テレビで見た、とても立派な女の子のお話をさせてください・・・
18歳の華子さんは重度の心疾患を持って生まれました。
8歳の時にドイツで心臓移植を受け、背骨が曲がる病気の為15歳で気管切開、人工呼吸器をつけました。意思を伝えるのは筆記かメール、携帯電話のメール画面を使います。
次に何かあった時はもう延命治療を受けたくないとの気持ちを両親も尊重していました。
3年前から自宅で暮らすようになった華子さん。それは『家族と当り前の生活ができること』を望んだ華子さんの選択。
そして華子さんの在宅が可能になったのは、華子さんのように重篤な患者を診れる訪問診療の医師がいたことでした。このような医師は日本では数えるほどしかいないそうです。
大きな異変が起きたのは今年6月。腎不全になってしまいました。
華子さんは意思を変えず、人工透析を拒否。
『ふつうにかぞく三人でくらすけついをしました』
腫れ上がる体。顔も四肢むくみ、ダルそうに横たわる華子さん。見ている回りもつらい・・・
先日お誕生日おめでとうと華子さんから言ってもらったお母さん。でも来年は?と思った時に・・・来年はその言葉はない。
華子さんからはもう、言ってもらえない。
そんな中、7月に1泊2日家族旅行に行きました。もちろん、訪問診療所のスタッフに支えられて。
大好きな海を見て笑顔になる華子さん。行って良かったと思える、素晴らしい旅になりました。
そして、旅行後、お父さんに迷いが生じるようになりました。
一度は娘の望む『延命拒否』を受け入れた、けど、透析を受ければ確実に体は楽になり、まだ生きることが出来る。
「助かる命ならどんなことをしても助けてあげたい」
こう、先生に相談します。先生は「私も迷うことなく生きて欲しいと・・・。けど私の価値観を入れてはいけない。3人で決めて欲しい」
先生立ち会いの元、『透析』について話し合いが始まります。
「透析はしない。私らしく過ごしたい。」
「もう十分頑張ってきたし 自分のいのちは自分で決めたことだし」
「もうパパ 追い詰めないで」
また、お父さんに手紙を書いていた華子さん。
『パパへ
華子だよ さっき先生から電話がママにあってパパが先生に私のことを相談したみたいだね
パパ 私の体が変わっていくのがつらくなったんだね でもね私は納得しているんだよ
パパとママにはつらいかもしれないけど私の気持ちは変わらないよ
病院でも手術でも入院でも十分がんばったよ
呼吸器になった時もつらかったけど私はがんばったのよ
私は自分で治療をしない選択をして お家で自分らしく過ごしたいから在宅ターミナルに決めたんだよ
自分の限られた命を大切に過ごしているから
体が変わっても 寝たままになってもちゃんとできるよ 約束できるよ
だからパパとママも最期まで私の大好きな尊敬できるパパとママで 深呼吸しながらがんばって私のそばにいてください』
それを聞いたお父さんが華子さんに言います
「生きていくことは大事なことだと思うんだよ
生きているときっとなんかいいこともあるんだよ わかる? つらいことばっかりじゃないんだよね いいこともあるんだよ
でもやっぱりせっかく生まれたんだからさ 少しでも長く生きてもらいたいと思う
はっきり言って死んだら終わりだよ 華ちゃん」
お母さんは「わかってるわよ 華子だって良く分かってるわよパパ 誰よりもわかってるじゃない」
お父さん「わかってるよ わかってるのは知ってるよ でもただ生きるチャンスがある時は可能性を延ばしたいんだよ」
2人のやり取りの後、華子さんはこう伝えます
『もう決めたことだから 言わないで』
その後、NHK取材者にメールが入ります
「医療は全部受けたつもりだし 穏やかに過ごしたいです」
8月の終わり 肺炎を起こしうまく呼吸が出来なくなります。痰を吸引するチューブが気管に入らなくなりました。
お母さん「なんか今日は涙が出ちゃうのよ、無力で。私が無力だなぁと思って」
薄れゆく意識のなか、自分の気持ちをお母さんに携帯の画面を使って伝えた華子さん
『感謝しにきなやわやや』・・・感謝しなきゃ、感謝しなきゃいけないと・・・
9月の半ば、華子さんは亡くなりました。大好きなパパママに抱っこされ、華子さんが望んだ自分のお家からの旅立ちでした・・・
今回この番組にゲスト出演していたのは聖路加国際病院の細谷先生。先生は『看取り医療』にも尽力されている方です。
「18歳の華子さんだから、これが12や13歳だったら父の意思を汲んでなんとか本人の説得をしただろうけど18歳という自分の意思をはっきり言える年齢だったから3人に決定をまかせたんでしょう」
「本人の気持ちと心と体とスピリットを支えるというのを根本として、先端医療を考えていかないといけない」
最後に、華子さんの残したことばを伝えます
『命は長さじゃないよ どう生きていくかだよ』
なるべくたくさんの方に知ってもらうことが華子さんの望みかなと思い、紹介しました。
再放送や、YouTubeであればいいな・・・
華子さんはもちろん、彼女に寄り添った人たちの生きざまもぜひ見ていただきたいです
