廃材はすべて廃棄した、そうだ。

異常も気がつかなかったと言った。


同時に庭を調べた刑事と鑑識は花壇の下に排水溝を見つけた。

排水溝は土で塞がれていた。

この排水溝はどこにあったんだろう?

大学はもう設計図がないので詳細はわからないと言った。


鑑識主任が排水溝の土を亭々に除いて、排水溝がどこに続くかを調べた。

それから鑑識主任は排水溝に大量の血を流した跡があると報告した。


排水溝は近所の小さい川に続く下水道に続いていた。


刑事は血液だけかと聞いた。

鑑識主任は調べますと言い、排水溝のすべての土管を回収した。

排水溝は血液の後に水を流した形跡はなかった。

血液型はすぐわかった。

B型だった。

B型? あの人もそうだ。 あの人って浩子だった。

そして熊の食い残しの遺体もB型だった。


翌日、解体会社が捨てたという古い建物のすべてをチェックするよう指示が出た。






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