写真俳句~~一生感動 一生青春  松風庵

森林公園、動物公園、松風公園より

悪茄子 一日一花一葉一句

2007年07月31日 | Weblog
名からして既に嫌われている茄子の花によく似たワルナスビの花が地獄坊池畔に咲いていた。
綺麗に刈り込まれて躑躅(ツツジ)の群れからヒョッコリ顔を出し、睡蓮の花の開く池を眺めるように咲いている。花だけ見ると茄子の花を白くしたように咲いているがうっかり枝や幹を触ると硬く鋭く尖った先でチクリとやられる。葉が柔らかそうなので強く握ってしまうと痛いめにあう雑草の一種。fabdf991.jpgその上に繁殖力が強い雑草なので「悪」名をつけられてしまった。この雑草も花だけ見てみる範囲では愛らしい花に違いは無い。又別名更に怖い「鬼茄子(オミナスビ)」の名もある。
カメラを向けていたらレンズの先の花に、いきなり蜂がまとわりつき、撮ってもらいたいとばかりに蜜を吸込むポーズを盛んにとっていた。この花も人には嫌われている様だが蜂には好かれているようだ。この蜂は結構大きい蜂でスズメバチではないのかと後になって気がついて・・・。


    嫌われるからこそ育つ悪なすび    松風


悪なすび
松風公園地獄坊池畔にて

山百合その参 一日一花一葉一句

2007年07月30日 | Weblog
94392f1e.JPG森林公園のいたるところで山百合の花が顔を出し芳香を放って散策の人の目をそして鼻を楽しませてくれる。山百合の別名「白百合」で検索してみると、その大半が何処かの学校名がずらりと並ぶ。幼稚園から大学まで大変は数の件数が列挙される。この白百合の名の由来と学校名は無関係ではなさそうだ。
efa82785.jpg昨日森林公園の見学ツアーは「山百合」だったので暫くぶりに参加させてもらう。白百合は、西洋では大変ありがたい花で聖母マリアのイメージの花らしい。花言葉も「純潔」の言葉通り聖母に関わる白百合の絵は、雄蕊を入れた花はタブーとされていたらしい。雄蕊を入れると純潔のイメージが壊れるからとかで。ところがレオナルドダビンチが、聖母マリアの絵に入れた白百合の花は、雄蕊も確り描いたといわれている。これも宗教にとらわれない自然科学者としての意地があったようだと。見学ツアーの講師の方が「ネタというほどではないが小ネタを一つ」ということで、この聖母マリアとダビンチの関係を説明されていただき、見学ツアーに参加して一つ利口になった気持ちで早速ブログのネタに―――。


   ダビンチの蕊(しべ)も立派に百合の花    松風


百合の蕊

森林公園山百合の小径にて

山百合その弐 一日一花一葉一句二題

2007年07月29日 | Weblog
暑い盛りに咲く一般名で「山百合(やまゆり)」と呼ばれている花は別名が案外多い。よくいわれている名で吉野百合、叡山百合等があるが他にも鳳来寺百合、鎌倉百合、関東百合、狐百合、白百合、筋百合、匂い百合、箱根百合、料理百合、多武峰百合等とも称されている。産地を示す名前が多いようだ。
ネットワーク総合辞書によると、鱗茎は「ユリネ」と呼ばれ、炭水化物や多糖類の一種である「グリコマンナン」を多く含むため苦味が少なく昔から食用に供されていて、縄文時代には既に食されていたらしい。食糧難の時代には貴重な栄養源になった歴史もあったとかいわれている。こんな綺麗な花を咲かせる球根を食べるのはなんとなくモッタイナイ。この芳香漂う花を見ていると、なんとなくそんな気分にさせられる。
しかし食糧難の時代には「花より球根(ダンゴ)」。鑑賞用には「勿体無い」そんな時代もあったのだと・・・つい半世紀前までは。

    山百合や歯朶の間(あい)より一つ咲く   白雄

    山風におさまれば百合草に起き    阿部みどり女

山百合

山百合
森林公園にて

お化け薊  一日一花一葉一句

2007年07月28日 | Weblog
c4337f71.JPG森林公園ハーブガーデンの奥まったところに大きなパイナップルの頭に紫色をした房をつけたような花に思わず目が止る。近寄って上空を仰ぐような姿勢でシャッターを切っていた。


   遠山にまさる紫秋薊     前原まも留

紫色の糸をフサフサに付けたようなパイナップルを差した棒を花壇に差し込んであるような風景に、ネームプレートを見てみたらキク科の「チョウセンアザミ」と書いてあった。又英名で「アーティーチョーク」ともいわれている。
薊もここまで大きくなって人を見下ろしているさまは、お化けとしかいいようのない花だ。全体を見回してみると毛のフサフサしたものやら未だ丸坊主の者やらが賑やかに合唱でもしている声が聞こえてくるようだ。そんな風景に通りかかった人たちは思わず「これ何の花」と異口同音に声を発していた。花に見下ろされている気分にさせられるのも珍しい。古くから野菜として栽培されていたらしい。蕾を茹でて食べると多肉質でおいしいようだが未だ味わったことが無い。
薊の種類は非常に多いが只の薊というと春の季語だが大抵の薊は夏か秋に咲く。この朝鮮薊もどちらかというと秋の季語は入るのかもしれない。

