歴史上「暴君」と称せられる人間は数多いるが、プーチンは秦の始皇帝になる可能性が大だ。
始皇帝はわずか26年間で自国以外の戦国7雄をすべて滅ぼして天下を統一した。
始めて「皇帝」の号を使用し中央集権的な強圧政治を行った。
「史記」では、「恩愛の情に欠け、虎狼のように残忍な心の持ち主」と記されている。
しかしその天下は長くは続かず、農民の反乱が相次ぎ、ついには項羽によって滅亡した。
プーチンはウクライナの民を数万人単位で虐殺して何ら心の痛みは感じていないようだ。
まさに「虎狼のような残忍な心の持ち主」
例え局地戦で勝ったとしてもプーチン帝国の暗転が始まるであろう。
おそらく内部から崩壊する。
プーチンが孫子を勉強していれば、こんなやり方は取らなかっただろう。
百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。
プーチンが2014年にクリミア半島を略奪したやり方は、軍事力を使わず謀略によって行った。
ところが今回のやり方は余りに拙劣。
孫子は語る、
上兵は謀を伐(う)つ。(最高の戦い方は、事前に敵の意図を見破ってこれを封じる)
その次は交わりを伐つ。(敵の同盟関係を分断して孤立させる)
プーチンはゼレンスキー大統領を甘く見過ぎた。まさか徹底抗戦してくるとは。
そしてアメリカを中心とするNATOが一致結束してウクライナ支援に動いた。
中国とインドがNATO側につかない点が、せめてもの救いか。
兵は拙速を聞くも、いまだ功の久しきをみざるなり。 孫子
短期決戦に出て成功した例は聞いても、長期戦に持ち込んで成功した例は聞かない。