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犬さんの多中心型リンパ腫の治療(12/18)

2018-12-18 08:24:20 | 動物病院
こんにちは
湘南・茅ヶ崎のまつうら動物病院です


体の表面にある(体表)リンパ節が腫れている犬さんがいます。

1ヵ所だけ少し腫れてるなら、もしかしたら、局所に外傷、怪我があるのかも?

しかし、今回は、下顎リンパ節、腋窩リンパ節、膝窩リンパ節などのあらゆる体表リンパ節が腫れていました。

まずは、リンパ節の細胞を調べると情報が得られるかもしれません。



大きいリンパ球の割合が非常に多く、核の異常もいくつもあり、リンパ球系の腫瘍性増殖と考えられる所見が確認されました。








レントゲン検査の結果も、胸の中、お腹の中に複数の大きな腫瘤が確認されました。

胸の中には多量の胸水も認められます。

胸部の超音波検査でも、多量の胸水と胸部の腫瘤が認められました。



腹部の超音波検査でも、大きな腫瘤が認められました。



脾臓にも大きな腫瘤が認められました。




通常の呼吸様式ではなく、苦しそうに呼吸しているので、かなり辛そうです。


胸水と腫瘤によって呼吸を阻害されているので、まずは胸水を抜去して、その胸水を検査してみると、リンパ球系の腫瘍細胞がたくさん確認できました。


また、お腹の腫瘤へ、慎重に針を刺してFNA検査をすると、同様のリンパ球系の腫瘍細胞がたくさん確認できました。




この犬さんの体表リンパ節の腫れ、胸部と腹部のリンパ球系の腫瘍の存在から、 多中心型リンパ腫 と確定診断し、早急に治療を開始することにしました。



犬の多中心型リンパ腫は、その名の通り、体の色々なところが原発巣(中心)となって複数の場所(主にリンパ節)に同時多発的に発生するリンパ腫です。

一つの腫瘍の場合、大きさ、所属リンパ節の腫れ、転移の有無によって、ステージ分類を行いますが、
多中心型リンパ腫の場合、既に全身の至る所にリンパ腫が発生しているので、全身転移があるのと同じです。
ですので、この多中心型リンパ腫の場合は、その時点でリンパ腫StageⅤです。


次回は、治療の流れを投稿する予定です。






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