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 き ち

娘 ゆみの成長記録です

10/5のこと ゆみの変化

2012-10-10 06:18:36 | 入院

ふと気付くと小児科の先生が揃い始めてました
まだ4時、出勤の時間ではありません
もしかして、ゆみの為に?

「お風呂入れませんか?」と看護師さんが声をかけてきました
「はい!」笑顔になれました
ゆみ父と2人、このお風呂はゆみが転院してから4ヵ月、入院していた時に使っていたお風呂です
「懐かしいね、ゆみ、大きくなったよね」と涙と一緒に話しながら、お湯に浸けて、髪を洗って・・・
するとうんちが少しお湯に浮いてました
さっきオムツにも付いてた、鼻も詰めて耳も詰めてる、そうやね、死んだもんね・・・
身体を拭きながらもうんちは少しづつ出てました
ティッシュで拭きながら新しいオムツを着けようと両足をぐいっと持ちあげた時、ゆみの肛門が目に飛び込んできた。
それは小さなお尻には不釣り合いな、ほら穴のように暗い暗い大きな穴。
私はこれを見てさーっと気持ちが覚めるのが分かった
こんな身体ではもう生きてけないよね・・・

ゆみはまた観察室で新しい服に着替えて髪を乾かしてもらっている間、
私は病室に戻りお家に帰る為に荷物を片づけ始めた
こんなことになるなんて、思ってもみなかった
また数週間入院して、少し身体が弱ったとしても退院してまたゆっくり体力を戻していく、そう思ってた
涙が溢れてきた
泣きながら片づけた、どんどん、片づけた、早く家に帰してあげたかった

ゆみ父がゆみを抱いて戻って来た
「あ!」ゆみを見て驚きました
とても穏やかな安心した顔になっていたから。
口元や鼻は血が付いて痛々しかったけど顔はとてもいい顔している。
「顔が変わったー!やっぱりお父さんに抱っこして貰いたかったんやね」ゆみ父は嬉しそうに笑い、泣いた。
少しして、主治医の先生と看護師さんが挨拶に来ました。
先生が「ゆみちゃん」と声をかけると今度はとっても優しい、ふわぁっとした顔に。
「わぁ、すごい、ゆみちゃん先生に会いたかったんやね」

先生は悔んでいるようでした、ゆみと私達に謝りました。
でも先生、ゆみはこんなにも先生に会えて喜んでいる、ありがとうって言ってるんやと思う。
私達も先ほどと同じように感謝の言葉を伝えました。
先生に出会えて、先生にきちんと診てもらえて、最期も先生で、望んだ通り。
先生が居てくれた事でどんなに救われたか。

この後ゆみ父がまとめた荷物を車に積む為に今度は私がゆみを抱っこ、
するとゆみは眠たそうな顔になりました

「そっか、眠りたかったん、そうやね、ずっとしんどくて眠れなかったもんね、眠りたかったんやね」
ゆみの頬に寄せてまた泣きました。
そしていつものように頭を反らせて戻してと、ゆみが眠る動きをさせてあげました。
するとより深く眠っていくよう、たまらなく可愛かった。
戻って来たゆみ父もゆみを見て頷いて泣きました。

そして病室を出ました。時計を見ると5時10分、今回入院の際に救急からこの病棟へ上がって来た時も同じ時刻。
へぇ・・・と偶然に少し頬が緩みながら
「ここにもう入院で来ることはないなぁ」それはちょっと寂しかった。
廊下を歩いて行くと先生達が勢ぞろいで出てきてくれました、
やっぱりゆみの訃報の連絡で集まってくれたみたいです。
主治医の先生のおかげかなぁ・・・
結局、私達の車が見えなくなるまで正面玄関から見送ってくれました。

良かったね、ゆみちゃん。ゆみちゃんは幸せものだよ、こんな風に手厚く送ってくれてね。
外はもう明るく、爽やかな風が吹いてました
家に着いて空を見上げると白い月が高く高くありました

