幕末期の歌人で国学者の橘曙覧という人がいる。
身近な言葉で日常生活を読んだ和歌で知られる。
「たのしみは朝おきいでてでて昨日までなかりし花の咲けるを見る時」
春先から夏にかけて私はこの楽しみを味わっている。
コロナ過と五輪で世の中は騒々しいがこの一瞬は大事にしたい。
やまあじさい
薔薇(クイーン・オブ・スウェーデン)
楽しみは常に見なれぬ鳥の来て軒遠からめ樹に鳴きしとき
何時も見なれていると空気のように感じて当たり前のように感じてしまう。
しかし見慣れない鳥を見かけたときは心のときめきを感じる。
クロツグミだろうか?
メジロだろうか?
たのしみはそぞろ読ゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人をみし時
たのしみは物識人(ものしりびと)に稀にあひて古しへ今を語り合ふとき
本を読む楽しみは本のなかの人と語りあえることだろうか?
時代を超えて(1000年以上も前の万葉人であっても)同じ気持ちを共有できる。
薔薇(万葉)
日本作出、万葉時代をイメージしたのだろうか。