「1507~ M-BORG 50mmF2.8 ST Report」シリーズ、今日は「気になる点」の特集として、このレンズを3ヶ月余り使って見て、「ちょっとなぁ~!」と感じた点を列挙して見ます。
*特別な義務も報奨もありませんが、私も一応は BORG の「モニター」を拝命していますので、
心理的にブレーキが掛かることがないとはいえませんが、今回に限らず、基本的には、感じた
ままを、素直に、遠慮することなく述べる心算です。
1.寄れない(最大撮影倍率が小さい)
*最初から判っていたこととはいえ、最短撮影距離が長く、このため最大撮影倍率が小さいこと
は、マクロ好きの私にとっては、他の多くの点では気に入っているレンズだけに、非常に残念。
・最短撮影距離や最大撮影距離については、先日実測したので、このシリーズで、
後日報告する。
・ポケットに常備している 10mm や 16mm の中間リングを挟むと、かなり寄れるようになるが、
中遠距離にはピントが合わなくなるので、アップとロングの双方を撮るときは面倒。
*最短撮影距離がカメラレンズの一般的な「50mm 標準レンズ」の最短撮影距離よりも長いのは、
このレンズを、ミラーレスカメラに取付けるには、次の写真のように沢山のパーツを組合わせる
必要があり、無限遠にピントが合うようにするためには、ピント調整用ヘリコイド(以降、ピント
リング)の最縮長(最も縮めたときの長さ)を短くせざるを得ないためと考えられる。
・写真のパーツは、左から
引き伸ばしレンズ [2850]:「引き伸ばしレンズ」には、ピントリングがない。
M42P1→M39AD [2850]: L39(M39 ねじ)マウントの「引き伸ばしレンズ」を、
「M42 パーツ」に接続するためのマウントアダプター。
M42ヘリコイドS [7840]:ピント調整用のヘリコイド。調整幅は僅か 6mm。
M42P1→M49.8AD [7843]:「M42 パーツ」と BORG の各種カメラマウントを接続する
ためのねじ変換アダプター。
カメラマウント マイクロフォーサーズ用 [5011]:BORG のレンズをマイクロフォーサーズ
(以降、μ4/3)機に装着するためのマウントアダプター。
2.(前項 1.を含め)使い勝手が悪い
*ピントリングの前後幅が狭い上に、カメラボディーに近過ぎて、ピント調整が遣り難い。
*逆に、絞りリングは前後幅が広い上に、レンズ先端近くにあって使い易いこともあり、私だけ
かも知れないが、ピントリングと間違えて操作してしまうことが良くある。
*絞りリングのクリックが弱くて、ピントリングと間違えて操作しても気付きにくいし、間違いで
なくても、不用意に動いてしまう虞もある。
*絞りリングに表示されている絞り値がレンズ先端側に向いている(*1)ため、撮影者側からは
逆向きになって読みにくい。
*1:引き伸ばし機に装着した場合には下向きになり、この方が読み易い。
*フィルターねじが M37.5 という特殊なサイズで、各種フィルターや逆付けリングを使うには、
ステップアップリングかステップダウンリングで、ねじ径を変換する必要がある。
3.丸ボケ(多角形ボケ)が硬いと感じることがある
*特に、明るい丸ボケや小さな丸ボケの場合に、ボケの周囲に光が集まる傾向が見られ、二線
ボケの原因にもなっているのではないか?
