千利休や与謝野晶子への官製のオマージュは、聞き飽きた。
が、時に、さすが〝黄金の日々〟!と感嘆させられることもある。
それは、役所の宣伝からこぼれた、堺のおいしいもん。
秀吉が屋号を名付けたという〝かん袋〟のスイーツ〝くるみ餅〟は、
大切な人に差し上げたい、ほんまもんのおいしさ。
明治生まれの祖母に手を引かれて、チンチン電車に乗って、
くるみ餅初体験にでかけたのは、60年も昔の話になる。
以来、「食べたいなあ」と、夢みていても、
此処ニュータウンから北西へ20kmの距離。
それに、本日限りの賞味期限を念押しされるので、
差し上げるのもなかなか難儀だ。
ただ、敬愛するバラの恩師ご来訪の折に、お土産にと、
往復1時間かけて陶製の壺に入ったくるみ餅を買いに走ったことがある。
その素朴さを大いに悦ばれ、深夜にお礼の電話をいただいた。
くるみ餅を喜んでくださるのは、
素朴さを愛する方に限られるのかも知れない。
きょうは車之町のめがねやさんを訪れるついでに、
寺地町のかん袋に立ち寄ることができた。幸せな日。