七夕妄想

　夜空を見上げて思う　
「宇宙はどのようにしてできたのか？」

　しかし物理や天文学を専門に極めたわけでもない自分では，雑誌やテレビで垣間見た情報を頭の中で想像しながら妄想するのが精一杯だ。
　ビッグバン，クォーク，インフレーション，真空のエネルギー…
　何もない真空の状態にある空間，そのある一点が真空のエネルギーにより急速に膨張（インフレーション）を起しビッグバンに繋がる…？

　以前はこう妄想していた。妄想１
　宇宙は膨張しながらその一部はブラックホールに取り込まれていく。ブラックホールは空間の別のところに繋がっており，そこから新たな子宇宙が噴出しながら広がっていく。その中にも新しいブラックホールがありそこへ取り込まれた子宇宙がまた別のところに噴出して新たな孫宇宙が生まれる。これを繰り返しながら沢山の小さな宇宙が繋がって宇宙全体を形成しているのだ，そして小さな宇宙が噴出してくる一瞬がビッグバンなのだと…
　しかし，最初の宇宙，そして銀河の中心にあるとされているブラックホールはどうやって誕生したのだろう？

　少し前にこう妄想した。妄想２
　宇宙は小宇宙の集合体であり膨張しながら果てしなく広がっている。
　ブラックホールは近くにあるものをどんどんと取り込んでいき質量を増すと同時に体積は小さくなっていく。一方でブラックホールを取り巻く空間はどんどんと希薄になっていく。
　ブラックホールを取り巻く空間の真空のエネルギーによりブラックホールが自身を保てなくなったときにインフレーションが起こりそこに新たな小宇宙が誕生するのではないか。
　つまり宇宙は膨張し希薄になりながらその中で新たな宇宙を誕生させ，それを繰り返しているのではないかと…。
　それにしても最初の宇宙，そして銀河の中心にあるとされているブラックホールはどうやって誕生したのだろう？

　最近はこう妄想している。妄想３
　膨張が起こるにはそこに「何かの元」が必要である。
　何もないところに偶然に「何かの元」が生まれるということは，これと打ち消しあう「相反する何かの元」が同時に発生しているはずである。そして周りが真空であるがゆえ「何かの元」と「相反する何かの元」は蒸発しより小さな「何か」と「相反する何か」となって空間に何かがある状態が出来上がった。

　一点が急速に急膨張したのならそこで生まれた「何か」と「相反する何か」は何もない空間を放射状にまっすぐに動いていくので，膨張する空間の中で「何か」と「相反する何か」は出会うことなく球状に永遠に広がっていく。つまり膨張する空間の表面に「何か」と「相反する何か」がある空間ができただけで，宇宙誕生の妄想には行き着かない。
　宇宙が存在するには「何か」同士の衝突が必要であり，そのためには膨張する空間の揺らぎが必要となる。
　空間の揺らぎとはどんなものだったのか？全く想像できない。全く想像できないので妄想はここで停止する。

　でもそれでは面白くないので，この揺らぎをなかったことにして，ではどうなれば宇宙が存在しうるのか？について妄想を重ねる。妄想３．１
　同一点からわずかな時差による数回のインフレーションが起こったと仮定する。そして膨張速度が最初のインフレーションよりも後のインフレーションの方がが速いと仮定する。
　後のインフレーションで生まれた「二つ目の何か」と「相反する二つ目の何か」が，先に発生した「何か」と「相反する何か」に追いつき追い越す瞬間がくる。その瞬間，その一部は衝突，一部は進む方向と速度が変えられ，新たな衝突を生む。ビッグバンとクォークの誕生である。宇宙は膨張する球状空間の表面にわずかな厚みをもって誕生し，膨らむにつ入れて次第にチューリングパターンを形成する。揺らぎが無くとも宇宙は誕生しうることとなる。

　妄想３．２
　離れた位置で複数のインフレーションが起こったと仮定する。
　膨張する空間とそれ以前の空間の境界は球状に膨らんでいき，この境界にインフレーションで生まれた「何か」と「相反する何か」が分布する。
　複数箇所で生まれた球状の境界は何時か出会うこととなり，それぞれで生まれた「何か」および「相反する何か」の一部が衝突，一部は進む方向と速度が変えられ，新たな衝突を生む。ビッグバンとクォークの誕生である。宇宙は広がり続ける円形の平面とわずかな厚みを持った空間として誕生する。誕生する平面宇宙の数は起こったインフレーションの数が二つなら一つ，それ以上であれば起こったインフレーションの数だけ誕生し，その平面宇宙どうしの出会いにより宇宙は次第に立体的な網目構造を持つようになる。

　それにしても何も無い空間から「何か」と「相反する何か」が生まれた第一原因は何なのか？
　ここで脳内は妄想１～３．２をごちゃ混ぜにし無限ループに陥っあたげくハングアップした。