以上、かなり厳しいことも述べげましたが、このレンズを入手してから3ヶ月半余りの間、次回にご紹介するようなカスタマイズを施しながら、MZD 60mm MACRO、BORG 36ED に次ぐ第三のレンズとしての地位を保っているということは、「それなりに気に入っているレンズ」ということであり、文句ばかりいっても仕方ないので、光学設計に直結する 3.以外についての、私なりの改善案を考えて見ました。
これは、このレンズが「引き伸ばしレンズ」を名乗っているとはいえ、今どき、「引き伸ばし機用レンズ」として購入する人は殆ど居ない筈なので、現行品を残すかどうかは別として、大多数の「カメラ用レンズ」として購入する人向け(*2)に、光学設計はそのままで、鏡筒を使い易くする案です。
*2:1回目のときにご紹介した「デジカメ Watch」の記事では、次のように記載されており、
これには、BORG の意向が反映されているものと考えられる。
そうした中 BORG 50mm F2.8 は、はじめから撮影レンズとして使うことを考慮して
生まれた“引き伸ばしレンズ”となっているのがおもしろい。トミーテック(*3)によると
引き伸ばし用レンズの光学設計を活かしつつ、実写テストをしながらパーツの
チューニングを施しているという。
*3:BORG 発売元の会社名。
*上に掲載した写真のパーツ5点の内、左の3点を一体化する。
・5点全てを一体化することも考えられるが、BORG が扱っている全てのマウント規格用を
揃えるのは困難だろうし、カスタマイズするには、「M42 ヘリコイドシステム」など
他社を含む多様な「M42 パーツ」を利用できる「M42 マウント」の方が、ずっと便利。
この3点を一体化することにより、次のようなメリットが生まれる筈。
・一体部の全長が長くなるため、調整幅が広いピントリングを組込むことができる。
→ 無限遠に合焦できるようにしたまま、現行品よりも寄れるようにできる、つまり、最大
撮影倍率を大きくすることができる。
・ピントリングの前後幅を広くした上で前に出すことができ、ピント調整が遣り易くなる。
・絞りリングの前後幅を狭くした上で後ろに下げると、ピント調整の際に間違えて絞りリングを
回す虞が小さくなる。
・販売数に依るが、別体3点よりもコストを抑えられる可能性がある。
*絞りリングのクリックを、もう少し強くする。
*絞り値の表示は、通常のカメラレンズと同様に、撮影者側に向ける。
*フィルターねじは、一般的なサイズにする。
以上、BORG では、開発時に検討された項目ばかりでしょうが、敢えて提案させて頂きました。
*特別な義務も報奨もありませんが、私も一応は BORG の「モニター」を拝命していますので、
心理的にブレーキが掛かることがないとはいえませんが、今回に限らず、基本的には、感じた
ままを、素直に、遠慮することなく述べる心算です。
1.寄れない(最大撮影倍率が小さい)
*最初から判っていたこととはいえ、最短撮影距離が長く、このため最大撮影倍率が小さいこと
は、マクロ好きの私にとっては、他の多くの点では気に入っているレンズだけに、非常に残念。
・最短撮影距離や最大撮影距離については、先日実測したので、このシリーズで、
後日報告する。
・ポケットに常備している 10mm や 16mm の中間リングを挟むと、かなり寄れるようになるが、
中遠距離にはピントが合わなくなるので、アップとロングの双方を撮るときは面倒。
*最短撮影距離がカメラレンズの一般的な「50mm 標準レンズ」の最短撮影距離よりも長いのは、
このレンズを、ミラーレスカメラに取付けるには、次の写真のように沢山のパーツを組合わせる
必要があり、無限遠にピントが合うようにするためには、ピント調整用ヘリコイド(以降、ピント
リング)の最縮長(最も縮めたときの長さ)を短くせざるを得ないためと考えられる。
・写真のパーツは、左から
引き伸ばしレンズ [2850]:「引き伸ばしレンズ」には、ピントリングがない。
M42P1→M39AD [2850]: L39(M39 ねじ)マウントの「引き伸ばしレンズ」を、
「M42 パーツ」に接続するためのマウントアダプター。
M42ヘリコイドS [7840]:ピント調整用のヘリコイド。調整幅は僅か 6mm。
