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2012年東北大入試理系数学第3問その2

2012-07-12 16:18:50 | 大学入試問題
どもども。


今回は前回の続きで,今年の東北大入試理系数学第3問をやっていきます

問題はこちら


前回:http://blog.goo.ne.jp/mathnegi/e/c13fe45fc9902b87c3a81f77616d743f

(2)からやっていきますよ~
1~3の数字が書かれた3枚のカードが袋A,Bにそれぞれ入っていて
この2つの袋から1枚ずつカードを取り出すわけですね
そんで,取り出したのが同じ数字のカードだったらそれを除いて,違う数字だったらまた袋に戻す,と。

n回目の操作で初めて同じ数字のカードを引く確率がp_nです。
n回目の操作で全てのカードを引き出し終える確率がq_nです。
これらを求めなさい,という問題です


まずはp_nについて考えていきましょう~

n回目で初めて同じ数字のカードを引く,ということは
n-1回目までの操作ではずーーっと異なる数字のカードを引いていた,ということになります

1回の操作で2つの袋から異なる数字のカードを引き出す確率は,
Aの袋から引いた数字に対してBが残り2つの数字のカードのどちらかを引く
事象を考えて2/3になります
あるいはA,Bから引いた数字a,bの組が(a,b)が全部で3×3=9通り,
そのうち(1,2),(1,3),(2,1),(2,3),(3,1),(3,2)の6通りがあるので2/3としてもOK

同様に1回の操作で(初めて)同じ数字のカードを引き当てる確率は1/3です。

確率2/3で違う数字のカードを引く操作をn-1回繰り返した後,n回目で確率1/3で同じ数字のカードを引くことを考えてp_nを求めます。



今度は順列を使ってp_nを求めてみます。

k回目の操作でA,Bから引いたカードの数字をa_k,b_kとおいて
(a_1,a_2,…,a_n,b_1,b_2,…,b_n)の組を考えます
その総数は3^k×3^k通りです。

そのうちa_k≠b_k (1≦k≦n-1)を満たすものは,(a_k,b_k)をセットで考えて
各kにつき6通りあり,また(a_n,b_n)は3通りなので,
全部で6^(n-1)×3通りあります




次は,確率漸化式を使ってみます
1回目の操作で同じ数字を引くか引かないかで状況を分けたとき,
もし同じ数字のカードを引いたなら,そこで終了
もし違う数字のカードを引いたなら,2回目の操作を基点としてn回目に初めて同じ数字のカードを引く確率はp_{n-1}です。
これによって漸化式が立てられます




次はq_nについて考えます
p_nと同じ解法順に解いてみます。まずは純粋に確率計算。

そもそもとして,1回目,2回目の操作を終えた時点では全てのカードを引き終えることはできません




n≧3の場合について考えましょう。
k回目の操作で初めて同じカードを引くと仮定しましょう。すると,k回目までの確率はp_kで与えられますね

その後,k+1回目からn-2回目までは残り2枚ずつ入った袋からそれぞれ別の数字のカードを引き続けます。
n-1回目で2度目の数字一致が起きて,そうすると自動的にn回目で最後の数字一致が起き,終了です

これによって「k回目の操作で初めて同じカードを引く」かつ「n回の操作で終了」の確率が求められます。



kが1からn-2の場合まで全て考えて確率を足し合わせれば答えが得られます





次は場合の数を求めるパターンです
さっきと同様に(a_1,a_2,…,a_n,b_1,b_2,…,b_n)の組を考えますが,
その総数は安易に3^k×3^k通りとしてはいけません

k回目の操作で初めて同じ数字のカードを引くとすると,k+1回目以降はn-1回目まで,
A,Bから出すカードは各2通りになります。

そこで,「k回目の操作で初めて同じ数字のカードを引く」かつ「n回の操作で終了」の確率を求める方針でいきます








最後は漸化式を使ってみましょう
発想はp_nのときと同じ。1回目の操作で同じ数字のカードを引くか引かないかで分別します。