ひよどりのこぼし去りぬる実の赤き 蕪村
「蒲染」とか「鎌酸実」と書かれ「ガマズミ」とよばれ春には白い花を咲かせ、秋には武蔵野の藪に入って彼方此方で見かける木漏れ日に光る真紅の実となり、遠い昔に食べた甘酸っぱい子供時代を蘇らせてくれる。
「鎌酸実」の酸の字はこの酸っぱ味からきているとか。
紅葉の前の茜色は森林の藪を賑わし、目立つ色で野鳥の啄ばみを待っているかのようだ。種を野鳥に託して遠くに運んで芽を吹く期待が感じられる色かもしれない。
紅の色は大根や蕪の漬物の色づけにも使われているともいわれている。
この色を見ていると次第に里山の秋が深まっていく気配を感じさせられる。
茜さすガマズミの実の藪のなか 松風
がまずみ
以下「花.com300」より引用
http://www.hana300.com/gamazu.html
・吸葛(すいかずら)科。
・学名 Viburnum dilatatum
Viburnum : ガマズミ属
dilatatum : 拡張した,拡大した
(花序の形が拡がった)
・漢字名もありますが(ちょっと難しい・・・)
漢字辞書(MS-IME)にその字がないので
ひらがなにします。
「蒲染」の字をあてる場合もあるようです。
・秋に赤い実をつける。
・「ズミ」は”染め”をあらわし、実を染料に
用いたことからの命名(「ガマ」は不明)。
・似ている花へのリンク
白山木 水木
・似ている実へのリンク
南天 万両 ピラカンサス 珊瑚樹