     鬼薊丈なす果ての雲走る   島方銀城

チョウセンアザミ

秋薊
森林公園ハーブガーデンにて

女郎花 一日一花一葉一句

2007年07月27日 | Weblog
桔梗に続いてまたまた秋の七草が今は盛りと咲いている。投稿も去年の女郎花に続いて2回目を数える。耳だけで聞いていると真に響きの良い言葉に聞こえるが同じ「オミナエシ」でも「女郎花」と漢字で読むとチョット違ったイメージになる。ec6a4dd6.JPG草姿が優しいからこの名がついたとかいわれているが匂いのほうはあまりよろしく無いようだ。花瓶に活けると水が醤油の腐ったような匂いになるから「敗醤(ハイショウ)」の別名があるとか。この敗醤の根を乾燥させて「敗醤根」の名の生薬でも知られているらしい。この生薬は何に効能があるのかは未だ勉強不足で分からない。あとで又調べておきます。


    ひよろひよろと猶露けしや女郎花     芭蕉


女郎花
森林公園野草コースにて


*1185437685*敗醤根
女郎花の根の薬効は調べたところでは腫れ物の消炎、解毒、むくみ時の利尿に効果があるらしい。花が終わった後に根をほりあげ良く水洗いし天日でよく乾燥させて煎じて一日3回に分けて飲むと良いらしい。
又「女郎花」の字は女郎の化粧の匂いが女郎花みたいに強いのでそう呼ばれていたという説もある。遊郭華やかかりし、遠い遠い昔のことです。

梅雨晴れ間 折々の記一葉一句

2007年07月26日 | Weblog
9517b193.JPG月曜の朝、起きて雨戸を開けた途端に朝日が飛び込んできた。すわ梅雨明けかとばかりに待ちに待った梅雨明け宣言を期待してTVの天気予報を見たが・・・。洗濯には、「この日一日がチャンス」と気象予報士がコメントしていた。梅雨明け宣言は未だ無かった。
まだまだ続きそうな気配に今日もどんより曇り空。
この時期の雲ひとつない空は、暫くぶりの眺めだった。


      天空に白花かさね梅雨晴れ間    松風


梅雨晴れ間2
森林公園コリウス畑奥にて

不詳花々 一花一葉

2007年07月25日 | Weblog
1cf217a0.JPG
森林公園のボーダー花壇に、午後の陽射しを浴びて綺麗に咲いていた名前の分からない花。


名前が分からずしまいこんでおいた花が、整理してみると意外と多いのに気づき取り出したみた。このままハードデスクに仕舞い込んでしまうには勿体ない花がある。先ずはじめにこの花から。


不詳花
森林公園ボーダー花壇にて

梅雨空 折々の記一葉一句

2007年07月24日 | Weblog
今日から、あちこちの学校で夏休みになる中、未だ梅雨空のうっとうしい日々が続いている。先週、土曜日もはっきりしない梅雨空の下、折畳傘をザックに放り込んで、森林公園のヤマユリの満開を期待して、花見気分で出かけた見た。花木園の山百合の咲いている小高くなって丘の一部にカメラを持った人であふれていた。これではさぞかし「やまゆりの小径」も満開かと期待して足を延ばして見たが・・・。
2a1cf08c.jpg3e4431a7.jpg画像の通り蕾ばかりの静かな落ち着いた風景に三週続けた三回目の見込み違いにガッカリ。 南口入り口から一時間ほど歩いてきた疲れを足の先に感じながら来週を期待して、少しばかり咲いている小高い丘に戻ってみると相変わらずの人だかりだ。ここしか咲いていないのでは、この丘に集まってくるのは仕方ないのか知れなった。
多分来週末は「やまゆりの小径」は満開の小道に芳香を放って白く輝いていることと思う。いやそう思いたい。

 
    梅雨空に人かげしずむ朝の霧    松風


森林公園南口にて
森林公園南口入り口より

花魁草 一日一花一葉一句

2007年07月22日 | Weblog
花の房が花魁(おいらん)に似ているから俗に花魁草で呼ばれているが、今は、クサキョウチクトウと呼ばれるほうが多いらしい。7b5e0d47.JPGこれも夾竹桃に似た草本だからこの名がついたのだが和名の花の由来は似たもの探しが多いようだ。 今盛りに咲いているギボウシやらキキョウ科のホタルブクロ、他にもクマガイソウ、イカリソウ等々最近の投稿した野草のブログの中にも多数ある。まさにその通りと何回も頷けるものから、これはチョット如何なものかと首を傾げるものまで色々だが、花の由来を調べるのも案外面白い。


    花魁草花簪(かんざし)の毬重ね     川端大川



花魁草
森林公園ボーダー花壇にて


花魁草
森林公園ボーダー花壇にて

桔梗の蕾  一日一花一葉一句

2007年07月21日 | Weblog
今この時期、梅雨の雲間をぬって、薄青紫色をして涼しそうに咲いている桔梗の花に付き添うように蕾が顔を覗かせている。この蕾を見てみると蕾というより鬼灯(ほおずき)に近いイメージが、薄紫の紙風船のようになって風に揺れている。
a5702b57.JPG57cc427a.JPG漢名の「桔梗」の字は「キチコウ」と読むがこの読みが訛って「キキョウ」になったのではないかと山野草ガイドブックには記されている。そのガイドブックにしたがってコースをたどってみると其処かしこに花に寄り添うように風船を小さくしたような格好で浮かんでいる。その蕾がポンと開くと其処には薄紫色に青みがかった色の空気が流れて飛び去っていく。
絶滅危惧Ⅱ種に分類されてかなりの数で減少しているらしいとか。


    ききやうのぽんとひらきて風の色    植松とし夫


桔梗蕾
森林公園野草コースにて