札幌市で2019年7月、安倍首相(当時)の参院選の街頭演説中にヤジを飛ばし、道警の警察官に違法に排除されたとして、男女2人が損害賠償を求めた判決が25日あった。
広瀬裁判長は、警察官による排除行為は違法とし、
「憲法が保障する”表現の自由”を侵害した」と判断。道に対し、慰謝料として計88万円を2人に支払うよう命じた。
裁判官の次の発言は味がある。
「安倍辞めろ」、「増税反対」などと声を上げていた原告らは、いささか上品さに欠けるきらいはあるが、これらはいずれも公共的・政治的事項に関する表現行為であることは論をまたない。警察官らの行為は、原告らの表現行為の内容が街頭演説の場にそぐわないと判断し、表現行為そのものを制限しようとしたと推認せざるを得ず、原告らの表現の自由を制限したというべきである。
当時の安倍首相は、検察や警察の上層部を抑え、指示命令まで出していたかは定かではないが、明らかに「忖度」させていた。
北海道警も同じように「空気を読んだのか」、過剰な反応(ヤジ排除という)で上層部の意向に応えたのであろう。
ヤジを発した2人を数人の警官が取り囲こみ強制的に移動させた。
ヤジが、安倍総理の街頭演説の場にそぐわないと判断して制限しようとしたのか?
そうであるならば警察が政権党に肩入れした疑念が生じる。
自衛隊もそうだが警察も国民のために仕える公務員である。
やりたい放題の安倍政権に仕えるのではない。
こうした権力の乱用を許していればロシアや中国のような「強権的独裁国家」への道を歩むことになる。
今回の判決は、「表現に自由を適切に理解した判決」で高く評価したい。