写真俳句~~一生感動 一生青春  松風庵

森林公園、動物公園、松風公園より

木瓜 花鳥風月一葉一句

2007年03月31日 | Weblog
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「木瓜」(ボケ)又の名を「長寿梅」とよばれる色とりどりの可憐な花姿をしたバラ科の木。
盆栽でも良く見かける花木で昨年、我が家でも枯らしてしまった一鉢が、脇から新芽を吹いている。多分、地上の幹や枝は枯れても、根の方は生けていて、盛んに生命活動をしていたのかもしれない。


夏目漱石著「草枕」に木瓜のこんな一節があった。


『木瓜は面白い花である。枝は頑固で、かつて曲った事がない。
そんなら真直かと云ふと、決して真直でもない。
只真直な短かい枝に真直な短かい枝が、ある角度で衝突して、斜に構へつつ全体が出来上って居る。
そこへ、紅だか白だか要領を得ぬ花が安閑と咲く。
柔らかい葉さへちらちらつける。
評して見ると木瓜は花の中で愚にして悟ったものであろう。』



821377a6.JPG春先に咲く花で、紅だか白だか要領を得ぬ花が安閑と咲いている様は遠くから見てもよく目立つ花だ。
上にはあまり伸びずに株立ち状の姿に向きによっては、斜めに構えつつ真直ぐな枝が地に向かって伸び、その真直ぐな枝に紅だか白だか要領を得ね花が、ひしひしと纏わり着くようにして安閑と咲いている。



      土近くまでひしひしと木瓜の花     高濱虚子



木瓜の花


by;MATSUKAZE

遅咲きの満作 花鳥風月一葉一句

2007年03月30日 | Weblog
今更マンサクでもないが、と言われそうだが先週森林公園の分山沼のカタクリの花を撮り込みにいった際にマンサクの花が満開に咲いていたので夕日を浴びるマンサクの姿を撮りこんでみた。
時期的に或いは、新種のマンサクかと森林公園事務所に問い合わせて見たら6bd70635.JPG「沢伝いに植えた若い木で日当たりがあまり良くないので咲くのが遅くなったのでは」との説明だった。
昨晩、飲み屋のツキダシで食べた、ホタテの紐(ヒモ)を黄色く染めて夕日に当てているような、そんな花に見えてきた。酒の肴になるような、・・・。
そこで今更ながらマンサクのページを一葉に。



         まんさくやこどもの涙うすみどり    星野麦岳人
                           草木花歳時記 春編より



遅咲きマンサク

at;森林公園
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菜の花その後 花鳥風月一葉一句

2007年03月29日 | Weblog
50201a3f.JPG前回の菜の花のブログから久しいが、先週の森林公園では、まだまだ盛んに咲き誇っている。春の黄色は、季節の始まりを感じる温かみの有るイメージに焦点を合わせて、アップで一葉に撮りこんでみた。




家々や菜の花いろの灯をともし  木下夕爾
       草木花歳時記 春編より




菜の花 森林公園にて


at;森林公園
by;MATSUKAZE

雪柳 その後 花鳥風月一葉一句

2007年03月28日 | Weblog
41f70326.JPGよく道を歩いていると、こんもりと満開の雪柳の花が垣根越しに顔を覗かせている。
いつも通る道でも気が付かなかった花が此処にもあったのかと何か良い物でも発見したような気分にさせられる。
米粒の様な花びらが一本の枝になって長く伸びて垂るれ下がり、其れが山のようになった純白の風景は、辺りを明るく輝かしているようだ。
別名「小米花」の命名も愛らしい。


雪柳その弐の本文はこちら↓
   http://d.hatena.ne.jp/matukazekouen/20070318



  ちればこそ小米の花もおもしろき  莫二


雪柳 森林公園にて



at;森林公園
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花辛夷その弐 花鳥風月一葉一句

2007年03月26日 | Weblog
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花辛夷そのものの花は、桜の咲く前触として春を知らせるメッセージを含んでいる。
花一つ一つを取っても充分観賞に値するが、空に向かって咲く辛夷の木全体の姿から発する白と青の空の空間は又違った趣を呈し、827737ea.JPG武蔵野を望む丘陵の森林公園に立つ花辛夷は武蔵野の色となって空を仰いでいる。 




花辛夷の本文はこちら↓

http://d.hatena.ne.jp/matukazekouen/20070319




     武蔵野のいろ空にあり花辛夷   中原知江
                         俳句歳時記より



花辛夷森林公園にて


at;森林公園
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ミモザの花 花鳥風月一葉一句

2007年03月26日 | Weblog
05c751ef.JPG朝、雨戸を開けると、庭越しに、松風公園並びに建っている民家の庭から、思いっきり大きく満開に咲いたミモザの花が、朝日を燦々とあびて、眩しいばかに目の中に飛び込んでくる。
落葉樹の何も無い周りに紅一点ではなく黄一点で、輝くように咲いている風景は当に春爛漫の予兆を知らされる。手前には去年の秋に強すぎた剪定の辛夷の花が申訳程度に咲いている。
3b192111.JPG最近調べて知ったミモザ(ミモザアカシア)の木は、アカシアの仲間で、生け花等にもよく使われている、良く見かける花だった。
ギンヨウアカシアとフサアカシアと二種類あって切花で売られているのはギンヨウアカシアのほうらしい。
「ミモザ」の名前もどこかで聞いたような、懐メロの歌の文句にも出てくるような懐かしい響きをもった名前だ。


