台風18号「タリム」さんが日本にやって来ている中ですが、レーダーとさんざんにらめっこをし、「なんとかいけそう」と判断したので出かけました。
目指すはふたたびの蓮華温泉です。

(↓今回はちょっと長いです。)
1.準備
舗装路ライドではあるものの、標高1500m級の場所に自転車で行くのですからそれなりの準備が必要と考えました。今回準備したことについて書いておきます。
(1)天候の確認
タイミング的に台風18号(タリムさん)がちょうど訪問することになり、天気予報をうのみにせず、自分で気象庁のデータを観測、天候の動向を予測していました。(最近の天気予報は悪い側の情報が多いので、天気予報を信用するだけでは行動できません。)
前日の夕方時点で、
「明日の朝、新潟市で降雨の場合はライドなし。ドライブに切り替えるか中止にするかはそのとき決める。」
としました。
台風の接近により反時計回りの風が吹くはずですが、秋は偏西風の作用が大きいらしく、台風の北側では西風が強いです。
タリムさんが大型で強いといえども、偏西風には逆らえないということでしょうか。偏西風の作用が強い場合、前線が北上せず、新潟県内はあまり雨の影響を受けないことになるので、偏西風さんには頑張っていただきたいところです。
当日朝。幸いなことに新潟市内は降雨なし。
レーダーを確認するとタリムさんの雨雲は「の」字を描いており蓮華温泉をヒルクライムする時間帯は雲がほとんどない状況。季節がら積乱雲の発生はまずないのでこの流れる雲に注意すればよいはず。ここまで確認したうえで出発しました。(ちなみに王滝は中止になりました。)
(2)現場環境
・ルートは約20kmの峠道1本です。スタート/ゴールの標高差が1200m程度なので、平均勾配6%くらいでしょうか。
・大所集落(おおどころしゅうらく。国道から3kmくらい登ったところ)の先は通話圏外となり、救急などの通信手段が自走しかありません。
・道中での事故の場合、自走で麓まで戻ってから救急車手配となるので、少なくとも小一時間かかります。(二次被害の可能性もあり)
・道中、水と食料の補給はできません。
・気温はあまり暑くならないと思いますが、フェーン現象の暑さ、寒気や雲による低温などは想定する必要があります。可能性としては、だいたい8度~30度くらいでしょうか。
(3)行動指針
・交通事故を予防する。(ライトで注意喚起、道路の真ん中を走らない、登りが辛くても蛇行しない。お互い声掛け。)
・転ばない、落ちない。(路面が濡れているし苔むすところもあり滑ります。風が強いと滑落の危険もあり。)
・頑張らない。(心肺機能不全は命取りになりますから無理して追い込まない。)
(4)持ち物
基本的には白馬OMMと同じくらいの装備です。大会参加の経験がこういったところで役に立ちます。
1)雨具、エマージェンシーブランケット
2)救急用品(ばんそうこう類、包帯、ポイズンリムーバー、水500ml、処置用手袋)
3)特定小電力無線機(2台。グループ内で離れる場合があるので。こういうときは一人1台あると最前ですけど。)
4)1食分以上の食品(通常は食べないつもりの分)
5)着替えと履き物(何かあったらのためではなく、露天風呂に入るので)
これを大型サドルバッグに入れました。
このほか通常の持ち物としては以下のとおりです。
1)パンク修理用具(予備チューブ、空気入れ)
2)ドリンク(暑くないのでボトルに1本)
3)ライト、テールランプ(日中でも注意喚起に使います。自発光のもの)
なお、アマチュア無線機はバッテリ不備により使えませんでした。(またか...。出発前に充電済み(のはず)の充電電池を入れたのですが、通電確認まではしていなかったのです。今後は注意します。)
荷物が多いとパッキングにも工夫が必要です。体の疲れを考えると、ボトルケージやサドルバッグ、ハンドルバッグなどを使い、自転車に搭載するのが最善です。途中で荷崩れしたり据え付けが悪いなどの場合のために、紐を何本か用意しておくと便利です。
以上のように、インフラに頼れない場所に入ろうというのなら、それなりに準備が必要と考えます。(OMM経験者なのにこういった準備が必要だということを今回参加のツレに連絡しておかなかったしゅうちゃんにはあとでお仕置きします。)
(5)参加者
前回参加メンバーのほか、今回はF女史を誘いました。あとしゅうちゃんのツレのイケメン青年Nくん。F女史は佐渡210km完走者(!)ですから、簡単には音を上げないでしょう。というのがお誘いした理由です。
一緒に連れて行けるかどうかの判断は、その人が「あきらめない」かどうかです。「苦しいからここでやめる」とか、「ここに残る」とか、「先にいって」と言われても、先へは進めません。レースするわけではありませんから、ともかくゴールまでいくガッツさえあれば十分です。
頑張らなくていいけど、あきらめない。これが大事です。
それでも、今回はF女史の負担を少しでも軽くしようと、ホイールを交換することにしました。私のWH-6800ホイールセットですが、まあF女史が使っている"鉄下駄"R-500よりはいいでしょう。タイヤはIRCのロードライトチューブレス25Cです。
(6)で、当日
相乗りしてフリード+にロード1台とMTB2台を積んで高速道に乗り、糸魚川ICから国道148号へ。コンビニで食料などを調達しました。風は少しあるもののひどい天候ではありませんね。山は山だからまた別ですけど。

