暁の雲(平安語調平成日誌)

花をめで 鳥をうらやみ 霞をあはれびつつ
露をかなしぶこころ ここに記す
秋の月を見るに 暁の雲に会へるがごとし

大儀の「田植え」 今は 無し

2011-05-26 | 樹木・植物・動物・有職故実

武蔵の国 皐月の声を聞けば 処々にため池の目立ちて

こ は 誰(た)が水にかあらざるはなく

大かた 水田を司る 役人の 筋なき管理にくたされて(朽たす:けがす)

やがて そこここの田へ 流れゆく

鍬入れ

代掻きはもとより

今は みな 機械にて取り行ふ農事の暇に 田の養ひ人は 他所にて働くがならひなり

平素 人一人居らぬ田・・・養ふ人の 狭き心根の如くに ちまちまと小さき区画を為し
「何をか分けむ・・・」とぞ 思ひ眺め入るは われのみか・・・?

苗代の苗も 早場米とかや・・・いまだ丈の至らぬを植う

田植え女(め)などは 昔話にしのぶのみにて さらになし

山林・川谷(せんごく)・丘陵に神ありて その財を 民に分かつ・・・

しかして 「田植え」は神事なり

皐月二十五日 今上の帝は 形ばかりの神事を為すのみ

いはむや 下々に於いてをや・・・

田植機にて植えし苗は 七日もたてば はや 丈は倍にならむか?

また七日たてば 緑 一面に敷き詰め

その後は 鴨に頼みの 草取りの畦・・・