かなり衝撃的なタイトルにしたが、チェコの経済学者トーマス・セドラチェクの言を聞けば納得する。
資本主義とは何かを定義するのは実は難しい。最近この言葉は、共産主義という意味で使われることが多くなってきてます。
ここでいう共産主義とは、誰が金持ちで誰が貧しいかは関係なく、あるものをみんなでシェアする、という意味です。昔から天気は、我々みんなでシェアするものでした。最近はコカ・コーラがそうです。裕福な人は貧しい人よりも、おいしいコカ・コーラを飲むことが出来ません。
資本主義は変化しているが、共産主義も変化している。
衆院選では与党側から共産党に対するネガティブキャンペーンが張られたが、これに有権者は騙されたようだ。
50年前の共産主義(主にソ連型)を持ち出して恐怖感を煽っていたからだ。
トーマス・セドラチェクは次のようにも語る。
資本主義が変貌して、コミュニタリアニズム(個人に対する共同体の存在論的優位を説く政治思想)になる方法はたくさんあります。
たとえば、保険がそうです。これはいささか共産主義的なものです。自分で責任を負わずに、他の誰かに支払わせるわけですから。
上記のコミュニタリアニズムの定義に従えば、自民党の右派は、まさにコミュニストということになる。
(何とも皮肉な話ではある)
私はかねてから昭和の時代は、資本主義と社会民主主義が混合した体制を作ったおかげで「総中流社会」が実現できたと考えている。
平成になってから、「新自由主義」万能の世界観がグローバリズムと一緒になって(小泉・竹中流)中流社会を蹴散らしてしまった。
岸田首相はまた竹中平蔵を重用するということだから、彼の言う「新しい資本主義」など十八番(おはこ)が知れている。
「新しい資本主義」の道は、どうやって「コモンの思想」、あるいは宇沢博文が唱える「社会的共通資本の思想」を取り入れるか、の段階に入ってきたと思う。
その具体例が「気候変動問題」だろう。
もはや成長だけを重視した資本主義は世界の崩壊への道だ。