平岩駅に到着してみると、雨は降っておらず曇り。ありがたいです。
バイクを組み立て、荷物を積んで準備完了。登り始めます。スタートは10:30くらいになりました。
私はF女史に伴走してのライドとしました。男3人はマイペースで先行します。無線機が届く範囲でお願いと言っておきました。
私は今回SSでチャレンジしてみようかと考えましたが、もしものことがあるとペースアップできなくて困ったりするでしょうから普通に10段変速です。
途中から立ち漕ぎのままF女史についていくことにしました。ゆっくりなのでおしゃべりしながら登ります。大した内容の話はしていなかったと思いますが、そういう会話をすることで登りの辛さも紛れますし、知らぬ間に時間も過ぎてくれます。
私としては前回の猛暑で苦しんだあの坂このカーブが思い出されてむしろ辛かったですorz。
ときおりTaumiさんが特定小電力無線機で「大丈夫か〜」と訊いてくれるので返します。こんな通信だけでも心強いです。けど途中から届かなくなりました。やはり森の中ではあまり飛びませんね。やはりこんなときこそアマチュア無線機ですね。
白池の湖畔にあるトイレで休憩します。ここにはバスも停まります。
白池の読み方ですが、「しろいけ」説と「しらいけ」説がありますが、ここは「しらいけ」となっていました。

バスは1日2往復ですね。走っているときにバスに追いかけられると大変なのです。

コンデイションですが、さすがに雨を完全回避とまではいきませんでした。だんだんと標高も上がるなか、雨雲がやってきたり、その後雲の高さまで届いてしまったりなので、降ったりやんだりです。大降りとか強風がないのが幸いでした。

白池まではわりと急な坂が続きますが、その後は比較的勾配は緩いです。私はスイッチを切り替えてマイペースで走らせてもらいました。F女史はTaumiさんが伴走してくれました。
途中から雨具を着てのライドになり、F女史は長い登りが続いているためか疲れが出てきたようです。ペースが落ちてきました。あと少しですよー、とたらかしながらのライドが続きます。

ようやく無事ゴールに到着しました。13:10くらいです。

ここからがメインイベントです。登山道の入り口の冷水にドリンクを浸けてから、登山道を15分ばかり登り、露天風呂へ。
(なお入浴代500円/人をお忘れなく。)

一番高いところの「黄金の湯」はF女史に堪能していただきました。お風呂は冷えた体にはちょうどよかったです。
お風呂から帰ってきて乾杯。キンキンに冷えています。重くてもこれは運んでくるしかない。(F女史が見切れているのはあえてですよ。)

今日の相棒。HONZOです。楽しく走れました。

下山しておそばを頂きたかったのですが、15時を過ぎてしまい閉店していました。結局道の駅など経由しながら海へ向かい、とんかつ銭形で遅い昼食としました。
夕方のタリムさんはこんな感じでした。(翌朝には北海道沖まで抜けていました。)

ちょっと時間割が押してしまった感はありますが、なんとか無事イベントは成功だったと思います。先日のサイクリングの失敗などもあり、今後は準備をしっかりして行動することを心がけたいと思います。
来年もやりますので興味のある方はぜひご一緒しましょう。
目指すはふたたびの蓮華温泉です。

