お食事会

およそ、他人の食したご馳走の写真ほど、つまらないものはない。

なのに、お姫様のお弁当のような、かわいい佇まいに、

つい、ノンストロボで、撮らせてもらった。

染めのみなさんとの、お食事会、今日は総勢8名。

小さな器に少しずつなのが、嬉しい。

見渡せば、お客は、わたしたちと似たようなグループ、ばかり。

不況時の業界にとっては、従来の社用接待はほとんど当てにならず、

還暦前後の時間的にも余裕のある世代、とくに女性グループこそ、

重要なターゲットとなっているのだろうか。

といっても、お酒は無用、サービスランチばかりでは心もとなかろうに。

意外と短時間のお食事のあと、近くのティールームで歓談。

大きなテーブルに、ロイヤルミルクティー８杯が並ぶ。

洋服の買い方の話題となり、オンラインショップが多いわたしは、

“ポチッて買ったジャケットが窮屈だった、あげるから着て。”

ただただ、箪笥の肥やしが悔しくて、言ってしまった。

なんという傲慢、好みに合わなければ、迷惑以外のなにものでもないのに。

ごめんなさい、撤回します。

品物の遣り取り、その内包する危うさを、わたしは忘れていた。

思わず、自分の都合で“押しつけ”をやってしまうところだった。

水の如き交わり、こそ、目指すところなのに。