男と女

男女間のすれ違い、違い、特徴についての科学的考察

染色体と遺伝子について(辞書)

2022-07-19 13:41:03 | 男と女

(男と女)

[染色体と遺伝子について]

[染色体]:
細胞(人の体には約37兆個ある)の核の中にあり、DNAが太く折り畳まれたもので、23組(46本)に分かれている。
染色体は、遺伝情報がつまったDNAが太く折り畳まれたもので、親から子に受け継がれる多くの遺伝情報が納められている。
22対(44本)は常染色体、1対(2本)は性染色体と呼ばれている。
性染色体は性別に関わる23番の染色体で、X染色体とY染色体があり、通常XXだと女性、XYだと男性になる。
(父親からY染色体を受け継げば男の子に、X染色体を受け継げば女の子が生まれる)

[DNA]:
デオキシリボ核酸の略称で、生物生存のための遺伝子情報を乗せた物質。(細胞をつくり出す情報をもつ。)
DNAはヌクレオチドが重合した高分子によって構成される。
DNAには(A)(G)(C)(T)の4種類の塩基があり、これらが遺伝を伝えている。
(アデニン・グアニン・シトシン・チミン)
DNAは2重螺旋構造をしており、これは効率的に細胞分裂するためで、安定した状態で正確にDNAを複製することができるようになっている。
受精卵は、最初はひとつの細胞だが、胎児が育っていく間に細胞はどんどん分裂し、様々な臓器を構成する何百種類もの細胞に変化しながら体を作っていく。
新たな細胞に対してDNAはその情報を伝えるために、2重の螺旋が1本ずつに分かれ、別々の細胞を形成していく。

[RNA]:
リボ核酸の略称で、生物の細胞にとって重要な材料であるたんぱく質をつくり出す働きを持つ。(DNAの情報をもとに細胞の材料となるたんぱく質を合成する。)
RNAは、DNAと同じくヌクレオチドが重合した高分子によって構成されるが、ヌクレオチドを構成する糖の構造が DNAとは少し異なる。。
RNAには(A)(G)(C)(U)の4種類の塩基があり、ウラシルは DNA のチミンに対応する。
(アデニン・グアニン・シトシン・ウラシル)
RNAには、次のような種類がある。
メッセンジャーRNA(mRNA):DNA から転写されタンパク質合成の鋳型とる。
トランスファー RNA(tRNA):mRNAを鋳型にしてタンパク質をつくるためのアミノ酸を運ぶ。
リボソーム RNA(rRNA):mRNAからタンパク質を翻訳するときに必要なリボソームの一部を構成する。
この他、タンパク質をコードしないRNA(ノンコーディングRNA(ncRNA))などがある。

[塩基配列]:
ヌクレオチドの並び方を示したものを塩基配列と呼ぶ。
DNAは二重らせん構造をしているが、向かい合うDNA鎖は、必ずGに対してはCが、Aに対してはTが水素結合で結合することから、一方のDNA鎖の塩基配列が決まれば、向かい合う相補的なDNA鎖の配列も自ずと決まることになる。
塩基のこのペアはが崩れることはなく(相補性)しっかりとくっついていることで、きれいな2重らせんが保たれている。
また、このようなことからDNAでは一方の塩基配列だけを示す場合が多い。

[核酸]:

(基本情報)
細胞核の中に存在し、遺伝情報を持つ「DNA」と、その遺伝情報を基にたんぱく質を作る「RNA」によって構成される。

人間の体には約60兆個もの細胞が存在しており、数カ月でほとんどすべての細胞が生まれ変わるといわれてるが、「核酸」は「タンパク質」と並び、これら細胞の材料であり、細胞を構成する主要成分でもある。

食物から接種したタンパク質はすぐに体の血や肉となるのではなく、体に吸収する働きを持つ酵素によって消化・代謝され、アミノ酸に分解されるが、分解されたアミノ酸は、皮膚や爪、髪など様々な場所に必要に応じてタンパク質に組み立て直される。
核酸は、この分解されたアミノ酸をタンパク質に組み立てる作業を行う役割を担っている。

(核酸の働き)
核酸はDNAとRNAの2つに大別され、その働きはそれぞれ異なる。

DNA:細胞ひとつひとつに存在する細胞核といわれる細胞の遺伝子情報の保存と伝達を行う部分に存在し、タンパク質を作り出すためのアミノ酸の組み合わせ情報をもっている。
RNA:主に細胞質の中に存在し、DNAの情報に基づいてアミノ酸からタンパク質をつくり出している。

つまり、DNAは遺伝子情報をもつ設計士であり、RNAはその情報に従って必要なタンパク質をつくり出す大工の役割といえる。

​(核酸の単位)
核酸のいちばん小さな単位をヌクレオチドという。ヌクレオチドがたくさんつながったもが核酸となる。
ヌクレオチドは5角形の糖(5単糖)と塩基、リン酸という構造からできている。
(核酸は分子量のとても大きいポリマーで、その分子量は1万程度から数百億。この大きな核酸という分子をずーっと小さく分解していくと、いちばん最後に5単糖と塩基、リン酸になる。)

(核酸塩基)
核酸をつくっている成分「塩基」とは炭素、水素、窒素、酸素からなっている環状構造になったもののことをいう。
核酸をつくる塩基には、プリン塩基(A・G)とピリミジン塩基(C・T・U)の2つがある。

(塩基の並び)
塩基が3つずつ組みになって1つのアミノ酸の印になっている。(アミノ酸をコードするという)
この塩基の並びが、私達の体を作っているアミノ酸やタンパク質をどう作るのか、指令していることになる。