M42P1→M49.8AD [7843]:「M42 パーツ」と BORG の各種カメラマウントを接続する
ためのねじ変換アダプター。
カメラマウント マイクロフォーサーズ用 [5011]:BORG のレンズをマイクロフォーサーズ
(以降、μ4/3)機に装着するためのマウントアダプター。
2.(前項 1.を含め)使い勝手が悪い
*ピントリングの前後幅が狭い上に、カメラボディーに近過ぎて、ピント調整が遣り難い。
*逆に、絞りリングは前後幅が広い上に、レンズ先端近くにあって使い易いこともあり、私だけ
かも知れないが、ピントリングと間違えて操作してしまうことが良くある。
*絞りリングのクリックが弱くて、ピントリングと間違えて操作しても気付きにくいし、間違いで
なくても、不用意に動いてしまう虞もある。
*絞りリングに表示されている絞り値がレンズ先端側に向いている(*1)ため、撮影者側からは
逆向きになって読みにくい。
*1:引き伸ばし機に装着した場合には下向きになり、この方が読み易い。
*フィルターねじが M37.5 という特殊なサイズで、各種フィルターや逆付けリングを使うには、
ステップアップリングかステップダウンリングで、ねじ径を変換する必要がある。
3.丸ボケ(多角形ボケ)が硬いと感じることがある
*特に、明るい丸ボケや小さな丸ボケの場合に、ボケの周囲に光が集まる傾向が見られ、二線
ボケの原因にもなっているのではないか?
以上、かなり厳しいことも述べげましたが、このレンズを入手してから3ヶ月半余りの間、次回にご紹介するようなカスタマイズを施しながら、MZD 60mm MACRO、BORG 36ED に次ぐ第三のレンズとしての地位を保っているということは、「それなりに気に入っているレンズ」ということであり、文句ばかりいっても仕方ないので、光学設計に直結する 3.以外についての、私なりの改善案を考えて見ました。
これは、このレンズが「引き伸ばしレンズ」を名乗っているとはいえ、今どき、「引き伸ばし機用レンズ」として購入する人は殆ど居ない筈なので、現行品を残すかどうかは別として、大多数の「カメラ用レンズ」として購入する人向け(*2)に、光学設計はそのままで、鏡筒を使い易くする案です。
*2:1回目のときにご紹介した「デジカメ Watch」の記事では、次のように記載されており、
これには、BORG の意向が反映されているものと考えられる。
そうした中 BORG 50mm F2.8 は、はじめから撮影レンズとして使うことを考慮して
生まれた“引き伸ばしレンズ”となっているのがおもしろい。トミーテック(*3)によると
引き伸ばし用レンズの光学設計を活かしつつ、実写テストをしながらパーツの
チューニングを施しているという。
*3:BORG 発売元の会社名。
*上に掲載した写真のパーツ5点の内、左の3点を一体化する。
・5点全てを一体化することも考えられるが、BORG が扱っている全てのマウント規格用を
揃えるのは困難だろうし、カスタマイズするには、「M42 ヘリコイドシステム」など
他社を含む多様な「M42 パーツ」を利用できる「M42 マウント」の方が、ずっと便利。
この3点を一体化することにより、次のようなメリットが生まれる筈。
・一体部の全長が長くなるため、調整幅が広いピントリングを組込むことができる。
→ 無限遠に合焦できるようにしたまま、現行品よりも寄れるようにできる、つまり、最大
撮影倍率を大きくすることができる。
・ピントリングの前後幅を広くした上で前に出すことができ、ピント調整が遣り易くなる。
・絞りリングの前後幅を狭くした上で後ろに下げると、ピント調整の際に間違えて絞りリングを
回す虞が小さくなる。
・販売数に依るが、別体3点よりもコストを抑えられる可能性がある。
*絞りリングのクリックを、もう少し強くする。
*絞り値の表示は、通常のカメラレンズと同様に、撮影者側に向ける。
*フィルターねじは、一般的なサイズにする。
以上、BORG では、開発時に検討された項目ばかりでしょうが、敢えて提案させて頂きました。
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