私は何者であるか。この人類永遠の課題に直面してしまった人が居るそうである。運転免許証・保険証・マイナカード・学生証・キャッシューカード・クレジットカードに家の鍵と云う個人情報フルコンボの財布を紛失したそうで、その時の絶望感は想像するに余りある。善意の拾得者が警察に届けてくれて事なきを得たらしいが、幸運だったとしか言い様が無い。本人確認は顔写真と住所氏名の照合で何とか凌いだ様だが、もしこれらを再発行する破目になっていたらそう簡単には済まないだろう。現状、上記のカード以外で身分証明が出来るものと言ったらパスポートぐらいなものである。万が一の備えとしては分散保管しかないのであるが、何処にしまったのかを忘れがちである。生体情報を国家機関に預けるのが早道ではあるが、マイナンバーでさえこれだけ揉めるのだから現実的とも思えない。私が何者であるかの証明は、普遍的であると同時に極めて現代的な課題なのである。