「ピーターの法則」とは、
階層社会では、全ての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。
やがてあらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
仕事は、まだ無能レベルに達していない人間によって行われている。
「ピーターの法則」は、カナダ生まれの教育学博士ローレンス・ピーターが提唱した学説だ。
組織に属さず単独で仕事をしている人には当てはまらないと思うが、階層社会では「ピーターの法則」は厳然として存在する。
コロナ過対応、オリンピックをやるのかやらないのか、日米首脳会談などを見ていると、菅首相はもとよりほとんどの大臣は、明らかに「無能レベル」に達している。
トップがそんな状況下で彼らに仕える官僚クラスは大丈夫だろうと思ったがこれもだめだ。
「私が仕えるのは国民だ」などという矜持はどこにもうかがえない。残念なことこの上も無し。
太平洋戦争中、日本軍によるジャワ軍政下で穏健政治を展開した今村均の占領地統治は、今日でも注目に値する。
「無能レベル」を逃れた例であろう。
今村均の統治スタイルーーー「組織の不条理」ーー菊澤研宗
部下の権利をほとんど認めないような極端に独裁的で専制的な統率方式ではなく、また、極端にすべてを部下に自由に任せておくような自由放任的な統率方式でもなかった。彼は、一方で自分の考えを示しながら、他方で可能な限り部下の意見を汲み上げようとする、いわゆる民主的な統率方式をとった。
8年以上にわたる安倍・菅政権により、この国の政治風土そして官僚機構はズタズタにされてしまった。
事実に向き合わず、その事実を糊塗、隠蔽することに精力を費やし、この国の基礎体力作りを疎かにしてきた。
どうだろう!この国の指導者たちの右往左往ぶりは!
日本は大いなる反省をすべき時なのかもしれない。
逆境や苦難の中で繁栄を遂げた文明が、成功と豊かさの重圧にもちこたえられなくなって無能化して来ているのではないか?