忘れない 私はこの一日を、この空気を忘れない

「ただいま、ね」と玄関の扉をあけました

ゆみはただ眠ってました
口元が少し笑ってるようでした


































10/5のこと 言いたくなかったけど、やっと言えた

2012-10-10 01:52:15 | 入院

まっている間、あーちゃんとーさんに聞きたいことがあったので電話しました
挿管は決めてたけど呼吸器の事は『肺を膨らませるもの』としか知識はないから。
時刻はもう3時、かけてきていいよとあーちゃんかーさんがメールくれてたので甘えました
医療機器の会社に勤めてるとーさんに呼吸器を付けて二酸化炭素の換気が出来るのかを聞きました。
私のつたない説明を豊富な知識から理解して答えられる限り、分かりやすく説明してくれました。
これを聞いて『挿管』に迷いはなくなった....
挿管したことで苦しい毎日を送るようになったら私達は毎日ゆみに謝ろう、
「どうしても生きていて欲しかったんよ、ただただ、生きていて欲しいと思ったから」と。


その時、看護師さんから呼ばれ観察室に入りました

そこには酸素テントに入ったゆみがいました

「残念ながら効果はなかったです。」
肺の機能は少しだけ戻ったけど今度は低酸素になったと言われました。
この処置後の採血結果は二酸化炭素190だったと思う
「更に上がってます」
ああ、ダメだった...
ゆみに声をかけ続ける、反応ない
触る、手を頬を頭を触る....

もう、たまらなくなり、この日一番大きな声だったと思う、
「ゆみちゃん!!」と叫んだ
するとゆみの眼球がとろーんと後ろへ落ちた
「先生!ゆみの目が今後ろに!!」と言ったけど処置は変わらなかった
バイパップを押し続けてくれる先生、何時間押してくれてるのか
先生に感謝していました、有難かったです

「挿管を」とお願いしました
すでに麻酔科の先生は居ました

観察室を出て、それからまた何分か・・・覚えてません
ただひたすら祈って、願ってました
でも反面、反面・・・


呼ばれました
挿管されて、押していたのは循環器のK先生でした。応援で呼ばれたのでしょうか。
ゆみは心臓マッサージもされてます
主治医の先生から
「挿管しましたが今度は心臓が・・・」
突然心臓の機能が落ちたそうです
「体内のバランスが崩れて酸性に傾いたのでしょう、心臓がやられてます」
押すのを止めると心拍がサーッと落ちていきます、
マッサージの度にぎゅっ、ぎゅっ凹むゆみの胸。
K先生がエコーで心臓を見ました、たぶん、見込みなかったのでしょう
主治医の先生は押しながら、目はもう駄目ですって目で私達を見てました
私達もゆみを見て、ゆみを見て、泣きそうな先生を見て、人形にしか見えなくなったゆみを見て、やっと言いました。

「もう、いいです、先生。ありがとうございました」
もっと早くに言えば良かったのか、
もう、分かりませんでした。
先生は「すみません」と言い、「では」と泣きながら
聴診器でゆみを診て
「3時43分、お亡くなりになりました」と涙声で告げました。
私達は泣いて、泣いて、
でもゆみの為に汗だくになって関わってくれた先生、看護師さんにお礼が言いたくて
「お世話になりました、ありがとうございました」
ゆみ父は「先生のおかげでゆみはここまで生きてこれたんです、本当にありがとうございました」と涙で言葉に詰まりながら言いました
中に居た1人1人に頭を下げて、また外に出ました

終わった、ゆみの毎日が終わった
まだみんな眠ってます、大きな声では泣けないので声を殺しながら泣きました





















































10/5のこと 決断

2012-10-10 01:51:39 | 入院

それからの時間は長かったのか短かったのか、わかりません
メールはすぐに返ってきて
携帯を握りしめながら、また涙が出ました
皆の励ましが本当に心強く、一人じゃないと思えました