(↓今回はちょっと長いです。)
1.準備
舗装路ライドではあるものの、標高1500m級の場所に自転車で行くのですからそれなりの準備が必要と考えました。今回準備したことについて書いておきます。
(1)天候の確認
タイミング的に台風18号(タリムさん)がちょうど訪問することになり、天気予報をうのみにせず、自分で気象庁のデータを観測、天候の動向を予測していました。(最近の天気予報は悪い側の情報が多いので、天気予報を信用するだけでは行動できません。)
前日の夕方時点で、
「明日の朝、新潟市で降雨の場合はライドなし。ドライブに切り替えるか中止にするかはそのとき決める。」
としました。
台風の接近により反時計回りの風が吹くはずですが、秋は偏西風の作用が大きいらしく、台風の北側では西風が強いです。
タリムさんが大型で強いといえども、偏西風には逆らえないということでしょうか。偏西風の作用が強い場合、前線が北上せず、新潟県内はあまり雨の影響を受けないことになるので、偏西風さんには頑張っていただきたいところです。
当日朝。幸いなことに新潟市内は降雨なし。
レーダーを確認するとタリムさんの雨雲は「の」字を描いており蓮華温泉をヒルクライムする時間帯は雲がほとんどない状況。季節がら積乱雲の発生はまずないのでこの流れる雲に注意すればよいはず。ここまで確認したうえで出発しました。(ちなみに王滝は中止になりました。)
(2)現場環境
・ルートは約20kmの峠道1本です。スタート/ゴールの標高差が1200m程度なので、平均勾配6%くらいでしょうか。
・大所集落(おおどころしゅうらく。国道から3kmくらい登ったところ)の先は通話圏外となり、救急などの通信手段が自走しかありません。
・道中での事故の場合、自走で麓まで戻ってから救急車手配となるので、少なくとも小一時間かかります。(二次被害の可能性もあり)
・道中、水と食料の補給はできません。
・気温はあまり暑くならないと思いますが、フェーン現象の暑さ、寒気や雲による低温などは想定する必要があります。可能性としては、だいたい8度~30度くらいでしょうか。
(3)行動指針
・交通事故を予防する。(ライトで注意喚起、道路の真ん中を走らない、登りが辛くても蛇行しない。お互い声掛け。)
・転ばない、落ちない。(路面が濡れているし苔むすところもあり滑ります。風が強いと滑落の危険もあり。)
・頑張らない。(心肺機能不全は命取りになりますから無理して追い込まない。)
(4)持ち物
基本的には白馬OMMと同じくらいの装備です。大会参加の経験がこういったところで役に立ちます。
1)雨具、エマージェンシーブランケット
2)救急用品(ばんそうこう類、包帯、ポイズンリムーバー、水500ml、処置用手袋)
3)特定小電力無線機(2台。グループ内で離れる場合があるので。こういうときは一人1台あると最前ですけど。)
4)1食分以上の食品(通常は食べないつもりの分)
5)着替えと履き物(何かあったらのためではなく、露天風呂に入るので)
これを大型サドルバッグに入れました。
このほか通常の持ち物としては以下のとおりです。
1)パンク修理用具(予備チューブ、空気入れ)
2)ドリンク(暑くないのでボトルに1本)
3)ライト、テールランプ(日中でも注意喚起に使います。自発光のもの)
なお、アマチュア無線機はバッテリ不備により使えませんでした。(またか...。出発前に充電済み(のはず)の充電電池を入れたのですが、通電確認まではしていなかったのです。今後は注意します。)
荷物が多いとパッキングにも工夫が必要です。体の疲れを考えると、ボトルケージやサドルバッグ、ハンドルバッグなどを使い、自転車に搭載するのが最善です。途中で荷崩れしたり据え付けが悪いなどの場合のために、紐を何本か用意しておくと便利です。
以上のように、インフラに頼れない場所に入ろうというのなら、それなりに準備が必要と考えます。(OMM経験者なのにこういった準備が必要だということを今回参加のツレに連絡しておかなかったしゅうちゃんにはあとでお仕置きします。)
(5)参加者
前回参加メンバーのほか、今回はF女史を誘いました。あとしゅうちゃんのツレのイケメン青年Nくん。F女史は佐渡210km完走者(!)ですから、簡単には音を上げないでしょう。というのがお誘いした理由です。
一緒に連れて行けるかどうかの判断は、その人が「あきらめない」かどうかです。「苦しいからここでやめる」とか、「ここに残る」とか、「先にいって」と言われても、先へは進めません。レースするわけではありませんから、ともかくゴールまでいくガッツさえあれば十分です。
頑張らなくていいけど、あきらめない。これが大事です。
それでも、今回はF女史の負担を少しでも軽くしようと、ホイールを交換することにしました。私のWH-6800ホイールセットですが、まあF女史が使っている"鉄下駄"R-500よりはいいでしょう。タイヤはIRCのロードライトチューブレス25Cです。
(6)で、当日
相乗りしてフリード+にロード1台とMTB2台を積んで高速道に乗り、糸魚川ICから国道148号へ。コンビニで食料などを調達しました。風は少しあるもののひどい天候ではありませんね。山は山だからまた別ですけど。