例えば、 AとUとG(AUG)でタンパク質をつくる最初の合図になるメチオニンをつくる元になる。
UGGが並ぶとセロトニンの素・トリプトファンをつくる元になる。

(塩基の材料)
核酸の塩基はいろんな材料からできているが、例えばアデニンを例に見ると、アデニンはグリシン、アスパラギン酸、葉酸、グルタミンからできている。つまり、これらの材料をきちんと食べないとDNAの成分・塩基ができないことになり、細胞分裂の材料が足りないことになってしまう。

*この核酸が不足すると、細胞の生まれ変わりである新陳代謝がうまく行われず、老化が促進されたり疲れやすくなってしまったりすることがあり、​そのため核酸は、新しい細胞を作り、健康な体を保つためには極めて重要な成分だといえる。

*上記核酸についての説明はネット上から拾ったものをいくつか組み合わせたものだが(「わかさの秘密 株式会社わかさ生活」「オーソモレキュラー栄養医学研究所」など)、以下参考までに追加でそこからの説明をそのまま記しておく。

核酸は肝臓でつくられる:
人は自分に必要な核酸を自分の体内でつくることができます。核酸を1からつくる(ドゥノボ合成)には手間と時間がたくさんかかります。そこで、肝臓以外の細胞では、出来上がりの材料を使って核酸を合成しています(サルベージ合成)。

ドゥノボ合成:
アミノ酸やビタミンから新しく核酸をつくる道。肝臓で行われます。
サルベージ合成
核酸の分解物を使って合成する道。骨髄や腸粘膜など細胞分裂が激しいところでは優先的に行われます。

核酸の代謝:
いらなくなった核酸のプリン塩基は、最終的に水に溶ける尿酸になって排泄されます。ピリミジン塩基は捨てられずにアミノ酸のアラニンなどに変えられて再利用されていきます。

尿酸とは:
核酸がからだの中で変化してできるいちばん最後の物質、尿酸。尿酸と聞いて思い出されるのは「痛風」です。捨てられるべき尿酸がからだの中に増えすぎると風が当たっても痛い「痛風」になってしまいます。なので尿酸は悪い感じのイメージがありますが、実はからだのサビ取り(抗酸化)に働いてくれている大事な物質です。

赤血球と核酸:
毎日酸素を運んでくれている赤血球。この赤血球は、肝臓で合成された核酸も全身に運んでくれる役割を果たしています。
人の体は毎日生まれ変わる細胞のために全身で核酸を必要としていますが、この核酸を全身に運んでくれるのが赤血球です。

健やかなDNAつくりに亜鉛が大切:
親の細胞のすべての遺伝子が、必ず次の新しい細胞に正確に伝えられていきます。これがDNAの複製です。
わたしたちのからだの中では、毎日ものすごい速さで細胞が分裂しています。DNAの複製では、常に同じ塩基配列がコピーされていきます。数にすると、毎秒50個ずつのヌクレオチドが重合されていくそうです。
そしてそのDNAが2つに分かれていくときに大事なのが「ジンクフィンガー」と呼ばれるタンパク質です。これがDNAが2つに分かれるときに大活躍しています。ジンク=亜鉛を示す通り、亜鉛不足ではDNAの複製がうまくいかないということが起きてしまいます。
(以上「オーソモレキュラー栄養医学研究所」のサイトより)


[遺伝子]:
DNA上の「1つのタンパク質の設計図」に相当する部分を「遺伝子」とよんでいる。
人のDNAには、約2万種類の遺伝子が並んでいることになり、そのなかには臓器や血液など「からだ」を造っているタンパク質の遺伝子をはじめ、疾病や老化に係わる遺伝子、免疫や記憶に係わる遺伝子、さらにはDNAに書かれた符号を解読する装置の遺伝子などが含まれている。
但し、DNAの中で実際に遺伝の機能を持っているものは、わずか3~5%で、全てのDNAが遺伝子を持っているわけではなく、その他の部分がどのような機能を持つのかについては、まだはっきり分かっていない。

人の1対の染色体には約25,000個の遺伝子が含まれているといわれている。
親から子どもへ髪、眼の色などの容姿や病気のなりやすさ、体質などが受け継がれることを遺伝と言い、DNAが複製され、卵子や精子を介して受け継がれていくことになる。

[遺伝情報]:
生物が自己と同じ物を複製するために、細胞から細胞へ、親から子へ伝えている情報で、DNAの塩基配列に符号化されている。
生物はそれぞれ、数千種類から数万種類のタンパク質で作られている。人では約2万種類といわれていますが、正確な数は分かっていない。
遺伝情報の中身は、主として、これらタンパク質をつくるための情報(タンパク質の設計図)と、どのタンパク質を、いつ、どこで、どれだけ作るかという発現制御の情報から成り立っている。
生物は、タンパク質の他に、炭水化物、脂肪など、たくさんの物質からできていますが、これらの物質は、素材からタンパク質(酵素)によって合成されるので、本質的には、炭水化物、脂肪などの合成に係わるタンパク質をつくる設計図があればよいこととなる。

[ゲノム]:
1組の染色体を構成する全てのDNA塩基配列、遺伝子を含めた遺伝情報のこと。
ヒトゲノムとは、ヒトの全遺伝子情報の全てを示すもので、約30億個のDNA塩基配列で構成されている。
ゲノムという言葉は、遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から作られたもの。

親と同じものを作る遺伝子情報を全部持ったDNAを「ゲノムDNA」と呼ぶ。

 

 


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