言語社会学者の鈴木孝夫氏によれば、
ユーラシア大陸の文化(中国や韓国も含む)ーー家畜+穀物(主として小麦)複合体。
他者としての生き物を支配下に置いて、その行動を制御する。
強烈な自己主張と異質な他者に対する執拗な排除攻撃。
日本の文化ーー魚介+穀物(米と雑穀)複合体。
魚介類は人間が支配し命令を下して、その行動を意のままに操ることはできない。他者を支配する意思が希薄だ。
自己主張は少なく、基本的に穏やかな植物的原理で他者に対応する。
この説明はストーンと腹の底に納まる。
欧米人は完全にユーラシア大陸の文化圏の中にある。しかし中国や韓国はアジアにあるから日本人と同じ思考や行動をとる、といった先入観念に侵されていないか。
遺伝学的には近いのであろうが数千年にわたる生活習慣で異なる思考・行動パターンをとるようになったのだ。
日本はユーラシア大陸から遠く離れて存在したために、「山川草木悉皆仏」という自然と共生するたおやかな文化を育ててきた。この文化は争いごとが絶えないこの世界に有って誇るべきことではないだろうか。
日本人は英語を話すことが決定的にできない。
それに目をつけて自民党と文科省と一部の民間業者が結託して、大学入試に英会話を取り入れようとしたが、あえなくつぶれてしまった。
一体何を目指していたのか、よくわからない。
少々英語が話せたとしても、二流、三流のアメリカ人にしかなれない。
第二外国語が割と話せるという民族は、歴史的に何らかの段階で他民族から征服されている。
その意味で日本人は地政学的に恵まれてそのような憂き目にあうことなく過ごしてきた。
英語が好きだとか、海外で必要に迫られて生活した人たちはどんどん英語の勉強をすればよいが、小学生から全員に英語を教える意味がどの程度あるのか、じっくり考えるべきであろう。
最近唖然とした事柄は、元日産のゴーン会長が、保釈中の身を良いことに不法に日本脱出を図ったことだ。
ゴーンの人柄をうんぬんする前に、「日本人だったら絶対に考えない」と思う。
せいぜい後先考えずに逃げ回るだけだろう。
今年度以降、ユーラシア型の文化の様々な矛盾が噴出して、それぞれがかってに自己主張し、まとまりのない世界が出現するだろう。
その中にあって、人類文明を地球の自然と資源環境に共存共栄させる「日本型魚介・植物型文明」が見直されるのではなかろうか。