平岩駅に到着してみると、雨は降っておらず曇り。ありがたいです。
バイクを組み立て、荷物を積んで準備完了。登り始めます。スタートは10:30くらいになりました。
私はF女史に伴走してのライドとしました。男3人はマイペースで先行します。無線機が届く範囲でお願いと言っておきました。
私は今回SSでチャレンジしてみようかと考えましたが、もしものことがあるとペースアップできなくて困ったりするでしょうから普通に10段変速です。
途中から立ち漕ぎのままF女史についていくことにしました。ゆっくりなのでおしゃべりしながら登ります。大した内容の話はしていなかったと思いますが、そういう会話をすることで登りの辛さも紛れますし、知らぬ間に時間も過ぎてくれます。
私としては前回の猛暑で苦しんだあの坂このカーブが思い出されてむしろ辛かったですorz。
ときおりTaumiさんが特定小電力無線機で「大丈夫か〜」と訊いてくれるので返します。こんな通信だけでも心強いです。けど途中から届かなくなりました。やはり森の中ではあまり飛びませんね。やはりこんなときこそアマチュア無線機ですね。
白池の湖畔にあるトイレで休憩します。ここにはバスも停まります。
白池の読み方ですが、「しろいけ」説と「しらいけ」説がありますが、ここは「しらいけ」となっていました。

バスは1日2往復ですね。走っているときにバスに追いかけられると大変なのです。

コンデイションですが、さすがに雨を完全回避とまではいきませんでした。だんだんと標高も上がるなか、雨雲がやってきたり、その後雲の高さまで届いてしまったりなので、降ったりやんだりです。大降りとか強風がないのが幸いでした。

白池まではわりと急な坂が続きますが、その後は比較的勾配は緩いです。私はスイッチを切り替えてマイペースで走らせてもらいました。F女史はTaumiさんが伴走してくれました。
途中から雨具を着てのライドになり、F女史は長い登りが続いているためか疲れが出てきたようです。ペースが落ちてきました。あと少しですよー、とたらかしながらのライドが続きます。

ようやく無事ゴールに到着しました。13:10くらいです。

ここからがメインイベントです。登山道の入り口の冷水にドリンクを浸けてから、登山道を15分ばかり登り、露天風呂へ。
(なお入浴代500円/人をお忘れなく。)

一番高いところの「黄金の湯」はF女史に堪能していただきました。お風呂は冷えた体にはちょうどよかったです。
お風呂から帰ってきて乾杯。キンキンに冷えています。重くてもこれは運んでくるしかない。(F女史が見切れているのはあえてですよ。)

今日の相棒。HONZOです。楽しく走れました。

下山しておそばを頂きたかったのですが、15時を過ぎてしまい閉店していました。結局道の駅など経由しながら海へ向かい、とんかつ銭形で遅い昼食としました。
夕方のタリムさんはこんな感じでした。(翌朝には北海道沖まで抜けていました。)

ちょっと時間割が押してしまった感はありますが、なんとか無事イベントは成功だったと思います。先日のサイクリングの失敗などもあり、今後は準備をしっかりして行動することを心がけたいと思います。
来年もやりますので興味のある方はぜひご一緒しましょう。