「1507~ M-BORG 50mmF2.8 ST Report」シリーズ、最終回の今日は「試験結果」の特集です。
といっても、細かい数値が並んだ表をお見せしても判り難いので、試験結果をグラフにしたものをご覧頂きます。
先ずは、下の<撮影倍率-1>グラフと、<WD(ワーキングディスタンス)-1」>グラフで全体の傾向を掴んだ上で、<撮影倍率-2>グラフと、<WD(ワーキングディスタンス)-2>グラフをご覧頂ければ、「B0」「C0」「E0」だけで撮影倍率 0(無限遠)~0.94 倍を切れ目なくカバーする、つまり、等倍マクロには僅かに及ばないものの、かなり近くまで迫ることができるし、WD の点でも問題はなさそうで、それ以上の撮影倍率を求めなければ、少なくとも撮影倍率と WD の点からは、他の組合せは必要ないことが判ります。
*記号の意味は次の通り。
A・B・C・D・E:レンズとヘリコイドの組合せで、具体的には各グラフに「凡例」として表示。
その後の数字:中間リング等の追加状況を示し、具体的には次の通り。
0:中間リング等の追加なし
10:10mm 中間リングを追加
16:16mm 中間リングを追加
26:10mm 中間リングと 16mm 中間リングを追加
36-90:BORG 36ED で使用している、長さ 36-90mm のヘリコイドを追加
<撮影倍率-1>グラフ
試験した全ての組合せの「最小撮影倍率」と「最大撮影倍率」をグラフ化したもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/a5/51d5ccf660b0b18700a602729cc43392.jpg)
<WD(ワーキングディスタンス)-1」>グラフ
試験した全ての組合せの「最大 WD」と「最小 WD」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/2b/a632bc51af3dc21e3f9540e90116a6f4.jpg)
<撮影倍率-2>グラフ
「A0」「B0」「C0」「D0」「E0」の「最小撮影倍率」と「最大撮影倍率」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/26/e6edf2e0754c05cf60bde3825d31f680.jpg)
<WD(ワーキングディスタンス)-2>グラフ
「A0」「B0」「C0」「D0」「E0」の「最大 WD」と「最小 WD」をグラフ化したもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/e5/ec541aadd38ee433f96987f1592b833b.jpg)
ただ、撮影倍率 0.94 倍まででは、ドアップ好きの私には物足りない場面も出て来そうで、その解消のために今回の試験での最大倍率 2.62 倍まで切れ目なくカバーするには、<撮影倍率-3>グラフと、<WD(ワーキングディスタンス)-3>グラフのように、「E16」「E-26」「E-36-90」を追加すれば良いことになります。
<撮影倍率-3>グラフ
「B0」「C0」「E0」「E16」「E26」「E36-90」の「最小撮影倍率」と「最大撮影倍率」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/63/354d40f672bfaf0003e8d5c45e3bbd1c.jpg)
<WD(ワーキングディスタンス)-3>グラフ
「B0」「C0」「E0」「E16」「E26」「E36-90」の「最大 WD」と「最小 WD」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/4a/d2a9977c7d6c408e9172718d7d1d8afe.jpg)
でも、いつもポケットに入っている、バヨネット式の中間リングを1~2個追加するだけの「E16」や「E26」は兎も角、ねじ込み式のヘリコイドを、BORG 36ED から取外して追加しなければならない 「E36-90」は、組替えがかなり面倒になりそうで、最大撮影倍率が 1.44 倍の「E26」までに留め、それ以上の撮影倍率が欲しい時は、最終的には画質の比較になりますが、扱い易さの点からは、焦点距離がもっと短いレンズを逆付けした方が良さそうです。
ところで、今回は撮影距離も測定していますが、接写時には、撮影距離よりも WD の方が重要なので、ここまでに撮影距離の測定結果は、ご紹介しませんでした。
しかし、その測定値を眺めていて、ちょっと面白いことに気付きましたが、今までのような「株価チャート」用に手を加えたグラフでは、値の大小関係が逆転しても判らないので、それが判り易いように折れ線グラフにするとともに、その傾向がハッキリ判る「D」と「E」の各組合わせに限定した、<撮影距離>グラフを、ご紹介します。
<撮影距離>グラフ