ゆみ父は廊下に座り込みうなだれてました
時々開いた扉からゆみを見てました
きっと心の中で強く叫んでいたはず

中に入っても大丈夫そうだと思った時は勝手にゆみのそばに行き声をかけました
でも返事がない
急変後の採血での二酸化炭素の数値は120?とにかく100はありました

もうダメなのかな、
数回そういう風に繰り返してた時ゆみ父が「ゆみ!」と大きくかけた声に
ゆるりとゆみの左手の指が反応、握ろうとしました

あ!!ゆみちゃんに届いた!!
ゆみ父がその手を握り締め
その後何度も叫びましたが反応したのはその時だけ


バイパップでゆみの肺に人工的に空気を入れる
そのリズムでゆみの頬がふくれる
ふう、ふう、ふうとそれはとても意味無くふくれてるようで

白くなった肌に反して這うように血管が浮き出てきた下頬
意思の無い身体
これらを見てるとこのまま救命をし続けるのは可哀そうに思えた

そう思い始めた時に先生から
酸素テントに入ってお薬と吸引を使って積極的な治療に入るか、このまま呼吸器をつけるかの選択を聞かれました。
酸素テントはどちらかと言えば一か八かの治療で効果なければ呼吸器という選択。

迷いました。
一度でも反応してくれたゆみ、この間もゆみ父の声かけに頭を動かしたのです

呼吸器を付けた場合、途中で苦しそうだったら外して終わらせる事は出来るのか聞いてみたけど
治療できる可能性がある限り医師としてはそれは出来ないと言われました

でも私達はゆみが苦しい想いをするのは本意ではなく、
12月に急変した時の先生の説明では
肺高血圧症による低酸素発作の状態で呼吸器を付けるのは必ずしもうまくいくものではなく、むしろ肺を無理に膨らませることで
肺や心臓に悪さをしてよけいに苦しめる事になる事が多いとの事だった
今回は状況が少し違うらしい、
何とか60台はキープ出来ているので低酸素というのではなくやはり二酸化炭素増が原因なのでそこまで当てはまらない、
しかし重篤な肺高血圧症と心疾患というのは変わらないので抜管出来るかどうか、その手前の、うまくいくかどうか言いきれないそう。

悩みました
想像はしていたけど想像の何倍も緊急時の選択は難しかった

ここでまた3回目の採血結果が出て二酸化炭素は170?だったと思う
そこまで悪くても臓器は大丈夫なのかとゆみ父が先生に聞くと
二酸化炭素さえ、換気出来れば問題ないと答えが


望みがあるなら

酸素テントにかけることにしました
効果ない場合は挿管にと

酸素テントの準備が始まりました
最初はここで準備となったけど最後はナースステーション横の『観察室』に準備されゆみはそこへカート移動

この間、やっぱり挿管!と私は考えたのですが
もう準備しているし一度考えて下した決断だしとゆみ父と話して止めました

もう何時だろう、2時?
ナースステーション近くの長椅子に座り声を殺して泣きました
この椅子にはかつて同じ18トリソミーの子どもを持つママさん3人とゆみと私で座り記念撮影した場所
みんなはもう旅立ったけど、力を貸してくれないかな

祈りました
何とか頑張って
抱っこしてないよ
大好きな抱っこしてないよ














効かないなぁの深夜からのこと2

2012-10-08 06:51:04 | 入院

もう手遅れだ、吸引とマッサージだけで戻れるようなもんじゃない

でも突然「はぁーっ!!」と息を吐いて眼球を動かすかもしれない

諦めと希望とが交錯しながら「ゆみちゃん!ゆみちゃん!」と声かけ続けました

それからすぐに当番の先生がやっと来て状態を確認している時に
フワッと私の左肩に風が起きました
主治医の先生!!
「どうですか」
経緯を私と看護師さんとで話しながら先生は口から吸引
あ、口からを忘れていた
すると溢れるように口からも出てくる
「もっと太い(チューブ)の」
どんどん出てくる、先生もグイグイ喉の奥へ突っ込む
ここで私はゆみから離れて当番の先生がゆみの胸をタッピング
暫く見ていたけどゆみに何も変化なし
救急カートもここで登場してやっと救命している形が出来た

吸引されるのは真っ赤な血
ゆみの鼻からも口からも引けるのは真っ赤な血

白い肌は艶を失い、目は開いて眼球は動かない、光も感じない、身体もされるがままに動くだけ

「お母さん、外で待ってて」
今までそこに居させてくれたことに感謝しながら病室を出ました

ゆみ父に電話しなきゃ
「はい」 0時12分、数回のコールで出てくれました
「ゆみが危ない」声が震える
自分が動揺してる事に気付いた
「わかった」
電話を切って、少し開いてる病室の扉を見つめてると

