「異次元緩和」と称して日銀の黒田総裁が大規模金融緩和を始めてからもう9年になる。
2年で物価上昇率2%にすると「大見えを切って」始めたのだ。
しかしいっこうに物価は上がらず、景気も大したよくならず、けだるい徒労感のみが残った。
ところがここにきてウクライナ危機による石油や天然ガスの高騰で物価上昇が始まり、4月には2%程度になる。
何とも皮肉な話だ。
黒田総裁の「異次元緩和」など何の意味もなかったということだ。
かえって日本中に緊張感のない「ゆるゆる感」をまき散らした。
ぬるま湯に浸かりきっていて出るに出れない。
今回のようなウクライナショックがあればすぐ茹で上がるのだ。
「疾風に勁草を知る」という言葉がある。
激しい風が吹いて初めて丈夫な草が見分けられる。苦難に遭って初めてその人の節操の堅さや意志の強さがわかるということ。
安倍晋三と黒田東彦による「日本ぬるま湯作戦」によって豆腐のように壊れやすい国作りが進行中だ。
岸田文雄はアベクロミクスの修正を宣言したかと思ったが、後方から糸を引かれて操り人形に徹するようだ。
今我々が向き合っているのは、「ここで厳しい対応をしなければこの国は衰退に歯止めがかからない」ということだ。
先ずその手始めは「異次元金融緩和」などは即刻やめることだ。