18歳の華子さんは重度の心疾患を持って生まれました。
8歳の時にドイツで心臓移植を受け、背骨が曲がる病気の為15歳で気管切開、人工呼吸器をつけました。意思を伝えるのは筆記かメール、携帯電話のメール画面を使います。
次に何かあった時はもう延命治療を受けたくないとの気持ちを両親も尊重していました。
3年前から自宅で暮らすようになった華子さん。それは『家族と当り前の生活ができること』を望んだ華子さんの選択。
そして華子さんの在宅が可能になったのは、華子さんのように重篤な患者を診れる訪問診療の医師がいたことでした。このような医師は日本では数えるほどしかいないそうです。
大きな異変が起きたのは今年6月。腎不全になってしまいました。
華子さんは意思を変えず、人工透析を拒否。
『ふつうにかぞく三人でくらすけついをしました』
腫れ上がる体。顔も四肢むくみ、ダルそうに横たわる華子さん。見ている回りもつらい・・・
先日お誕生日おめでとうと華子さんから言ってもらったお母さん。でも来年は?と思った時に・・・来年はその言葉はない。
華子さんからはもう、言ってもらえない。
そんな中、7月に1泊2日家族旅行に行きました。もちろん、訪問診療所のスタッフに支えられて。
大好きな海を見て笑顔になる華子さん。行って良かったと思える、素晴らしい旅になりました。
そして、旅行後、お父さんに迷いが生じるようになりました。
一度は娘の望む『延命拒否』を受け入れた、けど、透析を受ければ確実に体は楽になり、まだ生きることが出来る。
「助かる命ならどんなことをしても助けてあげたい」
こう、先生に相談します。先生は「私も迷うことなく生きて欲しいと・・・。けど私の価値観を入れてはいけない。3人で決めて欲しい」
先生立ち会いの元、『透析』について話し合いが始まります。
「透析はしない。私らしく過ごしたい。」
「もう十分頑張ってきたし 自分のいのちは自分で決めたことだし」
「もうパパ 追い詰めないで」
また、お父さんに手紙を書いていた華子さん。
『パパへ
華子だよ さっき先生から電話がママにあってパパが先生に私のことを相談したみたいだね
パパ 私の体が変わっていくのがつらくなったんだね でもね私は納得しているんだよ
パパとママにはつらいかもしれないけど私の気持ちは変わらないよ
病院でも手術でも入院でも十分がんばったよ
呼吸器になった時もつらかったけど私はがんばったのよ
私は自分で治療をしない選択をして お家で自分らしく過ごしたいから在宅ターミナルに決めたんだよ
自分の限られた命を大切に過ごしているから
体が変わっても 寝たままになってもちゃんとできるよ 約束できるよ
だからパパとママも最期まで私の大好きな尊敬できるパパとママで 深呼吸しながらがんばって私のそばにいてください』
それを聞いたお父さんが華子さんに言います
「生きていくことは大事なことだと思うんだよ
生きているときっとなんかいいこともあるんだよ わかる? つらいことばっかりじゃないんだよね いいこともあるんだよ
でもやっぱりせっかく生まれたんだからさ 少しでも長く生きてもらいたいと思う
はっきり言って死んだら終わりだよ 華ちゃん」
お母さんは「わかってるわよ 華子だって良く分かってるわよパパ 誰よりもわかってるじゃない」
お父さん「わかってるよ わかってるのは知ってるよ でもただ生きるチャンスがある時は可能性を延ばしたいんだよ」
2人のやり取りの後、華子さんはこう伝えます
『もう決めたことだから 言わないで』
その後、NHK取材者にメールが入ります
「医療は全部受けたつもりだし 穏やかに過ごしたいです」
8月の終わり 肺炎を起こしうまく呼吸が出来なくなります。痰を吸引するチューブが気管に入らなくなりました。
お母さん「なんか今日は涙が出ちゃうのよ、無力で。私が無力だなぁと思って」
薄れゆく意識のなか、自分の気持ちをお母さんに携帯の画面を使って伝えた華子さん
『感謝しにきなやわやや』・・・感謝しなきゃ、感謝しなきゃいけないと・・・
9月の半ば、華子さんは亡くなりました。大好きなパパママに抱っこされ、華子さんが望んだ自分のお家からの旅立ちでした・・・
今回この番組にゲスト出演していたのは聖路加国際病院の細谷先生。先生は『看取り医療』にも尽力されている方です。
「18歳の華子さんだから、これが12や13歳だったら父の意思を汲んでなんとか本人の説得をしただろうけど18歳という自分の意思をはっきり言える年齢だったから3人に決定をまかせたんでしょう」
「本人の気持ちと心と体とスピリットを支えるというのを根本として、先端医療を考えていかないといけない」
最後に、華子さんの残したことばを伝えます
『命は長さじゃないよ どう生きていくかだよ』
なるべくたくさんの方に知ってもらうことが華子さんの望みかなと思い、紹介しました。
再放送や、YouTubeであればいいな・・・
華子さんはもちろん、彼女に寄り添った人たちの生きざまもぜひ見ていただきたいです