呑気に自分の趣味に走る。

個人的趣味に走りまくった日々や、適当に過ごした日々をしがなく綴っています^^

お仕事ちょーだい!! 2

2009-05-06 23:06:57 | 漫画ノベル化
こんにちは……えっと、おはようございます。私は、柚呑和琶です。只今、必死に走っています。早くしないと学校に遅刻してしまうんですっ!私は妹の乙羽と、二人の弟の賢斗と火已と私の4人で……仕事屋やってます。どうゆう仕事かと言いますと、一言でいうと『何でも屋(万屋)』なのです。私たちの他にも沢山の仕事屋が存在しています。その中で、私たちの手伝いをしてくれる三人がいるの。
その3人とは―――。
笑顔の似合う可愛い顔の茶髪の男の子、橘丐坐(17)。綺麗な淡い紫の髪の女の子、梳王海空(17)。緩やかな金髪のウェービィーの怒ると恐い女の人、桜糀水満(20)。この3人。
丐坐と海空は、私と同じ『緑葉高校』2年生。2人はどこに行ってもモテまくりです。毎朝毎朝、学校には二人のファンクラブの人たちが待ち伏せしていて、二人をみて叫んでます。丐坐の場合は、「橘様」「橘先輩」「丐坐様」などです。海空の場合は、「海空ちゃん」「梳王様」「海空(主に行き過ぎた変態さん)」などです。
丐坐は口に出して嫌がるけど、海空は朝眠たいのもあって『完全無視』です。
今、学校に到着しました。頑張ったー……。あっ、海空、「ねむ……」とか呟いてる。毎日、こんな感じです。
私は、ファンの人たちがとっても、とーっても憎らしいのです……。丐坐の所為でもないのに、丐坐のおばかぁ~なんて思っちゃうくらい。だって私、丐坐のことが――好きなんです。
「和琶?どうかしたか?」
丐坐だっ。
私は、はっとして「あ」ともらしてから返事をした。
「な、な、何でもないよっ。何?」
考え事をしていた最中に急に声をかけられてつい焦ってしまって、無意識に手をブンブン振り回していた。
「…………」
丐坐は、軽くむっとした顔をした。少しドキッとする。
「お前ってさァ」
そうに始めて、私に射す矢を弓につがえる。
「モテんのに全然気づいてねェよな」
弓の弦を引く。
「ちょう鈍感だよな」
弦を弾いた。
ぐさっと何かが刺さるのを感じました……。あぅ……。
「本当に……人の気持ちにも気づかないで、サ」
丐坐が何か言ったようだけど、私の耳まで届かなかった。だけど、まったく…という呆れた感じの言葉が聞こえて、少し怖くなってしまった。
「え。何か言った?」
丐坐を振り返って、なるべく平気そうに見えるように言ってみた。
丐坐は少し口を尖らせて言う。
「別にっ。なんでもないっ」
私、バカだなぁ……。
鈍感て、なんかダメな気がする……。
そんな風に暗くなっていたら、突然。
ポン
肩に、手。
「ひ」
なにーー!?
すぐに笑い声が聞こえた。
「あははっ。私だよ私、乙羽だよん♪」
そう、私和琶を陥れた人物は実の妹乙羽だったのだ。「お、乙羽ぁ~びっくりするじゃないの~」
目の淵に雫を溜めて、私は訴えた。
「そ・れ・よ・り」
それよりじゃないでしょ、それよりじゃ……と、それは置いといて。
「お仕事の打ち合わせ☆」目をキラキラと輝かせて私の妹・乙羽さんは言い、それに続けながら直ぐさま駆け出した。
「放課後ウチ集合!!伝達よろしくね
「え……」
また!?
私はうろたえ気味に思った。いつものことと言えばそれまでだが、手伝ってくれる人が目の前にいる状態で言い逃げしないでほしい……というのも。自分から「ウチ来てね」なんていくら仕事だなんて思ってても恥ずかしくて言えないからだ。だけど、本人の目の前で言われてしまえば言うしかないだろう。私は久々にいらした災難に固まってしまった。
すると、横から声が聞こえた。
「おー。今日仕事かー。じゃ、和琶ンち寄らしてもらうぞ」
加えて、恐ろしー妹だなとか言って普通に発言した丐坐に対し、私はと言うと。
「えぇえ!?」
後退しながら叫ぶ私……我ながらかなり失礼だ。丐坐は呆れたような落ち込んだような顔で突っ込んだ。
「うぉい……落ち込むぞ……」
それから直ぐにぶすくれた顔になって続けた。
「なんだよ、ダメなのか?」
丐坐のいじけた顔はやけに私を慌てさせるようで、私はしどろもどろに「あぅ……そうじゃなくて……そのっ……」と弁解をしようとした。
と、突然。
「ぷっ」
「ぷっ?」
涙ぐみながら繰り返すと、横で丐坐が笑っていた。
「あははっ。和琶って相変わらず面白ぇな」
とびきりの笑顔で言われてしまい、少々不遜じゃないかと思いはしたが不覚にも、「カワイイ」などと思ってしまった。
ふと、丐坐が私の頭をぽんぽんと撫でた。
「さっきのは気にしなくていいぞ?」
「う……うん」
わかったから、その手を離して――!!
……マジで勘弁して下さい。
丐坐は上着を脱ぎながら続けた。
「それに」
「?」
「俺、楽しいし」
にやりと笑って丐坐は言って、動転している私を見てからくすっと笑った。
「さっ、和琶ンちへ、レッツラゴー!」
人を惑わせておいて簡単に話を変えてしったから、その意味については問えないまま私は頷いた。
でも、心の中ではほんの少しの期待に胸を踊らせていた。


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