紫陽花や 藪(やぶ)を小庭の 別座敷
松尾芭蕉
紫陽花又の名をオタクサ。鎖国時代、シーボルトの日本人の愛人の名をお滝さん(楠本お滝)と言って紫陽花が、殊のほか好きだった。そこで、この花をお滝さんをもじってオタクサと命名。シーボルトの母国オランダでは、この紫陽花の花を「オタクサ」と呼ばれているとか、日本ではもっと昔から他の名があったので学名にならなかったといわれている。長崎ではこの紫陽花の咲くころにはオタクサにあやかっていろいろ行事を催しているらしい。去年の今頃、銀行で鉢植の紫陽花を貰ってきて花が終わったころ地植えにしたら今年結構な花をつけまして咲いている。花全体は萼(ガク)といいこの中の一点が花らしい。
クリックして大きくしてみると、なるほど納得できたしだいで命名もいろいろ複雑な経過を辿っているように見受けられる。アジサイの名に中国の「紫陽花」の字を当てたのは、シーボルトより更に遡った平安時代の学者が勝手に付けてしまったモノが世間にひろまってしまったらしい。中国のアジサイは「八仙花」と書き「紫陽花」は又別モノだとか・・・。o○(?_?)
孫あやす紫陽花の咲く小庭かな 松風の一句
梅雨の晴れ間のひと時を泣き止まない孫をあやして、小庭に出て、紫陽花を見ながら一句捻った土曜の昼下がり。
孫いだき紫陽花光る小庭かな 松風の一句
寝かす子をあやして亭主叱られる 川柳 電子広辞苑「あやす」より
紫陽花
HANA.comより
・雪の下(ゆきのした)科。
・学名 Hydrangea macrophylla form. macrophylla
(紫陽花)
Hydrangea macrophylla form. normalis
(萼(がく)紫陽花)
Hydrangea : アジサイ属
macrophylla : 大きな葉の
normalis : 通常の,正規の
Hydrangea(ハイドランジア)は、ギリシャ語の
「hydro(水)+ angeion(容器)」が語源。
大量の水を吸収し蒸発させる性質から(諸説あり)
学名 H へ
・開花時期は、 6/ 1頃~ 7/15頃。
ちょうど梅雨時期と重なります。
紫陽花は日当たりが苦手だそうです。
・名前は「あづさい」が変化したものらしい。
「あづ」は「あつ」(集)、
「さい」は「さあい」(真藍)で、
青い花が集まって咲くさまを表した。
・本来の「紫陽花」とは、唐の詩人の白楽天
(はくらくてん)が命名した別の花のことで、
平安時代の学者、源順(みなもとのしたごう)が
今のあじさいにこの漢字をあてたため
誤用がひろまったらしい。
・中国では「八仙花」と呼ぶ。
・色がついているのは「萼(がく)」で
花はその中の小さな点のような部分。
しかしやはり萼(がく)が目立つ。
・「萼(がく)紫陽花」の”萼”は
”額”と表記することもある。
・「隅田の花火(すみだのはなび)」 へ。
(名前がおもしろい♪)
・紫、ピンク、青、白などいろいろあり。
花の色は土が酸性かアルカリ性かによっても
変わるみたいです。具体的には、酸性土壌では
青色が強く、アルカリ性土壌では赤色が強く
なる。
また、花の色は、土によるのではなく遺伝的に
決まっている、という説もある。
・江戸時代にオランダ商館の医師として
日本に滞在したシーボルトはこの花に魅せられ、
愛人の「お滝さん」の名前にちなんで学名の
一部に「オタクサ」の名前を入れたとのこと。
(でも実際にはシーボルトより前に学名が
つけられていたため、シーボルトがつけた
学名は、採用されなかったそうです)
・6月2日、7月1日の誕生花(紫陽花)
7月13日誕生花(萼紫陽花(がくあじさい))
・花言葉は「辛抱強い愛情、元気な女性」
(紫陽花)
「謙虚」(萼紫陽花(がくあじさい))
・「安治佐為(あぢさゐ)の 八重咲く如く
弥(や)つ代にを
いませ我が背子(せこ) 見つつ偲ばむ」
橘諸兄(たちばなのもろえ) 万葉集
「紫陽花や 折られて花の 定まらぬ」
藤原保吉(ふじわらやすよし)
「紫陽花や 藪(やぶ)を小庭の 別座敷」
松尾芭蕉
「紫陽花の 末一色(すえひといろ)と
なりにけり」 小林一茶
「紫陽花や はなだにかはる きのふけふ」
正岡子規(まさおかしき)
・東京周辺の見どころ
<鎌倉の明月院(めいげついん)>
別名「あじさい寺」として有名。
シーズン中は境内の通路は行列となる。
青い紫陽花が多い。
花見頃6月上旬~6月下旬。
鎌倉市山ノ内。
JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩10分。
<白山(はくさん)神社>
”歯”の神様として知られる。
6月中旬に「あじさいまつり」開催。
花見頃6月中旬~6月下旬。
文京区白山。
地下鉄三田線白山駅から徒歩3分。
<高幡不動(たかはたふどう)>
花見頃6月上旬~7月上旬。
東京都日野市高幡。
京王線高幡不動駅から徒歩3分。
<本土寺(ほんどじ)>
松戸市にある日蓮宗の本山。
花見頃6月上旬~7月上旬。
同時期に花菖蒲もいっぱい咲く。
千葉県松戸市平賀。
JR常磐線北小金駅から徒歩10分。
<飛鳥山(あすかやま)公園>
桜の名所でもある。
JR沿いの道に紫陽花がいっぱい。
花見頃6月上旬~6月下旬。
北区王子本町1丁目。
JR京浜東北線王子駅の南口から
徒歩1分。
<多摩川台公園>
田園調布の近くの緑ゆたかな丘の公園。
花見頃6月上旬~6月下旬。
大田区田園調布1丁目。
東急東横線の多摩川園駅から徒歩3分。
<箱根登山鉄道の線路沿い>
スイッチバックでズンズン登っていく
登山鉄道沿いに紫陽花がいっぱい。
花見頃6月中旬~7月上旬。
神奈川県足柄下郡箱根町。
箱根登山鉄道は
小田原駅から強羅(ごうら)駅まで。
<下田公園>
伊豆半島南端の下田。
花見頃6月上旬~6月下旬。
静岡県下田市。
伊豆急行線伊豆急下田駅から徒歩15分。
・似ている花へのリンク
紫陽花は 大手毬
萼紫陽花は 薮手毬 額空木 紅額 甘茶 糊空木
・「紫陽花」シリーズ
紫陽花 柏葉紫陽花 玉紫陽花 小紫陽花