      逢ふたびのミモザの花の遠げむり   後藤比奈夫


ミモザの花 花鳥風月一葉一句


at;松風公園
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黄水仙 花鳥風月一葉一句

2007年03月24日 | Weblog
4a7413e8.JPGただ水仙というと冬の季語だが、この黄水仙となると春の季語とされている。
彼岸花科の観賞用多年草で原産地は南欧だとか。
庭園の木の根元に良く植えられいるのを見かけるが、梅の木の根元に咲く同じ時期と相俟ってよく合う花だ。青空の下に白やピンクのたなびく下に黄色の配色の世界は春の風情を一際強調してくれる。
 76aad38f.JPGひと塊になって何本もの茎が立ち蕾をつける緑の姿に黄色を添える風景は、子供の頃の春に林で遊んだ、その頃の懐かしさを想いおこさせてくれる。



      少年の想い澄みけり黄水仙   工藤茶亭



黄水仙


at;森林公園
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満開の深山鶯神楽 花鳥風月一葉一句

2007年03月23日 | Weblog
3a86c890.JPG森林公園南口より15分ほど入った所で野草コース入り口に達する。そこを左に折れ、大鋸屑を敷いた道伝いに入ると分山沼に出る。
その隣に斜面になって小高い丘になった先に片栗の花が咲いた道を、更に下って沢伝いの深山の風情を感じるところに、転々と木漏れ日の中に零れるように、満開の深山鶯神楽(ミヤマウグイスカグラ)が咲いていた。
逆光の花にカメラを構えると、夕日を浴びて深山鶯神楽独特の毛が乱反射してレンズに飛び込んでくる。
よく見ると産毛のような優しさを感じる光景にシャッターボタンを押してみた。



     鶯かぐら隕石かって雨と降り   永作火童



深山鶯神楽


木々の間から零れ出た春の夕日を浴びて
深山鶯神楽産毛付き

at;森林公園
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片栗の花  花鳥風月一葉一句

2007年03月22日 | Weblog
  片栗の一つの花の花盛り  高野素十


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春の代表的な草花。
春の妖精ともいわれる花。
こうしてクローズアップして見てみると、確かに妖精の様に見えなくも無い。
森林公園の彼方此方、群生を成して可憐に清楚に咲いている。
と言いたいところだが今年は一寸勢いが無い。
未だ時期的に早いせいかも知れないが、野草コースの丘の斜面に紅紫色の花弁を反転して、夕日の木漏れ日を微かに浴びて群落を成して咲いていた。
地下の鱗茎からとった澱粉が片栗粉と言われているが、市販の片栗粉はじゃが芋からとっている。葉はギボウシに似て長楕円形をしている。この若い葉は食用にもなるとかいわれているが未だ食して事は無いので一度チャンスがあったら食べようと思っている。


       かたくりは耳のうしろを見せる花    川崎展宏


確かに上から地面を見ると咲いている花は耳しか見えません。
しかし、此処森林公園の花は、急斜面の丘に目をチョット上に向けて目線の高さで見てみると、群を成して花弁をのぞかせて、こちらを覗いています。



片栗の花


片栗の耳

玄関先の花々  折々の記

2007年03月21日 | Weblog
09fe45e4.JPG玄関先の花々も賑わいを見せてきた。
地植えの芝桜は葉が緑色になる前に花を開き、ギボウシの蕾は小指ほどの芽が石の脇からニョッキリ顔を出した。
鉢植の三色菫が舞っているように咲きパンジー、ビオラが盛んに陽を浴びて春を告げている。
そして枯らしてまった木瓜の盆栽が脇から芽を吹いてくれた。
画像を何でもクローズアップで大写しにして、ベタベタ貼り付ければ良いというものでもありませんが・・・。
生命力の強さを与えてくれる春模様に感謝の気持ちで撮り込んでみた。


ピンク花


芝桜 
フェンス下の縁石に垂れ下がって茶色の葉に芝桜の花が


芝桜 アップ
朝の陽を浴びて、紅白に咲き分けてくれている


三色菫 オレンジ色&黄
三色菫も賑やかに


三色菫 オレンジ色
玄関先に置いたプランターの中から


三色菫 黄


木瓜
枯れ木の脇から新芽が


ギボウシの蕾
ギボウシの芽が石の脇から


at:玄関先にて
by;MATSUKAZE