「世界平和を脅かす」指導者は誰か?という世論調査がなされている。
2018年6月に米政治ニュースサイトのポリティコが行ったものがある。
①金正恩(朝鮮労働党委員長) 43%
②ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領) 42%
③ドナルド・トランプ(アメリカ大統領) 26%
④イラン指導部 12%
⑤バッシャール・アサド(シリア大統領) 5%
丁度このころトランプ大統領と金委員長がシンガポールで史上初の米朝首脳会談が話題になっていた。
そんな時期であっても、アメリカ国民は北朝鮮の非核化についてかなり懐疑的に見ていたことがわかる。
トランプ大統領が第三位ということは、アメリカ国民(民主党を中心に)も危険人物とみているのだろう。
2019年12月26日、ドイツで行われた「世界平和を脅かす指導者」のアンケート調査が報じられた。
ドイツの世論調査機関YouGovがドイツ人2000人対象に行った。
①ドナルド・トランプ(アメリカ大統領) 41%
②金正恩 (朝鮮労働党委員長) 17%
③ウラジーミル・プーチン 8%
④ハメネイ(イラン最高指導者) 8%
⑤習近平(中国共産党主席) 7%
NATOの盟主であるドイツの複雑な国民感情が現れていると思う。
ドイツは第2次世界大戦の反省に立って、欧州の政治的安定に努力してきた。
ところがトランプによってことごとく破壊されつつある。
要するにドイツ人はトランプに対しかなり「頭に来ている」状態だろう。
一方でプーチン、ハメネイ、習近平に対してはそれほど脅威を感じていないように見える。
アメリカが経験した内戦(いわゆる自国内での戦争)は南北戦争だ。
しかしこの戦争は悲惨な被害が出る戦争で、米国人はしばらく茫然自失して、おかげでその後世界の平和は維持されたともいえる。
第二次世界大戦以降、超大国になったアメリカは警察官の役割を自覚しているうちは良かったのだが、時々暴力団に変身する。今は全くその状況だ。
圧倒的な軍事力を有するアメリカが、自国中心主義に陥り、棍棒を振り回してところかまわず威嚇に明け暮れる姿は見たくない図式である。
トランプを諫めるためには国連を中心とした世界各国が団結するときであろう。
いずれにしても小競り合い程度で収まるならまだしも、本格的な戦争の可能性も無きにしも非ず。
そのような事態に至らぬよう、我が国は中心になって動くべきであろう。