「D」と「E」の各組合せの「撮影距離」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/1b/b820c5fade7f6ceff5ba9d801188b6e3.jpg)
このグラフでは、逆付けしたレンズとボディーとの間に挟むヘリコイドや中間リングなどの長さの総和を大きくして行く、つまりレンズを繰出して行くと、撮影距離は小さくなるが、ある一定の値近辺(今回の場合 200mm 弱)で最小値に達し、それを超えると再び大きくなって行くことが判り、<WD(ワーキングディスタンス)-3>グラフ等で WD がなかなかゼロにならない(*1)ことの説明ができそうです。
*1:WD が小さくなると、カメラを自動的に遠ざけて、レンズ先端が被写体にぶつかるのを回避して
呉れているような感じです。
ということが判ったので、測定はしていませんが、試しに、BORG 36ED の現在の鏡筒からレンズを外して新ヘリコイドの先に取付け、全てのピント調整装置(ドロチューブ×1、ヘリコイド×2)を最伸長した先端(*2)に、BORG 50mmF2.8 を逆付けして、PC のモニター画面に向けて見たところ、驚いたことに、モニターの RGB 画素をハッキリと確認でき、そのときの WD は、目測で 40-50mm 程度もありました。
*2:カメラ側マウント面からの鏡筒長さは、何と 300mm 程度もありました。
「これは逆付けだからか? それとも順付けでも同じなのか?」との疑問が湧いたので、上記状態で BORG 50mmF2.8 を順付けに付替えて見たところ、WD は半分程度になるものの、こちらでもモニターの RGB 画素をハッキリと確認できました。
更に、広角レンズの場合は、中間リングを追加すると結像位置が撮像面よりも前に出てしまい、ピントが合わなくなることも多いのですが、「焦点距離が 50mm もあると、状況が大きく変わるのか? それとも、引き伸ばしレンズだけの特殊事情なのか?」確かめるために、上記状態の BORG 36ED の鏡筒先端に、ZUIKO 50mmF1.8/ZUIKO 28mmF2.8/ZUIKO 24mmF2.8 を順付け方向で押し当てて見たところ、24mm(ピントが合わない)以外は、モニターの RGB 画素をハッキリと確認できました。
*逆付け方向は試していませんが、一般的に WD は 逆付け>順付け なので、多分、逆付けも
使用可能でしょうね。
イヤイヤ、このときは驚きの連続でした!
といっても、細かい数値が並んだ表をお見せしても判り難いので、試験結果をグラフにしたものをご覧頂きます。
先ずは、下の<撮影倍率-1>グラフと、<WD(ワーキングディスタンス)-1」>グラフで全体の傾向を掴んだ上で、<撮影倍率-2>グラフと、<WD(ワーキングディスタンス)-2>グラフをご覧頂ければ、「B0」「C0」「E0」だけで撮影倍率 0(無限遠)~0.94 倍を切れ目なくカバーする、つまり、等倍マクロには僅かに及ばないものの、かなり近くまで迫ることができるし、WD の点でも問題はなさそうで、それ以上の撮影倍率を求めなければ、少なくとも撮影倍率と WD の点からは、他の組合せは必要ないことが判ります。
*記号の意味は次の通り。
A・B・C・D・E:レンズとヘリコイドの組合せで、具体的には各グラフに「凡例」として表示。
その後の数字:中間リング等の追加状況を示し、具体的には次の通り。
0:中間リング等の追加なし
10:10mm 中間リングを追加
16:16mm 中間リングを追加
26:10mm 中間リングと 16mm 中間リングを追加
36-90:BORG 36ED で使用している、長さ 36-90mm のヘリコイドを追加
<撮影倍率-1>グラフ
試験した全ての組合せの「最小撮影倍率」と「最大撮影倍率」をグラフ化したもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/a5/51d5ccf660b0b18700a602729cc43392.jpg)
<WD(ワーキングディスタンス)-1」>グラフ
試験した全ての組合せの「最大 WD」と「最小 WD」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/2b/a632bc51af3dc21e3f9540e90116a6f4.jpg)
<撮影倍率-2>グラフ
「A0」「B0」「C0」「D0」「E0」の「最小撮影倍率」と「最大撮影倍率」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/26/e6edf2e0754c05cf60bde3825d31f680.jpg)
<WD(ワーキングディスタンス)-2>グラフ