泣けてきました
こんなところで泣いたらいけない
でも喉が苦しくて、息吐くと鼻先がツーンと痛くなり涙が出てきます

ゆみ!ゆみ!ゆみ!
力が欲しい、撥ねつけるだけの力が

迷いましたがメールを打ちました
同じ18トリソミーの子供を持つ、4人のママさんに。
皆ならすぐに状況を分かってくれるだろうし
もしかしたらまだ起きてるかも知れない

私一人の想いでは足りない、そう思った
今すぐメールに気づかれなくても、メールに乗せた想いが届けば通じる
なんか勝手にそう思った

10分後ゆみ父が来た
すぐに状況を把握して抱きしめてくれた
硬くなってた身体が少しほぐれ、声を殺してまた少し泣いた





































効かないなぁ…の深夜のこと

2012-10-07 23:21:40 | 入院

10/4 木曜日
23時、ゆみ父が帰る際に2人でゆみの顔を覗き込むと
閉じた目が腫れたように浮腫んで見え、
「二酸化炭素が溜まるとこうなるの?」とゆみ父に話し、
さっきより呼吸が更にキツくなったように思えたけど、眠ってるし、
起こしてまた吸引するのも可哀想なので、
もう少しだけ寝かせてあげようとそのままにし、ゆみ父は帰りました。

10分後、やっぱり気になり吸引しようとナースコール、
「ゆみちゃん」と仰向けにすると、どろーんと開けた眼が現れました。
瞬時に異常だと思い来てくれた看護師さんに
「ゆみ、目がおかしいんですよ」と話し一度吸引、
え⁇ 吸引しても反応しない、
おかしい!
身体を揺すってもだらんだらんとされるがままに揺れるだけ、
おかしいですよね!と看護師さんに三回言ったけど
そうですか?とぼんやり首を傾げるだけ、

「おかしいんですよ!こんな目はしない!先生呼んで下さい!」
そう強く叫ぶとやっと部屋を出て走っていった。
入れ替わりに別の看護師さんが来てくれ
「ゆみちゃーん!ゆみちゃーん!」と声かけしながら懸命に背中をさすり始めた、
私は引き続きベッドの上でゆみの胸を自己流排痰マッサージ、

でも全然反応なく、目はとろーんと開いたまま、
身体は私達に揺さぶられるまま、
反応が全くなかった

が、突然右鼻からドロッとした鼻水が溢れ出した!
吸引!
看護師さんがチューブで吸引するけど、
スピードが間に合わない!と感じてオリーブ管を使いたいと申し出て私が吸引、
すると倍速く引けて、でもでも凄い量、
恐ろしく溜まってたんだと怖くなりながら、
それからは2人でマッサージして吸引してを繰り返してました。

何分経ったのか、看護師さんは努めて明るくゆみに声かけ、
私はそれが救いだったのかも、諦めることなく続けてました。

途中駆け付けた他の看護師さんが「電気!」と電灯を付けた時は
それまで補助灯の中でやってたことに気づき、ハッとしました。
何分経ったろう… …

待っても待っても先生は来ない。
舌も変わらず頼りなげに口元にある。

当番の先生は向かってるとさっき聞いたけど
未だに変化ないゆみの状態、主治医の先生じゃなきゃ
これ以上の事が起きた時に悔やむはずだ

そう思い、主治医の先生は?と聞いたら引き返して来てるとの事、
少しホッとし、でも全然間に合わない!こんなに待ってたら間に合わない!
何ですぐに救命の処置が行われないのか、
そう出来る先生がすぐにいないのか、
いないなら代わりに時間稼ぎ出来る看護師を配置しないのか、と
ここの体制の不可思議さが頭の中でグルグル回ってました。

ゆみ!ゆみ!反応して!吸引したら嫌がって!お母さんに目を合わせて!

長く長く感じて先生をひたすら待ちながら
先に旅立ったKくんの最期が浮かびました

たぶん、似てる… … …