「A0」「B0」「C0」「D0」「E0」の「最大 WD」と「最小 WD」をグラフ化したもの。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/e5/ec541aadd38ee433f96987f1592b833b.jpg)
ただ、撮影倍率 0.94 倍まででは、ドアップ好きの私には物足りない場面も出て来そうで、その解消のために今回の試験での最大倍率 2.62 倍まで切れ目なくカバーするには、<撮影倍率-3>グラフと、<WD(ワーキングディスタンス)-3>グラフのように、「E16」「E-26」「E-36-90」を追加すれば良いことになります。
<撮影倍率-3>グラフ
「B0」「C0」「E0」「E16」「E26」「E36-90」の「最小撮影倍率」と「最大撮影倍率」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/63/354d40f672bfaf0003e8d5c45e3bbd1c.jpg)
<WD(ワーキングディスタンス)-3>グラフ
「B0」「C0」「E0」「E16」「E26」「E36-90」の「最大 WD」と「最小 WD」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/4a/d2a9977c7d6c408e9172718d7d1d8afe.jpg)
でも、いつもポケットに入っている、バヨネット式の中間リングを1~2個追加するだけの「E16」や「E26」は兎も角、ねじ込み式のヘリコイドを、BORG 36ED から取外して追加しなければならない 「E36-90」は、組替えがかなり面倒になりそうで、最大撮影倍率が 1.44 倍の「E26」までに留め、それ以上の撮影倍率が欲しい時は、最終的には画質の比較になりますが、扱い易さの点からは、焦点距離がもっと短いレンズを逆付けした方が良さそうです。
ところで、今回は撮影距離も測定していますが、接写時には、撮影距離よりも WD の方が重要なので、ここまでに撮影距離の測定結果は、ご紹介しませんでした。
しかし、その測定値を眺めていて、ちょっと面白いことに気付きましたが、今までのような「株価チャート」用に手を加えたグラフでは、値の大小関係が逆転しても判らないので、それが判り易いように折れ線グラフにするとともに、その傾向がハッキリ判る「D」と「E」の各組合わせに限定した、<撮影距離>グラフを、ご紹介します。
<撮影距離>グラフ
「D」と「E」の各組合せの「撮影距離」をグラフ化したもの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/1b/b820c5fade7f6ceff5ba9d801188b6e3.jpg)
このグラフでは、逆付けしたレンズとボディーとの間に挟むヘリコイドや中間リングなどの長さの総和を大きくして行く、つまりレンズを繰出して行くと、撮影距離は小さくなるが、ある一定の値近辺(今回の場合 200mm 弱)で最小値に達し、それを超えると再び大きくなって行くことが判り、<WD(ワーキングディスタンス)-3>グラフ等で WD がなかなかゼロにならない(*1)ことの説明ができそうです。
*1:WD が小さくなると、カメラを自動的に遠ざけて、レンズ先端が被写体にぶつかるのを回避して
呉れているような感じです。
ということが判ったので、測定はしていませんが、試しに、BORG 36ED の現在の鏡筒からレンズを外して新ヘリコイドの先に取付け、全てのピント調整装置(ドロチューブ×1、ヘリコイド×2)を最伸長した先端(*2)に、BORG 50mmF2.8 を逆付けして、PC のモニター画面に向けて見たところ、驚いたことに、モニターの RGB 画素をハッキリと確認でき、そのときの WD は、目測で 40-50mm 程度もありました。
*2:カメラ側マウント面からの鏡筒長さは、何と 300mm 程度もありました。
「これは逆付けだからか? それとも順付けでも同じなのか?」との疑問が湧いたので、上記状態で BORG 50mmF2.8 を順付けに付替えて見たところ、WD は半分程度になるものの、こちらでもモニターの RGB 画素をハッキリと確認できました。
更に、広角レンズの場合は、中間リングを追加すると結像位置が撮像面よりも前に出てしまい、ピントが合わなくなることも多いのですが、「焦点距離が 50mm もあると、状況が大きく変わるのか? それとも、引き伸ばしレンズだけの特殊事情なのか?」確かめるために、上記状態の BORG 36ED の鏡筒先端に、ZUIKO 50mmF1.8/ZUIKO 28mmF2.8/ZUIKO 24mmF2.8 を順付け方向で押し当てて見たところ、24mm(ピントが合わない)以外は、モニターの RGB 画素をハッキリと確認できました。
*逆付け方向は試していませんが、一般的に WD は 逆付け>順付け なので、多分、逆付けも
使用可能でしょうね。
イヤイヤ、このときは驚きの連続でした!